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2015年4月10日 (金)

居合兵法極意秘訣 4.道統5万野團右衛門

居合兵法極意秘訣

4.道統

 5、万野團右衛門

 是同秀吉公に仕

*万は萬と思いますが、曽田先生の写されたものは万です。
万は卍の変形で古くから萬の通用字として用いられています。
萬はサソリの象形文字で、サソリはのちに萬と書き、音を利用して長く続く意に当てて萬。(漢和辞典より)

萬野團右衛門でいいのでしょう。正式には萬野團右衛門信定でしょう。
前回の蟻川正左衛門宗績と同様に秀吉公に仕えたといいます。
この出典は何処からなのかわかりません。

現代では、萬野團右衛門信定は神傳流秘書の居合兵法伝来では以下の様に伝えて居ます。

林崎神助重信―田宮平兵衛業正-長野無楽入道槿露斎-百々軍兵衛光重-蟻川正左衛門宗績-萬野團衛門信貞(定)-長谷川主税之助英信-荒井兵作信定(清信)-林六太夫守政-以降も有りますが曽田先生の加筆でしょうから省略します。
この目録には無双神傳英信流居合兵法とあり・・でした。

此処に始祖は林崎神助重信と有ります。土佐の根元之巻では林崎甚助重信ではなく林崎神助重信だったのです。
戦後の根元之巻では神助を甚助に改められている様です。

ルーツが由緒正しかろうとも、そうでなくとも、現代迄其の大部分が伝承され磨き上げられて来た事は素晴らしい事です。
それは、土佐から全国に無双直伝英信流を広める努力があって広まったからとも云えるでしょう。
この神傳流秘書や居合兵法極意秘訣などが、もっと早く公にされそれを正しく学ぶ思いがあったならば、もっと素晴らしい土佐の居合の伝承が実って居たと思います。

大江先生直伝の先生方やその後の傍系の方々の動画を手に入れて拝見させていただいています。
個性豊かで力強いのですが、どう見ても癖だらけで真似るべき「かたち」とは思えないのです。
横一線の抜き付けが鯉口から斜めに斬り上げられていたり、鞘引きの鐺が不必要に右に振られていたり、其の為か意図しない半身になっていたり、振り冠った刀が意味無く背中にくっついていたり、斬り下しの際弾みを付けあおる様に二段打ち下しになっていたり、血振いの切先が高く天を衝く様に上がっていたり、上体がギッタンバッコンしていたり、請け流しなのか逃げ流しなのか判らなかったり、気迫十分に力いっぱい介錯されたらたまりません。
一方的に竹刀打ち同様ポンポン打ち込んで相手を追い越してしまいそうです、
バタバタ追い懸けてこられたら全速力で逃げ出します。
飛び上ってドンと両膝を床に打ち付け抜き打ったり、意味不明の無茶苦茶です。
その反面、土佐以外の後進の先生方を「居合の居も知らんくせに」と笑っています。迅速で力いっぱいであれば切れるとばかりです。
長年の修錬に培われた納刀はさすがです、きっと何度も血を流されたお蔭様でしょう。

当然の事乍ら一人として同じ業なのに同じ動作では無いのです。
業の動作の順番を習い覚えた初心者が一人稽古で身に付けてしまった思い違いしたままを修錬した理合も術理もそぐわない悪癖と同じなのでしょう。

大江先生は指導された時期によって動作が違っていた、など何かで読みましたが、どうでしょう・・。
大江先生直伝と知れば誰も昔はあんなものだったのかと思って、素晴らしいと云うばかりです。

山本宅治先生の書簡に「・・其れから御頼みがありますが老生の英信流居合に付き御批判がありましたなれ如何なる事でも差閊(支)へはありませんから御通知に預り度(たく)老生の研究に当てたいと考えて居ます現在は某(それがし、誰の誤字)も申してくれないので一寸も分りません御遠慮せず御申して下りませ其を喜ぶ者であります岩田先生の手紙ご参考下さりませ・・」と心を許す弟子に送られています。

岩田先生も何か山本宅治先生の居合に率直に質問されたのでしょう。昭和34年頃の事です。
大家と云われる先生には誰も批判などする事も出来ないのです。大家でなくとも1、2年の兄弟子程度にもそんな風潮が漂っているのです。

こんな事で日本の伝統武芸などと云っていたら笑われてしまいます。
山本宅治先生のこの批判してくれと云うのは素晴らしい事です。
そのお弟子さんであった大田次吉先生の「弟子たるもの師匠の出来ぬ事でもやらねばならぬ」は師弟共に素晴らしい心と思いませんか。

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