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2015年4月 9日 (木)

居合兵法極意秘訣 4.道統4蟻川正左衛門

居合兵法極意秘訣

4.道統

 4、蟻川正左衛門

 蟻川正左衛門は秀吉公に仕し人也

*今伝わる道統は以下の通り
始祖林崎甚助重信
2代田宮平兵衛業正
3代長野無楽斎槿露
4代百々軍兵衛尉光重
5代蟻川正左衛門宗鑟(續)
6代萬野団右衛門尉信定
7代長谷川主税英信
8代荒井勢哲清信
9代林六太夫守政
10代林安太夫政詡

この居合兵法極意秘訣では蟻川正左衛門は4番目に位置しています。
特に順番の目安が数字で示されていないのですが、3代までは今伝わるものと同じなので4代と5代の入れ替わりと云うよりよくわかっていなかったと考えたほうが良いかもしれません。

なぜなら、この居合兵法極意秘訣による道統の書かれている順序は以下の通りです。
1.林崎甚助重信
2.田宮平兵衛業正
3.長野無楽斎槿露
4.蟻川正左衛門宗鑟(續)
5.萬野団右衛門尉信定
6.長谷川主税英信
7.百々軍兵衛尉光重
8.荒井兵作(勢哲)

4番目以降の順序が今伝わるものとは違っています。
長野無楽斎に繋がる、三之宮左太夫照信(一宮左太夫照信)以下も見られません。
長野流、一宮流として一流を立てなのか、林崎の道統は百々軍兵衛か蟻川正左衛門かこの辺は不透明なのでしょう。

荒井勢哲、長谷川英信が北信濃の松代藩内で郷士や農民に武術を教えていた様子が垣間見られます。
彼らが居場所を求めて転々とする中での出会いだったかもしれません。

そんな事は無い、当流を誹謗中傷するな、との御叱りがあっても、証明するものが無いのですから今後の発掘が楽しみです。
往時の武芸者は、殆ど使い捨ての助っ人集団で、仕官の叶った武芸者は少ないものです。
武士と農民の狭間を生きた人達の習いごとであったり、農村を夜盗から守る助っ人であったりしたのでしょう。

現在の無双直伝英信流なども、師は誰々と名のある師匠の流れでもいつの間にか幻の如しの感があります。
お弟子さん方が如何に師を慕ってみても、書物や動画に残り、後世の人が見知る事が出来なければ、その師の人となり、居合への思い、業技法の優れた見識が伝わることは稀でしょう。

今伝わる明治以降のテキスト本で、多くは前に出された書籍の真似に過ぎない中で、その人の修得された業技法とその道への思いを伝えて来る先師のテキストは以下のものだろうと思います(敬称略)
山内豊健・谷田左一共著の居合詳説
白石元一の大森流・長谷川流・伯耆流居合術手引
河野百錬の無双直伝英信流居合道・大日本居合道図譜・居合道真諦
政岡壱實の無双直伝英信流居合兵法地之巻
中川申一の無外流居合道解説
妻木正麟の詳解田宮流居合
檀崎友影の居合道教本
山蔦重吉の夢想神傳流居合道
笹森順造の一刀流極意
柳生延春の柳生新陰流道眼
鈴木安近の鹿嶋清孝先生伝新陰流居合
赤羽根龍夫の江戸武士の身体操作柳生新陰流を学ぶ
岩田憲一の古流居合の本道・師伝芥考土佐の英信流・土佐の英信流旦慕芥考三谷義里の詳解居合無双直伝英信流
松峯達男の居合の研究夢想神伝流
池田聖昂の無双直伝英信流居合道解説
前田英樹の剣の法。

多くの剣士は俺の流派では無い、やり方が違うと云うだけで手に取ろうともしない、稽古しようともしない、そんな狭量な心に拘るよりも流派を越えて、伝えられた業技法をひたすら稽古して道理を得た方が良さそうです。

文章に残された仕方は著者が目指すものであって、著者自ら演じた業が文章に合わないなど当然の事です。
良き指導者であり著者は普遍的真実を語っている筈です。

元関東地区の会長であった大田次吉先生がある酒宴の席で「弟子たる者は、師匠のできないことでも、やらねばならぬ!」とおっしゃったと言う。この言葉が全てを語っていると思うのです。
幻を追うは、稽古を付けられた、その時の師匠の居合の形でもなければ、映像に残るものでも無く、心から弟子を愛し学び得た事を伝えようとされた、あの一言・一動なのだろうと思います。

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