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2015年5月12日 (火)

英信流居合目録秘訣 3.極意之大事1暇乞

英信流居合目録秘訣

3.極意之大事

 1、暇乞

 仕物抔を云付られたる時抔其者の所え行て四方山の咄抔をして其内に切べし隙之無きときは我が刀を取て又近日と立さまに鐺を以て突き倒し其儘引ぬいて突也又は亭主我を送て出るとき其透間を見て鐺にて突たおして其儘引ぬいて突くべし

*上意討ちを云い付けられて、その者の所に行き、四方山話などして隙を見て切ろうとしていたが、相手に隙がない、刀を取って「又近日お邪魔する」と言って立ちざまに、鐺で相手を突き倒し、即座に刀を引き抜いて其の儘相手を突くのである。
又は、亭主が我を送って出る時に、その透きはかって鐺にて突き倒し其の儘引き抜いて突くのである。

これが、武士のお役目であって、仕損じることは許されない時代の心得です。
暇乞の時に機をとらえて、相手の隙を逃すなと言うものです。

古伝神傳流秘書には暇乞に相当する業は見当たりません。曽田本には抜刀心持之事の11本目に「抜打 上中下」(暇乞三本)格の低き者に対する黙礼の時、等輩に対する礼の時目上の者に対する礼の時」として書かれていますが、その運剣法は何も書かれていません。
現代の大森流の抜き打ちの変形だったのかも不明です。

大江先生の「剣道手ほどき」による暇乞
十九番 暇乞(黙礼):正座し両手を膝に置き黙礼し、右手柄に掛かるや刀を斜に抜き付け上段にて斬る。

二十番 同(頭を下げ礼をする):両手を板の間に付け、頭を板の間近く下し礼をなし、両手を鞘と柄に同一に掛け直ちに上に抜き上段となり、前面を斬る。

二十一番 同(中に頭を下、右同様に斬る):両手を膝上に置き黙礼より稍や低く頭を下げて礼をなし、右手を柄に掛け刀を斜に抜き上段にて斬る。(止め)(立合終わり)

二十一番と二十番は、今日と順番が違うようです。動作も最近のテキストとも違うようです。
この暇乞は不意打ちであるので、品位に欠けるとするのでしょう、奉納などでは演武業に入れないとするとも聞きます。
暇乞の礼をしようと体を屈める処、相手がその機に刀を抜き放ち撃ち込まんとするを・・。と解する事もあり得る場面でしょう。
身を土壇となして応じる居合の最も居合らしい想定はあってしかるべきものです。
英信流居合目録秘訣の暇乞の不意を付く心得と混同する必要はないと思うのですが。

兵法は大概のところ不意打ちだまし討ち闇討ちです。
孫子も「兵は詭道なり」と言っています。
卑怯と思い思われない境界線は果たしてあるのでしょうか。
この様にすれば、切られない、切らない、と言う決め事もあってしかるべきでしょうか。
相手を我が透きに誘い込み、それを躱して勝つ業など幾らでも稽古してきました。
或は相手の害意を認めるや機先を制して勝つなども紙一重でしょう。
平和ボケした時代の幻かもしれません。

居合は、何時如何なる変にも直ちに応じられる修行を心がけるものでもあるのでしょう。それは人の生き様でもあり、全ての生あるものの宿命でもあるはずです。
それには、正しいと信じる思いも強くなければならないのでしょう。

企業競争なども、不意打ち、騙し打ちは日常茶飯事です。

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