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2015年5月

2015年5月31日 (日)

居合兵法極意巻秘訣 1.日中之事

居合兵法極意巻秘訣 印可部

従是兵法嗜之介條迠先生御註訳

 1.日中之事

 日を背に受く可し気盛になるの利有亦敵日に向へば眼まばゆくして此方の色めを見る事成らざる也

*太陽を背に受けて敵に対するのである、我が気勢は盛んになり、又敵は太陽に向うので眩しくて此方の色目を見る事が出来ないものである。

太陽を背にする場取りの教えです。
印可になる教えである。
是より兵法の嗜みの介條、先生の御註訳である。
*兵法の嗜みの状況を箇条書きし第10代林安太夫守政先生のご註釈である。

武蔵の五輪書火之巻に場の次第と云う事「場のくらいをみわくる所、場において日を負うという事有、日を後ろになして構ゆる也。若し所により、日を後ろにする事ならざる時は、右の脇へ日をなす様にすべし。座敷にても、明かりを後ろ、右脇と為す事同前也」

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2015年5月30日 (土)

英信流居合目録秘訣 4.居合心持肝要之大事9獅子洞入

英信流居合目録秘訣

4.居合心持肝要之大事

 9、獅子洞入 獅子洞出

 是以戸口抔を入るの習也其外とても心得有るべし或は取籠者抔戸口の内に刀を振上て居るときは容易に入る事不能其時刀を抜て背に負たる如くに右の手にて振り上げ左の手にて脇指を提げうつむきて戸口を入るべし上より打込めば刀にてふせぎ下をなぐれば脇差にて留る向ふの足をなぐべし獅子洞出是以同出入の心得を知らする也

以上

居合目録口訣覚終

*是の心得を以て戸口抔を入る習いである。其の外の時でも心得ておくべきである。或は取籠者抔戸口の内に刀を振り上げて待ち受けて居る時容易に入る事は出来ない、其の時刀を抜いて背に負う様にして右の手で振り上げて持ち、左の手には脇差を提げ俯いて戸口を入るべし。上より打込めば刀にて防ぎ、下を薙ぐって来れば脇指にて留め、向うの足を薙ぐ、獅子洞出、是を以て出入りの心得を知らせるのである。

以上

居合目録口訣覚終

以上で英信流居合目録秘訣を終わります。

この教えは、2015年3月21日の居合兵法極意秘訣當流申伝之大事に似たような教えが有ります。
「門戸出入之事夜中うたがわしき所にて先我足より先へ出すべし刀鞘供にぬきかけて我首之上にかぶりて出入すべし三方のわざわい止るなり其上は時々自分自分のはたらき有るべし」

2015年5月2日の英信流居合目録秘訣の上意之大事の門入
「戸口を出入りするの心得也戸口の内に刀をふり上て待つを計知るときは刀の下緒のはしを左の手に取刀を背てうつむきとどこをり無く走り込むべし我が胴中に切かくるや否や脇指を以抜つけ足をなぐべし」

*夫々違いは有っても背中の刀を背負って戸口を入る所は同じです。
良く整理されている古伝ですが同じような心得が3度出て来ると何故の虫が騒ぎます。

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2015年5月29日 (金)

英信流居合目録秘訣 4.居合心持肝要之大事8泳之大事

英信流居合目録秘訣

4.居合心持肝要之大事

 8、泳之大事(潜り之大事 曽田メモ) 附戸脇

 旅にても常にても夜寐るに気がゝりなる時は其家に戸框抔あらば其戸框の内に手水鉢か亦桶の類にても置くべし不意に入来る者は是につまつき騒動するなり其所を仕留る也惣じて首より先きへ入をきろう足より先え入るべし

附たり 戸脇と云は夜中に戸口を入るに必内裏我を切らんと心懸て戸脇に振り上て居ると思ふときは直に戸口を入事無く杖抔を持合たらば其れをちらりと内へ差し出し見べしもし内に待設けて居るときは夜中の事なれば必其れに切付べし杖を出して見てかっちりと何んぞ當らば其儘内に飛入るべし猶予否する時は害有りかっちりと當るや否や飛入るときは二の太刀をかえすに暇無故害せらるゝ事なし

*これは泳之大事の題名ですが内容と一致しません。写しの際泳之大事を写し損なったかでしょう、曽田先生のメモもおかしいようです。木村栄寿先生のものも同じですから此処は山川幸雅の移し漏れかそれ以前のものでしょう。

旅に出た時でも常の時でも夜寝る時に気掛かりな時は、其の家の戸框があれば其の戸框の内側に手水鉢か又は桶の類でも置いて置くのである。不意に入って来る者は是に躓き騒動するものである。其処を仕留めるのである。
総じて人は首より先に入るのを嫌って足より先に入って来るのである。

附け足し 戸脇と云うのは夜中に戸口を入るのに、「必内裏」は内に必ず裏があると云うのでしょう。
我を斬ろうと思い戸脇の内で刀を振り上げて居ると思う時は、直ぐに戸口を入る事をせず、杖などを持って居たならばそれをちらりと内へ差し出し手見る事である。
もし、内で待ち受けて居る時は夜中の事であれば、必ずそれに斬り付けて来るものである。
杖を出して見てかっちりと何かが当たれば其の儘内に飛び込むのだ、猶予するや否や害されるものである。
かっちりと当たるや否や飛び込めば相手は二の太刀を返す暇も無いので害せられる事は無い。

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2015年5月28日 (木)

英信流居合目録秘訣 4.居合心持肝要之大事7いため紙

英信流居合目録秘訣

4.居合心持肝要之大事

 7、いため紙

 いため紙水呑茶をかくる風袋の小き形にすべし四隅に乳を付置くべし水無き所にてはるかに深き井戸亦谷水抔汲によし長き糸を付けて瓶の如くに汲也尤水呑の中に石を入をもりにして汲む也

*いため紙は板目紙、和紙を張り合わせて丈夫にした紙で袴の腰板や和綴じ本の表紙等に使われた。
いため紙による水呑み 茶を掛けたり風袋は小さい形にするもので、四隅に乳を付けて置くと、水の無いような所の深い井戸や谷の水などを汲むのに良い、糸を乳に付けて瓶の様にして汲む。尤も水呑の中に入れ重りにして汲むのである。

サバイバルなどと言って、現在では特別な事をしている様な事もあるのですが、昔は当然の心得としてあった事です。

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2015年5月27日 (水)

英信流居合目録秘訣 4.居合心持肝要之大事6閨之大事

英信流居合目録秘訣

4.居合心持肝要之大事

 6、閨之大事

旅抔に泊る時夜中気遣しき時か又常にも用心有ときわ先ず笄隠れを用べし笄隠れと云うわ行燈の土器に楊枝を横に渡し笄を火の上にそっと置く也火消たる如し入用なれば笄を除くれば火明か也
扨其間に戸口あらばたゝみを一枚はぎて其戸にもたせ楊枝をつかにして置くべし外より戸を明くれば楊枝にたゝみもたせて有故にたゝみ速かに倒るゝ也寐て居ると云え共其音に驚かずと云う事なし
まだ急なるときは我は座の隅に座し寐床は座の真中に我が伏〆居如くに見せて置くべし
亦ゆるやかなる時は四方より糸を十文字に引渡し其の糸を入口の戸に付け置て茶碗に茶を入れ其茶碗を糸の十文字の違目にからめ付我が顔を其茶碗の下へやりて寐べし外より戸を明る時は糸うごく故其の水こぼれて我面に落る故驚くなり是を□間の寝覚と云う也
又いため紙の水呑を拵て四方に穴を明て懐中にすべし右の茶碗の代に用る也尤枕本に大小を置くことなく刀の下緒に脇差の下緒を通し刀の下緒の端しを手に持て寐べし火急のとき大小を否や取って指すに宜し

*旅などで泊まる時、夜中に何か気づかわしき事がありそうに思う時か、常でも用心が必要な時は、先ず笄隠れをすると良い。笄隠れと云うのは行燈の土器に楊枝を横に渡して、笄を火の上にそっと置く、火が消えた様になる、火が入用ならば笄を除けば火が大きくなった明るくなる。

さて、其の居間に、戸口があれば畳を一枚はいで、其の戸にもたせ楊枝をつっかい棒にして置く、外より戸を開ければ楊枝に畳をもたせてあるので畳が速やかに倒れる。寝て居ても其の音に驚かない事は無い。

まだ、急なる時は我は座敷きの隅に座し、寝床は座敷の真中に我が伏して居る様に見せて置くべし。

また、時間が有る時は四方より糸を十文字に引き渡し其の糸を入口の戸に付けて置いて茶碗に茶を入れ、其の茶碗を糸の十文字の交点に絡め付け、我が顔を其の茶碗の下へやり寝るのである、外より戸を開ければ糸が動き其の水が零れて我が顔に落ちるので驚くのである。是を□間の寝覚めと云う。□は判読不明ですが「夢間の寝覚」でしょう。又、いため紙で水呑を拵えて置いて四方に穴を明けて懐中にして置く、其の場合右の茶碗の代わりに使える。

尤も枕元に大小を置く事をせず、刀の下緒に脇指の下緒を通し刀の下緒の端を手に持って寝る、火急の時大小を素早く取って指すのに良い。

現代ではこの手の仕方では役立たない不要の用心ですがさて、日頃の心掛けは・・地震、洪水、火事、泥棒対策は・・。

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2015年5月26日 (火)

英信流居合目録秘訣4.居合心持肝要之大事5夜之太刀

英信流居合目録秘訣

4.居合心持肝要之大事

 5、夜之太刀

 夜中の仕合にわ我れは白き物を着べしてきの太刀筋能見ゆるなり場合も能知るゝものなり放れ口もなり安し白き肌着抔を着たらば上着の肩を脱ぐべしかまえは夜中には下段宜し敵の足を薙ぐ心得肝要なり或は不意に下段になして敵に倒れたると見せて足を薙ぐ心得も有るべし

*夜中の仕合には、我は白い物を着るのである。敵の太刀筋が良く見えるものである。場の状況も良く知れて、切先の放れ口も時を得て容易になるのである。
白い肌着などを着ているならば上着の肩を脱ぎ、構えは夜中は下段が宜しい、敵の足を薙ぐ心得が肝要である。
或は不意に下段にすれば敵は我が倒れたと見えて、踏み込んで来る処を足を薙ぐ心得も肝要である。

夜の太刀は古伝神傳流秘書の抜刀心持之事「夜の太刀」では「歩み行抜て体を下り刀を右脇へ出し地をパタと打って打込む闇夜の仕合也」と有ります。
是は敵の存在が闇夜で見えず当然我の存在も見えない、そこで敵の位置を音で知ってその方に向き地面を刀でパタと打って敵に我が位置を知らせ打ち込んで来る処を仕留めるものなのです。

今回の夜之太刀では白い物を着て見える様にしてしまう処は面白い発想の処でしょう。

當流申伝之大事では暗夜の心得が述べられており(2015年3月25日、3月26日)
其処では、袂に石を3つ4つ入れて行き、見えるものに当てる。
或は鉄の鎖の先に五十目程の玉を付けて杖や脇指の鞘などに付けて四方に振り廻して打ち払う。
半弓を持って行く。逃げる者を追わない。夜は頭巾とか笠とか鉢巻などでも必ず冠る。
鼻紙を水に浸し鉢巻の下にすると鎖頭巾より強いとか高声に歌わず大酒を呑まず・・などの心得も有ります。

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2015年5月25日 (月)

英信流居合目録秘訣 4.居合心持肝要之大事4野中之幕

英信流居合目録秘訣

4.居合心持肝要之大事

 4、野中之幕

 取籠者抔の有の時杖の先き或は竹の先に又横手をくゝり付け其横手を羽織の袖に通し其竹の本を左の手に持て向えさし出し右の手に刀を持ち生捕なれば木刀の類を持ち我身は羽織の陰に隠れ羽織をば相手の方へつき付べし向より切ると云へ共我身にはとゞく事なし其所を持ちたる刀にて相手の足を薙ぐべし亦矢玉を防ぐに至て宜し

*小屋内に入って居る取籠者などを成敗する時は、竹の先に横手を十文字に括り付けその横手に羽織の袖を通し、竹の本を左手で持って向こうへ差出し、右手に刀を持って、生捕る場合は木刀で、我が身は羽織の陰に隠れ、相手の方へ突き付けていく、向こうより切って来ても羽織に切りつけるのでとどくことはない。其処を持っている刀で相手の足を薙ぎ払うのである。亦矢玉なども羽織で防ぐのにも至って宜しい。

何故か、ほのぼのとした古き良き時代の風景が浮かんできます。
効果のほどは、相手が見境なく上気して、我は沈着冷静、ほの暗い納屋などを想像してしまいます。

身を守る事は、行政や警察など自らの自己責任では無く社会環境が為す事位の現代日本の脳天気では、野中之幕は漫画です。

しかし、武術は人の心を推し量る能力も養う事でなせるものだろうと思います。

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2015年5月24日 (日)

英信流居合目録秘訣 4.居合心持肝要之大事3太刀目附之事

英信流居合目録秘訣

4.居合心持肝要之大事

 3、太刀目附之事

 敵の足に目を付けべし是にて場合能く知るゝのみにてならず臆せざる也是を上見ぬわしの位とも云うなり心は下に有って事さ上に速に応ずる油断無の心なり

*立合いの目付は敵の足に目を付ける事、是によって場合の状況を良く知る事が出来るものである。それだけでは無く臆する事も無い。
上を見ぬ鷲之位とも云うのである。心は下にあって事が上にあり速やかに応ずる油断の無い心である。

「事さ上に速に応ずる」の「事さ」は解読不明ですが、敵の足に目付けをしていれば、敵との間合いも、動作の起こりも把握可能なので心を下に澄ませて置き、上での起こる事に速やかに応ずる油断なき心の目付というのでしょう。

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2015年5月23日 (土)

英信流居合目録秘訣 4.居合心持肝要之大事2太刀組附位

英信流居合目録秘訣

4.居合心持肝要之大事

 2、太刀組附位

 互に太刀を打下し組付けたる所に勝あり敵の太刀より遅きと見えても上太刀と成位あり唯肝要は拳也
組付たる処にて其気先にてすぐに突べし

*互いに太刀を真向に打ち下ろし、太刀が触れ合う処に勝ちがある、敵の太刀より遅く打ち下したと見えても敵の太刀に上太刀になる位がある。唯肝要なのは拳に打ち込めたか否かである。
組み合って上太刀になるや太刀の切先にてすぐに突くべし。

これは、どうやら新陰流の合し打ちによる十文字勝ちで相手の太刀に遅れて打ち下ろし相手の太刀の上に乗り即座に相手の拳に摺り込んで突く事を言っているようです。
ここにも第九代林六太夫が大森六郎左衛門より学んだ真陰流の業が秘められているようです。

参考に、土佐には、衣斐丹石の丹石流が山内一豊、二代山内忠義に仕え野中兼山の失脚とともに衰えています。
上泉伊勢守の門人小笠原玄信斎が真心陰流を起こし、その弟子小林市郎左衛門の孫小林喜太夫が近江の長浜で山内一豊に抱えられ土佐に随従しています。
柳生新陰流は柳生但馬の高弟出淵道先の次男三郎兵衛が元禄10年1697年知行三百石で仕えたが、馬術指南役国沢五郎左衛門馬上での仕合を行い馬術に悩まされ得意の剣法が繰り出せず敗退して、それを恥じて知行を返上しています。
また、都治月丹による無外流が宝永4年1707年頃から5代藩主山内豊房に召されて出入りがあったようです。6代藩主山内豊隆の正徳5年1715年には出入り料20人扶持が給付されています。その後享和5年1720年には月丹の4代目辰五郎が15人扶持格式は御小姓格江戸詰めで正式に抱えられています。無外流は土佐に根を下し明治以後土佐の無外流剣客川崎善三郎を生んでいます。

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2015年5月22日 (金)

英信流居合目録秘訣 4.居合心持肝要之大事1居合心

英信流居合目録秘訣

4.居合心持肝要之大事付大小指違之事

 1、居合心立合之大事

 敵と立合兎やせん角やせんとたくむ事甚嫌ふ況や敵を見こなし彼が角打出すべし其所を此の如くして勝ん抔とたのむ事甚悪しゝ先づ我身を敵の土壇ときわめ何心なく出べし敵打出す所にてちらりと気移りして勝事なり常の稽古にも思あんじたくむ事を嫌ふ能々此念を去り修行する事肝要中の肝要也

 大小指違と云は世人脇指を帯二重に指刀を三重にさすなり居合の方にては二重に刀を指し三重に脇指を差す也敵に出合たる時大小を子(ね)じ違へて脇差をば下し指しにして刀を抜戦べし然るときは脇指の柄まぎる事無亦刀のさやの鐺は子(ね)る故に足を打つことなく働の自由宜し常に此の如く指すべし

*敵と立合うのに、兎やせん角やせんと企む事は甚だ嫌う事である、況や敵を見透かして彼がこの様に打ち出して来たら其の所をこの様にして勝とうなどと思い頼む事は甚だ悪い。先ず我が身を土壇と極めて何心も無く場に出て行くのである。敵が打ち出す所にちらりと気移りする処に勝事である。常の稽古でも思案に暮れて企む事を嫌う。能々この念を去り修行する事肝要中の肝要である。

大小指し違いと云うのは、世人は脇差を帯二重の下に差し、刀を帯三重の下に差すのである。居合では帯二重の下に刀を指し、帯三重の下に脇指を差すのである。
敵に出合った時は、大小をねじ違えて、脇差を落し差しにして刀を抜き戦うべきものである。その様にすれば脇指の柄が邪魔になる事は無い。又刀の鞘の鐺がはねて足を打つ事も無く、働きが自由になって宜しい、常にこの様に大小を指し違いに指すものである。

「大小をねじ違へて」とは太刀が上にあって小太刀が下にあるのを、小太刀を落とし差しにして太刀の柄の上に小太刀の柄がある様にする事でしょう。
この様にすれば、脇差の柄が邪魔になる事も無いと云うのです。

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2015年5月21日 (木)

英信流居合目録秘訣 3.極意の大事10智羅離風車

英信流居合目録秘訣

3.極意の大事

 10、智羅離風車

 手拭にても煙草入にても向の面に投付けてビクとする所を切るべし又刀を抜きて其手に扇抔を持添て打込躰にて其扇を投げ付ビクとする所を打込勝なり

*智羅離風車(ちらりふうしゃ)の読みで良いのでしょう。漢字は当て字でしょう。一瞬の惑わしによる勝口の教えです。
手拭でも煙草入れでも相手の顔に投げつけ相手がビクとする処を切るのである。又、刀を抜いて柄と一緒に扇などを持って打ち込む様にしてその扇を投げ付けビクとする処を打ち込んで勝のである。

相手をビクとさせて臆する処を切るのは「上意之大事」の教えで三角、四角の業の教えにありました(2015年4月30日、5月1日)。極意の大事では、火村風、逢意時雨、外之劔、鉄石などもこの教えと同じです(2015年5月15日~19日)

奇襲は当たり前の事であったのでしょうが、平和が続き江戸末期には卑怯な行為とも取ったのかも知れません。

智:知恵、さとい、賢い

羅:あみ、つらなる、つらねる、目のすいた薄い絹物(うすもの)

離:はなす、はなれる、とりつく、

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2015年5月20日 (水)

英信流居合目録秘訣 3.極意の大事9遠方近所

英信流居合目録秘訣

3.極意の大事

 9、遠方近所

 我に敵する者と見るときは其の者の側に寄りて居る事肝要也或は庭前の花にことよせ或は掛物を見る躰抔して側に近よりて居べし刀に手をかけば其儘手を取って引倒すべし間を隔てゝ居る故に不覚を取るなり或は意趣有って仕掛られ丸腰にて出合て不覚を取たる者も間々之有也是等も此習を得たればたとい丸腰なり共不覚をば取まじ其故はいや貴殿の短慮なり能く合点せよ抔と云て側に詰寄て居る時は刀をぬけば引倒す故丸腰とても不覚は取まじきなり
亦大事の仕物九寸五分の合口抔を指近く居て思わぬ処で取って引寄さしころす時はたしかに仕留る也是等皆師子王かんよう也

*我に敵する者だと見た時は、其の者の側に寄って居る事が肝要である。
或は庭の花に事寄せ、或は掛物を見る振りをして側に近寄って居るのである。
刀に手を掛けたなら其の儘その手を取って引き倒せばよい、間を隔てて居るので不覚を取るのである。
或は意趣あって仕掛けられ丸腰で出合って不覚を取った者も間々ある。これ等も此の習いを得ていれば丸腰であっても不覚を取る事は無い。
それ故「いや貴殿の思い違いでしょう、よくお考え下さい」抔と云って側に詰め寄って居れば刀を抜けば引き倒せばよいので丸腰であっても不覚を取ることは無いであろう。
亦、上意の大事な捕り物であれば九寸五分の合口などを指し、近くに居て相手が思わぬ所で抜き取って刺し殺すならば確実に仕留めることになろう。
これ等の事は皆師子王の心(大丈夫の心)が肝要である。

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2015年5月19日 (火)

英信流居合目録秘訣 3.極意の大事8鉄石

英信流居合目録秘訣

.極意の大事

 8、鉄石

 旅抔にて気遣しき所を通るには石を袂に入れて行くべし尤是に限らず用心を為しめ行先は必石を袂に入行べし時に取って是を打つくる也座上にても鉄石の心得有あの者を切らんと思ふ時は其者の膝本のたゝみ抔をハタと敲くときは夫に気をうつす也其所を切ればきり安き者也

*旅などに行ってどうも怪しく気遣しい所を通るには、石を袂に入れて行くものだ、尤もこの旅に限らず用心をして出かけて、行先には必ず石を袂に入れて行くべきものである。時に会っては、この石を敵に打ち当てるのである。
座敷上でも鉄石の心得あるもので、あの者を切ろうと思う時には、その者の膝前の畳などをハタと打ち、それに敵が気を移すもので、其のところを切れば切り易いものである。

相手の動作を誘ったり、気をうつらかしたりその為の手段や道具を心得ておけといっているのでしょう。

古伝神傳流秘書の大剣取に鉄石と云う仕組が有ります。
「是も前の如く坐し是は廻り寄りて切らんと心得て抜かざる時行なりに小太刀にて小太刀にて地をハタと叩いて気をうばうて入りてさす」2014年12月6日

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2015年5月18日 (月)

英信流居合目録秘訣 3.極意の大事7鉤瓶返

英信流居合目録秘訣

3.極意の大事

 7、鉤瓶返

 座上にては刀をば抜いて置く事當然也然時に向ふより切かくるときぬき合する間なければ鞘と柄とを取って鞘共に請て其儘引ぬいて片手打に切るべし

*鉤瓶返は(かぎべかえし)ですから是は「釣瓶返」の誤字でしょう。
座して居る時は、刀を腰から抜いて置くのは当然である。その様な時に向うから斬りかかって来る時は抜く間が無ければ鞘と柄を取って鞘ごと請けて其の儘刀を抜いて片手打ちに切るものである。

此の場合、刀を右膝の脇か左膝の脇か有る筈ですから夫々稽古しておくべきものでしょう。

水鴎流に左右の応じ方が有ります。
左側に刀を置く場合「立浪」「左手で刀を取り、敵の顔面に柄当てして右手で柄を取るや抜き受けに打ち込んでくる敵の小手を斬る」
右側に刀を置く場合「立浪裏」「右手で刀を取り、敵の顔面に柄当てし、左手を柄に掛けるや刀を抜いて敵を突く」

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2015年5月17日 (日)

英信流居合目録秘訣 3.極意の大事6外之劔

英信流居合目録秘訣

3.極意の大事

6、外之剱

自宅他家共に其の座に有る物に心を付べし箱の類にても又はけさんの類盤の類にても之有時は我が量に叶うべきを計其近所に座して透間を見て是を打つけべし亦常とても此心得有るべし其座に有るもの近所にざすべし亦我が居間に是々有と常に心を用い置時は至って利を得る也
仕合抔望まれたる時向原の詞聞きたる上は油断すべからず立合迄もなしすぐに何にても取って打倒すべし又しなえ抔くみてあらば立合ふ迄もなし居ながら取かえして打ころすべし

*これも前同然のことですが、その場にある得物になるものを即座に認知しておくこと、と言っています。
自宅や他人の家でもその座敷に有るものに心を付けておく事、箱の類、またはけさんの類盤の類(そろばん か?)、でも有るならば我が武器になりそうなものが有ればその附近に座して、相手の隙を見て是を打ち付けるのである。
亦、常にこの事を心得て置くものであり、その座に有るものの近所に座すべきである。
亦、我が居間に於いても、これこれの物が有ると常に心覚えしておく時はその場に至って利を得るものである。
仕合など望まれた時は相手の言葉を聞いたとたんに油断なくして、立ち合うまでもなくすぐに何でも取って相手を打ち倒すのである。
また、竹刀など組あげてあれば立ち合うまでもなく居ながら竹刀を取って打ち殺せ。

是が、戦国時代から江戸中期にかけての武士の心掛けだったのでしょう。
むざむざ切られたのでは、武士道精神に欠けお家断絶の憂き目に会う時代です。

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2015年5月16日 (土)

英信流居合目録秘訣 3.極意の大事5逢意時雨

英信流居合目録秘訣

3.極意の大事

5、逢意時雨

火村の風に異る事無し是は茶抔を所望して其茶椀を取ってすぐに打付べし又自宅え敵来たらば我れ茶を汲で持出て其茶を取らんとする手を取て引倒して勝也

*前回の火村風(かそんかぜ曽田メモ)と同じように不意に相手に物を打ち付け怯む処を打ち倒し勝つもので、是は茶などを所望して茶が出てきたら茶碗を取るやすぐに相手に打ち付ける、又、自宅へ相手が来たならば我は茶を汲んで進めて、相手がその茶を飲もうと茶碗に手を出す其の手を取って引き倒して勝のである。

生死を掛けた戦いとは云え、この様な行為を武士道に反するとも言えないのは、上意討ちを命じられていたり、相手の悪行に対するにはそれなりの事と解するものでしょう。

河野先生が曽田先生に文通質疑した中に面白い問答があります。
河野先生「居合は本来の目的よりして剣道の所謂先々の先にあらずして先又は后の先の一刀と信じますが上意打は別とし(之とて上意と呼びてなすと業(□)る)一切敵を「だまし」打にする事は之無と信じますが立膝の岩浪に於て左に向き右足にてトンと踏みたる時敵ハット右に振りたる其の胸(又はのど)をさすと説くは丁度之にては「だまし」打の教あり。本業の正しき解義を是非御教示の程御願申上げます」

曽田先生解説「正面より我刀柄を取り押えんするにより我先に廻り柄を右によじて刀を抜き敵を突くの技にして決して「だまし打」にあらず当突く時足を「トン」と踏むは突く刀勢を添ふるものなるにより(又一説には敵我刀を押えんとする其柄を踏む心持ありと)音をせずして突くもあること心懸くべし」

河野先生は居合はだまし討ちなどないと思うがどうだ、と質問しています。
曽田先生は、敵の仕掛けに応じたものだ、動作には刀勢を付けることもある。と応答しています。

河野先生は清らかな武士道精神を貫かれておられるようです。
強い信念に貫かれた上での、奇襲は許されるものか・・。
先の大戦における米国の無差別空爆や原爆投下にも及ぶものでしょう。

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2015年5月15日 (金)

英信流居合目録秘訣 3.極意の大事4火村風

英信流居合目録秘訣

3.極意の大事

 4、火村風

 仕物抔に行たる時其物(者)と物語抔をして都而(却而?曽田メモ)色にあらわさず扨煙草盆を持出したらば其火入を取って打付けて然しておくれたる所を勝べし亦捕者抔に行に灰を紙につつみ其灰の中に石を入れおんぶくの様にして持相手の面に打つくるとぱっと開いて眼くらむ也其所を捕る也譬開かず共石を入れて打付る故転どふする也或は此事を聞くさし捕手の役に行く密談に事よせ捕る仕組也一人密談しいたるに脇より紙に灰を包み打つけゝるに紙しかと包みて有りたる故都而(却而?)開かずおんぶくの如くなるものにて面を打たる故いよに相人気ばりて取急たると是伝を知らざる故用に立たず

*仕物などに行きたる時に、捕まえるべき相手と物語などをして、色にもあらわさず居る、さて相手が煙草盆を持ち出したならば、其の火入れを取って打ち付け、相手がそれで臆したところを勝べし。
亦、捕り者などに行くに灰を紙に包み其の灰の中に石を入れて、「おんぶく(お捻り)」の様にして持ち、相手の眼面に打ち付けるとパッと開いて眼が眩む、其の所を捕るのである。たとえ開かなくても石を入れて打ち付ければ転動するものである。
或は此の事を聞きかじり石も入れずに捕手の役に行き、密談に事寄せて捕ものに行く。
一人密談して居る時に脇より紙に包んだ灰を打ち付けたのに紙をしっかりと包んで有ったので却って開かず、おんぶくの如きもので顔を打たれたので、相手は愈々気を張ってしまい、取り急ぐ事になってしまうのは、この伝を知らざる故に用に立たないものである。

「おんぶく」とは土佐の方言でしょう、小銭やお菓子などを紙に包んで上の方を捻った「おひねり」です。
此の心得の題名はどの様に読めばいいのでしょう。
「火村風」ひむらかぜ・ほむらかぜ・かそんふう?。

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2015年5月14日 (木)

英信流居合目録秘訣 3.極意の大事3地獄捜

英信流居合目録秘訣

3.極意の大事

 3、地獄捜

 闇りに取籠り者抔有るときの心得也夫而巳成らず惣じて闇にて人をさがすの術也
刀の身と鞘と半分抜掛て鐺を以一面にませ捜すべし鐺に物のさわるを證に抜て突くべし
亦鞘口三寸計に切先を残し居ながら静かに四方え廻してさぐるべし九尺四方何事も知れ申

*暗がりに取り籠り者が居る時の心得である。それいまだ成らずして総じて闇に人を捜す術である。
刀身と鞘とを半分抜き掛けて鐺を以て辺り一面に廻して捜すべし、鐺にものが触るを證にそこへ抜き突くのである。
亦、鞘口三寸ばかりに切先を残してその場で静かに四方へ廻し探れば九尺四方の何事も捜れるものである。

何でも身に着けているものを即座に利用して目的を果たす心掛けは見習うべきものでしょう。

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2015年5月13日 (水)

英信流居合目録秘訣 3.極意之大事2獅子王剣

英信流居合目録秘訣

3.極意之大事

 2、獅子王剣

 是は事に非ず我心に大丈夫を備ふる事也此の習何よりも肝要なり此備無き時はせきて色々出る故暇乞の類の術をもなすことならずつねに能く心に備るべし形恭しくて心大獅子王の如くに有る事

*これは業技法の事ではない。我が心に大丈夫の心を備える事である。この習いが何より肝要なことで、この心の備えが無い時は、心が焦って、色々な思いが湧き出て来て色にも現れる故、暇乞の類の術なども為す事もならない。常によく心に備えるべきである。
姿形が礼儀に叶い丁重であり、心が豪快華麗な獅子王の如くある事。

この教えは、第九代林六大夫はどこから伝授されたのでしょう。
前回の暇乞のような不意打をするには強い信念に裏付けされたものが必要であると諭しています。

上意之大事を全うするには極意として業技法を超えて、己を磨き強い信念に培われた大きな心で華麗な獅子王の如くあれと言うのでしょう。

現代居合の暇乞を不意打ちで気品に欠けるとして演武会では好ましからずとするものではなさそうです。
居合には人としてあるべき哲学が稽古の中でともに醸成されるものなのだろうと思うのです。

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2015年5月12日 (火)

英信流居合目録秘訣 3.極意之大事1暇乞

英信流居合目録秘訣

3.極意之大事

 1、暇乞

 仕物抔を云付られたる時抔其者の所え行て四方山の咄抔をして其内に切べし隙之無きときは我が刀を取て又近日と立さまに鐺を以て突き倒し其儘引ぬいて突也又は亭主我を送て出るとき其透間を見て鐺にて突たおして其儘引ぬいて突くべし

*上意討ちを云い付けられて、その者の所に行き、四方山話などして隙を見て切ろうとしていたが、相手に隙がない、刀を取って「又近日お邪魔する」と言って立ちざまに、鐺で相手を突き倒し、即座に刀を引き抜いて其の儘相手を突くのである。
又は、亭主が我を送って出る時に、その透きはかって鐺にて突き倒し其の儘引き抜いて突くのである。

これが、武士のお役目であって、仕損じることは許されない時代の心得です。
暇乞の時に機をとらえて、相手の隙を逃すなと言うものです。

古伝神傳流秘書には暇乞に相当する業は見当たりません。曽田本には抜刀心持之事の11本目に「抜打 上中下」(暇乞三本)格の低き者に対する黙礼の時、等輩に対する礼の時目上の者に対する礼の時」として書かれていますが、その運剣法は何も書かれていません。
現代の大森流の抜き打ちの変形だったのかも不明です。

大江先生の「剣道手ほどき」による暇乞
十九番 暇乞(黙礼):正座し両手を膝に置き黙礼し、右手柄に掛かるや刀を斜に抜き付け上段にて斬る。

二十番 同(頭を下げ礼をする):両手を板の間に付け、頭を板の間近く下し礼をなし、両手を鞘と柄に同一に掛け直ちに上に抜き上段となり、前面を斬る。

二十一番 同(中に頭を下、右同様に斬る):両手を膝上に置き黙礼より稍や低く頭を下げて礼をなし、右手を柄に掛け刀を斜に抜き上段にて斬る。(止め)(立合終わり)

二十一番と二十番は、今日と順番が違うようです。動作も最近のテキストとも違うようです。
この暇乞は不意打ちであるので、品位に欠けるとするのでしょう、奉納などでは演武業に入れないとするとも聞きます。
暇乞の礼をしようと体を屈める処、相手がその機に刀を抜き放ち撃ち込まんとするを・・。と解する事もあり得る場面でしょう。
身を土壇となして応じる居合の最も居合らしい想定はあってしかるべきものです。
英信流居合目録秘訣の暇乞の不意を付く心得と混同する必要はないと思うのですが。

兵法は大概のところ不意打ちだまし討ち闇討ちです。
孫子も「兵は詭道なり」と言っています。
卑怯と思い思われない境界線は果たしてあるのでしょうか。
この様にすれば、切られない、切らない、と言う決め事もあってしかるべきでしょうか。
相手を我が透きに誘い込み、それを躱して勝つ業など幾らでも稽古してきました。
或は相手の害意を認めるや機先を制して勝つなども紙一重でしょう。
平和ボケした時代の幻かもしれません。

居合は、何時如何なる変にも直ちに応じられる修行を心がけるものでもあるのでしょう。それは人の生き様でもあり、全ての生あるものの宿命でもあるはずです。
それには、正しいと信じる思いも強くなければならないのでしょう。

企業競争なども、不意打ち、騙し打ちは日常茶飯事です。

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2015年5月11日 (月)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事14十文字

英信流居合目録秘訣

2.上意之大事

 14、十文字

 敵と打合すれば輪と成り十の形となる互に打合せたる所は是十の形ち也其十の形に成たる所にて手を取れは勝也手の内の輪内十文字は別の事ならず皆一つに唱る事なり外の事にはあらず拳を取れと言う事の教也

*敵と打ち合いをすれば、刀と刀が触れあって輪と成り、刀が合う処は十の形になる。互に打ち合わせた所は是が十の形ちである。
其の十の形になる処で手を取れば勝のである。
手之内、輪之内、十文字は夫々異なる事では無く同じ事を言うのであって一つに云う事である、外の事ではないのである。
拳を取れと言う事の教えである。

この教えも、新陰流の「十文字勝ち」を指しているようです。
手之内、輪之内、十文字で拳を取れと云うのでしょう。

これらの教えが現代居合にどのように反映しているかは、居合だけしか知らない古参や、竹刀剣道を齧った程度の先輩では説明できそうにはありません。
組太刀の中に総てそれらが存在し知らず知らずに身に付けて居るはずです。
但し、組太刀を申し合わせの棒振りとして演じている内は、時代劇趣味の大人のチャンバラです。

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2015年5月10日 (日)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事13輪之内

英信流居合目録秘訣

2.上意之大事

13、輪之内

敵と打合はするに輪にならずと云事なし上にて打合せ亦下にて合えばすぐに輪と成る竪横皆同じ其輪をはづして勝べし

*敵と刀を打ち合わす時には輪にならないと云う事はない、上で合わせ又下で合わせればすぐに輪になる、縦横皆同じである、その輪を外して勝べきである。

この輪之内の教えも、新陰流の教えのように思えます。
相手が打ち込んで来る刀を受太刀になっていたのでは、いつまで経っても同じことの繰り返しです。

敵の切り込んでくる、切リ筋を切り筋で崩して勝などのことを指すのかもしれません。この辺のところは現代居合では顕著に見えないのですが、稽古の中から見つけ出す以外に第九代林六太夫守政の居合は読めないのかもしれません。
附込や抜打に隠されていたりするかもしれません。

この輪之内が新陰流の「円相に収める」ということであるかは知る由もないものです。

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2015年5月 9日 (土)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事12手之内

英信流居合目録秘訣

2.上意之大事

 12、手之内

 敵と刀を打合はするに合刀せずと云事なし其合刀したる所にて敵の拳を押へて突くべし

*敵と刀を打ち合わす時に、合刀しないと言う事は無い、その合刀した処で敵の拳を押えて突くものである。

この手之内は刀を握る手之内では無く、相手が打ち込んでくる敵刀に合わせ打ち込み相手を崩して其の儘突き込む刀法を言うのでしょう。
土佐の居合が新陰流の上泉伊勢守の系統を受けているならば、「和卜(かぼく)」がそれに最も近いものでしょう。

竹刀剣道や居合の手の内では「和卜」は理解出来ないかも知れません。
小指を強く締め、脇の下から小指に繋がる「下筋」を引き締め刀を振る、武蔵のいう処の「上筋弱く下筋強く」です。
其の為の手の内が出来て居なければならない事も暗に示唆するのかも知れません。

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2015年5月 8日 (金)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事11行違

英信流居合目録秘訣

2.上意之大事

 11、行違

 我左脇を通す宜し切る事悪しと知るべし行違さまに抜て突事宜し又敵先に抜んとせば先んじて早く柄にて胸を突くべし行違の詞の掛様の事大事有夜中に往来をするにうさんなる者の有時は自分の姓名を急に呼かくべし我敵するものなればはいと答るもの也其所を切るなり旅抔にては白昼にも此心得有るべし又なんぞ言を云かけて見るに我に敵する気有る者は必ず返答にあぐむものなり

*行き違う時、我が左脇を相手に通す事は良い、斬る事は良くないと知るべきである。
行違い様に抜いて突く事は良い、又、敵が先んじて抜かんとするならば我は素早く柄で相手の胸を突くべきである。

行き違う時は、言葉の掛け様も大事な事である。
夜中に往来をする時、胡散臭いものを感じる時は、自分の姓名を相手に呼びかける事、そうすれば我に敵する者は「はい」と答えるものである。
其処を切ればよい。旅などの時は白昼でも此の心得は有効である。

又何か言葉を言いかけて見ると、我に敵する気のある者は必ず返答にあぐむものである。

行き違いに抜いて突くのが良い、と云います。行違は古伝神傳流秘書の抜刀心持之事では「連達」に似て居ます。
「連達:歩み行内前を右の拳にて突其儘に左廻りに振返り後を切り又前へ振向いて打込也」
これでは、行き違うのではなく我を中に前後に敵を連れ立って行く様です。

もう一つは同じ抜刀心持之事に「行違」と同名の業があります。
「行違:行連に左の脇に添えて払い捨冠って打込なり」
これは、行き違うのですが、抜き打ちに払い捨てるので、動作は異なるのですが、此の業で、切らずに突きを研究しろというのかも知れません。

言葉の掛け様については、そうかも知れないし、生死の狭間を行く時の彼我の心情は計り知れません、この教えも記憶の中に入れておきますが、さてどうでしょう。
確信は持てません。

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2015年5月 7日 (木)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事10鐺返

英信流居合目録秘訣

.上意之大事

 10、鐺返

 座して居る時後ろより小尻を取て押しあぐるときは刀を抜く事ならず此時相手のひざ頭を踏み其のきをひに向ふへたおしてぬき突くべし

座して居る時後ろから鐺を取られて背中に押付けられる様に上げられると、刀を抜いて反撃する事は出来ない、此の時は相手の膝頭を踏みその「きおひ」(気負に、勢い、機おい)に向うへ相手を押し倒して刀を抜いて突くべきである。

この様に後ろから鐺を取られる業は、古伝神傳流秘書では英信流之事の瀧落2014年10月14日、大小立詰の一本目袖摺返2014年11月26日・五本目蜻蛉返2014年11月30日・六本目乱曲2011年12月1日に見られます。

古伝神傳流秘書英信流之事「瀧落」
「刀を鞘と共に左の足を一拍子に出して抜て後を突きすぐに右の足を踏込み打込み開納る此事は後よりこじりをおっ取りたる処也故に抜時こじりを以て當心持有」

古伝神傳流秘書大小立詰「乱曲」
「前の如く後より来り鐺を取り頻りにねじ廻し刀をぬかせじとする時後へ見返り左の手か右の手にて取りたるかを見定め相手左の手ならば我も左にて鯉口を押へ相手右ならば我も右にて取る後へ引付んとするを幸しさり中に入り倒す」

瀧落の演武で、相手が鐺を持つ手が右か左か振り返って見る、とする動作は、この大小立詰乱曲に由来するのでしょう。
此の事を知らずに瀧落で振り向いてみてもさしたる意味はなさそうです。
乱曲でも相手の左右の手の違いを、我も受けていますがその意味もよく理解できません。相手が右手で鐺を取っているから我も右で鯉口を取るなどどこまで必要なのか疑問です。

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2015年5月 6日 (水)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事9棚下

英信流居合目録秘訣

2.上意之大事

 9、棚下

 二階下天上の下抔に於て仕合うには上え(、)切りあて(、)毎度不覚を取物也故に打込む拍子に(脺)膝を突いて打込むべし此習を心得るときはすねをつかずとも上へに當ざる心持有

*二階の下や天井の下などに於いて戦うには、上へ切り当てゝ、毎度不覚を取るものである故に、打ち込む拍子に膝を着いて打込むべきである。
此の習いを心得る時は脛を着かずとも上に当てざる心持である。

打込む時は膝を着いて打込むと云いながら、此の習いに従えば脛をつかずとも上に切り当てない、と云う処が良くわかりません。
脺(せつ、そつ)の文字は意味は「もろい、弱い」ですからここでは当てはまりません。曽田先生の誤写か原本の誤字でしょう。
状況から考えれば、「膝を突いて打込むべし」でしょう。
そうすると、後の「すねをつかずとも・・」との意味合いが取れませんが、脛を床に着くには膝を着く事にもなるので文字に拘る事も無いでしょう。
河野先生はこの脺を「すね」と読んで無双直伝英信流居合兵法叢書に当てゝ居ます。
夢想神傳流の木村栄寿先生の「林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流伝書集及び業手付解説」では脺は膝と読んでいます。

何れにしても身を低くして打込むものと解する事で、天井等の高さについては其の場に於いて、どの程度身を低くするか即座に読み取る事でしょう。
頭の当たらない感覚は大凡身についていても、刀の切先が当たらない感覚はなまじの稽古では難しいものです。

古伝神傳流秘書の抜刀心持之事に棚下があります。
「大森流逆刀の如く立て上へ抜打込む時躰をうつむき打込是は二階下様の上へ打込めぬ心持也」

大森流の逆刀は「向より切て懸るを先々に廻り抜打に切右足を進んで亦打込み足踏揃へ又右足を後へ引冠逆手に取返し前を突逆手に納る也」

どの様に上に抜くのかこの手附では解りません。現代居合の附込の抜刀法を棚下に応用すれば、身を低く俯けて刀を前に抜出し左脇から低く俯いた背中に振り冠るとするのでしょう。

大江先生の棚下を稽古して見ます。
「(頭を下げて斬る)座したる処より、頭を前方へ下げ、稍や腰を屈め右足を少し出しつゝ、刀を抜き、上体を上に起すと同時に上段となり、右足を踏み込みて真直に切り下す」

棚下での抜刀法を解説して居ますが、これでは棚に切り当てそうです。そこで棚から這い出て斬ると伝わったのでしょう。
棚下から這い出るも有、棚下の中での攻防も有、抜刀心持之事は「格を放れて早く抜く也」でした。
棚下、床下、階段下、天井下色々工夫次第でしょう。
現代居合は、「棚の下等の頭の閊える低い場所にある時之を這い出て正面の敵を斬るの意なり」です。河野先生大日本居合道図譜より。

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2015年5月 5日 (火)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事8壁添

英信流居合目録秘訣

2.上意之大事

 8、壁添

 壁に限らず惣じて壁に添たる如の不自由の所にて抜くには猶以腰を開ひねりて躰の内にて抜突くべし切らんとする故毎度壁に切あてかもいに切あてゝ仕損ずる也突くに越る事なし就中身の振廻し不自由の所にては突事肝要

*壁に限る事無く、総じて壁に添う様な、左右が不自由な所では、抜くには腰を開いて捻り躰の内で刀を抜出し突くべきである。
切ろうとするので毎度壁に切り当て鴨居に斬り当てゝ仕損じるものである。
突くに越した事は無い、なかんずく身の振り廻しの不自由な所では突く事が肝要である。

古伝神傳流秘書にはこの壁添いに相当する業は棚下と人中でしょう。

棚下:大森流逆刀の如く立て上へ抜打込む時体をうつむき打込む是は二階下様の上へ打込ぬ心持也

人中:足を揃へ立って居る身にそへて上へ抜き手をのべて打込む納るも躰の中にて納る

現代居合では、棚下は棚下、人中は壁添でしょう。
この心得とは、運剣では一致しません。正面に向っての突き業は現代居合では
両詰だけです。

現代居合は第17代大江正路先生が、古伝を改変されて現代に伝えたと聞かされています。
果たしてそれ程の改変の意味があったのか何度考えても疑問です。
寧ろ、江戸末期には正しく奥伝は伝わらず、混乱していたのではと思ったりします。
それを大江先生が中学生向きに整理されたと云う方がよさそうな気もします。

古伝の心得は、我から仕掛けて目的を達する事もいくつも示されています。
敵の害意を察して・・の文言に合わない場面も上意之大事には示されています。

居合は武術です。いたずらに神聖化して綺麗ごとを言って見ても意味の無い事です。寧ろ仕掛けるに当たって、遮二無二攻め込むのではなく、相手に打ち込ませそれに乗ずるなり、相手の戦意を失わせるなり有る筈です。

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2015年5月 4日 (月)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事7戸脇

英信流居合目録秘訣

2.上意之大事

 7、戸脇

 戸の手前に立って居てあれえ通れと云て入る所を切らんと心懸るならばつかつかと戸口を入躰に歩み行て柄にて胸を押しつけて然して引抜てつくべし亦火急にて既に切かけられたる時は或は柄を以てはらいのけ早わざをきかすべし亦戸の内に人ありと思はゞ戸口を直ぐに入る事なく内に人の有る方に向て筋違て入るべし

戸脇は現代居合の奥居合居業の部に戸脇という業があります。
この現代居合の戸脇は古伝神傳流秘書の抜刀心持之事の両詰の業に相当します。
両詰:右脇へ抜打に切り付け左を斬る。抜て片手にて左脇を突き直に振向いて右脇を切る。

古伝の両詰は現代居合の戸詰、戸脇です。この業名はどうやらこの英信流居合目録秘訣の戸脇から名付けたものでしょう。前回の戸詰も同様です。

戸詰、戸脇の心得は失念して、業名ばかり残って、元の古伝の両詰のありようも両脇に敵を受けるのから、我が前に戸襖などがセットされてしまいました。

古伝の心得は、上意を受けて相手の家に行き、戸の手前に立っていると「あれへ通れ」と言われる、入って切ろうと思うならば、つかつかと戸口を入るばかりの様に歩み行き、相手の前に行くや、我が柄で相手の胸に押し付け、相手がハッとする処を刀を引き抜いて突くものである。
また、相手より急に切り懸けられた時は、柄で相手の刀を払いのけ、早業を利かすのである。これは柄で受け即座に抜刀して切る、柄で受け脇差を抜いて切る、などでしょう。
また、戸の内に隠れるように相手が居ると思うならば、戸口を真っ直ぐ入らずに人の居る方に向いて筋を変えて入るのである。

戸の内に入る際の業で柄で受けるのは、柳生新陰流居合(制剛流居合)の「戸入」にあります。
「左手を鍔に掛けながら右手で戸にかけ、戸を開けながら戸に沿うように身を移動させて戸を開け、左足から屋内に入る。
相手に向き直り上段から切り掛かって来るのを、上体を縮め、左手で刀の反りを返し鞘のまま顔の前に抜き上げ相手の刀を柄、鍔で受け止める。右手を柄に掛け反りを戻しながら上に抜き上げるや切り付ける」

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2015年5月 3日 (日)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事6戸詰

英信流居合目録秘訣

2.上意之大事

 6、戸詰

 障子或は戸を明けかけて内え入れと云て入る所を戸にて立詰んとするときは是を察して扇を敷居のみぞに入れ其扇のはしを膝にて敷然して内へ入るときはたて詰らるゝ事なし

*戸詰は障子や戸襖などを明けて、中に入る時の心得で、「内へ入れ」と云って入る時、戸を閉めて取り押さえられる事を察して、扇を敷居の溝に入れ、扇の端を膝で押さえて中に入れば戸を閉めて押さえられる事は無い。

是は戸詰にされない心得です。
古伝神傳流秘書の抜刀心持之事には戸の様な場の想定の有る業は在りません。
「向詰」・「両詰」と云う業名がありますが「向」は敵が前に居る、「両」は敵が両脇に居ると云う、人の位置関係の想定なのです。

向詰:抜て諸手を懸け向を突打込也

是は現代の大江先生の改変された奥居合居業の両詰でしょう。

両詰:抜て片手にて左脇を突き直に振向いて右脇を切る。右脇へ抜打に切り付け左を斬る

これは、現代の戸脇、戸詰でしょう。

現代では対敵との位置関係に場の想定を加えてしまったのです。
運剣はさして異なりませんが、場に於ける意識を演武に顕わせるかでしょう。

大江先生の戸詰・戸脇を稽古して見ます。

戸詰:(右を斬り左を斬る)抜き付け、右の敵を右手にて切ると同時に右足を右斜に出す、其の右足を左斜め横に踏み変えて上段にて左斜を真直に斬る。

戸脇:(左を突き右を切る)右足を右斜へ踏み出し、刀を抜き、左横を顧みながら突き、足踏みは其のまゝにて上体を右横に振り向け、上段にて切り下す。

*この大江先生の戸詰・戸脇とも戸襖等の存在は業名にのもあるもので、動作は古伝の両詰です。

古伝の戸詰の心得は、どこかに置き忘れて業技法のみ残り、さらに戸襖などの場が加わって現代居合は愉快です。

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2015年5月 2日 (土)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事5門入

英信流居合目録秘訣

2.上意之大事

 5、門入

 戸口を出入するの心得也戸口の内に刀をふり上て待つを計知ときは刀の下緒のはしを左の手に取刀を背てうつむきとゞこをり無く走り込むべし我が胴中に切かくるや否や脇指を以抜つけに足をなぐべし

*この門入に相当する古伝は神傳流秘書の抜刀心持之事には見出せません。大江先生の独創か、江戸末期には存在したかも知れません。

門入は、戸口を出入りする際の心得である。戸口の中で刀を振り上げて敵が待って居る事を推し量る時は、刀の下緒の端を左手で持ち、刀を背負って俯きながら、滞り無く走り込むべきである。
我が胴中に切り懸って来る否や脇指を以て抜き付け足を薙ぐべし。

背に太刀を背負って戸口を、入るのは打ち込まれても背負った太刀が防いでくれると云うのです。
胴中に切り懸って来られたら、即座に脇指を抜いて切り掛る者の足を薙ぎ払え、との教えです。

大江先生の門入
「(進行中片手にて前を突き後を斬り前を斬る)右足を出したる時、刀を抜き、左足を出して、刀柄の握りを、腰に當て刀峯を胸に當て、右足を出して、右手を上に返し、刀刃を左外方に向け、敵の胸部を突き、其の足踏みのまゝ体を左へ振り向け、後へ向き、上段にて斬り、直に右へ廻り前面に向き上段にて斬る」

*業名は門入ですが、門と云う場の状況は特筆されていないものです。どこかにこの大江先生の元業が隠れているかもしれませんが、心得を業にして運剣を研究したとも云えるものでしょう。

夢想神傳流の壇崎先生は、奥居合の部立業で隠れ捨(門入)として「吾、門内に入ろうとする時、敵の襲撃に逢い、吾、門に踏込んだ所で前後の敵を倒して勝の意で、頭上に鴨井または門等があって刀先の閊える場合に行う技である」

*明らかに門を意識した動作ですが、隠れ捨(門入)とする確証は何処にもありません。古伝神傳流秘書では抜刀心持之事に「クヽリ捨」という業名が残っていますが、内容は無く不明です。

この壇崎先生の門入の意義は河野先生の昭和13年の無双直伝英信流居合道立業之部(奥居合)の門入の意義とそっくりです。
「吾れ門内に入らんとする時、敵の襲撃に逢い、吾れ門に踏み込みたる処にて前後の敵を仆して勝つの意にして、頭上に鴨居又は門等ありて、刀尖の閊へる場合に行う業なり」

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2015年5月 1日 (金)

英信流居合目録秘訣 2.上意之大事4四角

英信流居合目録秘訣

2.上意之大事

 4、四角

 三角にかわる事無し是は前後左右に詰合ふ之心得也故に後ろへ迠まわって抜付る也

*四角は前回の三角と同じ事で、是は前後左右に敵に詰め寄られた時の心得である。
居合は、敵に浅く勝事が肝要で、前後左右囲まれても抜き打ちに並み居る敵の紋所の辺りを切先外れに切払い敵がビクと臆する処を仕留めるのである。
4人を一人づつ切ろうとすれば必ず仕損じる、という心得です。

古伝神傳流秘書抜刀心持之事「四角」
「抜左の後の角を突右の後の角を切右の向うを請流し左の向を切又右の向を切る也」

この古伝を稽古してみます、敵は我を中にして、左後・左前・右前・右後に位置して詰め寄ってくるわけです。
まず、右前に右足を踏み込み、刀を右前に抜き出すや、左後ろに振り向き左後の敵の胸を刺突し、その体勢のまま左膝を軸にして、右に廻りながら左前の敵、右前の敵、右後の敵の紋所の当たりを刀を水平にして切り払う、刀を右から上段に振り冠って、右足を踏み込んで右後の敵を真向に斬り下ろし、左膝を軸に左に廻りながら、刀を右肩から振り冠るようにして右敵の打ち込む刀を受け流し、そのまま左に廻り、左前の敵の真向に右足を踏み込んで斬り下ろし、刀を左肩から上段に振り冠りつつ、左膝を軸に右前の敵に振り向き真っ向から斬り込む。

左足膝を軸に右廻り、左廻り、右廻りとしてみました。左右の足の踏み替えも踏み込み足を変えながら稽古してみるのもよいでしょう。

現代居合では、大江先生の四方切では、この四角の心得は失念してしまい、一人ずつ切っています。
夢想神傳流の壇崎先生は古伝の三角、四角の心得を残されています。

大江先生の四方切
「右足を右斜へ出し、刀を右斜に抜き、刀峯を胸の処に當て、刀を平として斜に左後を突き右側面の横に右足を踏み変え、上段にて切り、右足を左斜横に踏み変えて(受け返して打つ)上段となりて切り、右足を正面に踏み変えて、上段より切る。

この敵の配置は、左後・右・左前・正面の様です。
現在は、左後・右前・左前・正面に敵を受けています。右後は敵は居ません。
この変則的配置は、どのように考えられたのかは解りません。
十字、×字の交点に我が居る事を普通思い描き、あるいは前面に三人並び後ろに一人など思うのですが、謂れをご存知でしたらお教え下さい。

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