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2015年6月

2015年6月30日 (火)

居合兵法極意巻秘訣28.中夭之大事4亦曰く心転動

居合兵法極意巻秘訣

28.中夭之大事

4、亦曰く心転動

亦曰く放し打抔蒙ると云か亦は先に盗賊抔有に其道を行時か何んぞヶ様の事有時は先ず我が手の内のいじいじと有形を見べし其かた見へさる時はよくよく心を落し付けて後行べし是我が心転動し闇まりたる印なり

*亦曰く、放し打ちなどを仕掛けられると云うか、亦は先に盗賊抔有る時に、其の道を行く時、何ぞその様な事が有る時は、我が手の内にいじいじと有る形を見てみるべきである、その形が見えない時はよくよく心を落ち着けるべきである。是我が心が転動して闇(やみ)まりたる徴なり。

この教えは良くわからない言葉が散らばって居ます。
「放し打抔蒙ると云うか」は飛び道具で狙われる、或は遠方に仕物を仰せつかる、闇打ちに逢う、などを想像してみました。

「手の内にいじいじと有る形」については解りません。手に汗を握る事でしょうか。手の震えでしょうか。それとも手相が変わるでしょうか?

「心転動し闇まりたる印」は心が転倒でしょう。心があわてまどい真っ暗やみになる徴でしょう。

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2015年6月29日 (月)

居合兵法極意巻秘訣28.中夭之大事3口中の事

居合兵法極意巻秘訣

28.中夭之大事

3、口中の事

湯茶を呑む時我影移らざるは必毒飼か其外難に逢うと知るべし

*湯茶を呑む時、我が影が湯茶に写らない時は必ず毒を盛られるか、其の外難に逢うと思うべきである。

湯茶に己の顔が写るなど、意識して見た事も無いのですが、明るい蛍光灯の下で白い茶碗では殆ど写ってくれません。
何でも信じるものが有って、其の都度変わったことがあれば用心してそれも武士道精神を貫く為なのでしょうか。
ゆっくり流れる時間に添えられる緊張もいいかも知れません。
全く意味の無い教えでも、そっと思いやって見ると遠い昔が偲ばれます。

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2015年6月28日 (日)

居合兵法極意巻秘訣28.中夭之大事2小用之事

居合兵法極意巻秘訣

28.中夭之大事

 2、小用之事

 朝起て小用をとゝのふるに常は小用に泡立つ也もし泡立たざる時は其日毒飼に逢か何ぞ難に逢うと知るべし

*朝起きて小用をする時、いつもは小用に泡立つのであるが、もし泡立たない時は其の日毒を盛られるか何か難に逢うと思うべきである。

前回は眼頭を押すと火が散る様に見えるか見えないかと同様に、わが身に起こる変化で難を知る事が可能なのでしょうか。

尿に蛋白が多いと泡が出ると腎臓や糖尿など気にするとか有りますが、それだけで病気などの事も無い様です。
目視の判断でストレス過剰になる方が心配です。

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2015年6月27日 (土)

居合兵法極意秘訣28.中夭之大事1眼脉之事

居合兵法極意秘訣

28.中夭之大事

1、眼脉之大事

人意趣有って我を招く時か或はぶっそうなる道を通らんとする時か其外何んぞ気がかりに思へども行かずして叶わざる時我眼頭を一寸押して見べし常はくる〃と火の散如くの物見ゆる也押て火見えさる時は必つゝしむべし難に逢うのしるし也

*眼脉は眼脈(がんみゃくのだいじ)でしょう。意趣(おもうところ)あって我を招く時、とか物騒な道を通ろうとする時、其の外何か気がかりに思うのだが行かないわけに行かない時、我が眼頭を一寸押して見る、何時もはくるくると火の散る様に見えるものである、押して火の見えない時は必ずあやまちが無い様に心得るべきである、難に逢うしるしである。

この様な教えはどこかにあるのでしょうが、不勉強で知りません。
難を予測する事が出来ればいいのですが、江戸時代中期よりも現代の方が難は多そうにも思えます。
何時も緊張していては、疲れ切ってしまいます。リラックスして「遠山の目付」で瞬時に変に反応して応ずる事を養うのが武術の有り様の一つでしょう。
石田泰史先生は「現代居合道について武術的考察」では「拡散的集中力」とよんでいます。

中夭之事は、ちゅうようのことと読むのでしょう。中夭は、不慮の死、わか死に、の事です。

中庸は、かたよらない常に変わらないこと、とは異なります。

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2015年6月26日 (金)

居合兵法極意巻秘訣27.兵術嗜之事

居合兵法極意巻秘訣

27.兵術嗜之事

 武士は常に人に無礼すまじき事無礼は敵の本也つゝしむべし人と口論する共詞をたしなむべしいんぎんに慮外無く我に勝を置くべき事也扨夜中亦は旅道中気遣の所行時は左右の袖に石を入れ持つべし先々の勝有秘すべき也

 「丸の中に一文字の図を二つ」 是は唯た一に帰せよと云う事なり千変万化もついには一に帰す修行鍛錬してよく其一を守るの外無し其一とさす物は雷電刀柄口六寸の勝也當流に主とする所は此外に無しと知るべし

兵術嗜む事、武士は常に人に無礼な事をしない事である、無礼は敵をつくる本である、慎むものである。
人と口論する時でも詞使いに心を払い見苦しく無いように、丁寧に、ぶしつけで無くして我が勝てるようにすべきである。
さて、夜中または旅の道中で気遣うような所を行く時は、袖に石を入れて持つべきで先々に行って勝ものである、秘すべきである。

「丸の中に一文字の図を二つ」是はただ一に帰せよと云う事である。千変万化の事共も、ついには一つ事に帰す、修行鍛錬してよくその一を守る外には無いのである。
その一と指し示すものは雷電刀柄口六寸の勝ちである。
當流に於いて主とする処は雷電刀柄口六寸以外には無いと知るべきものである。

現代居合では稽古の想定は柄口六寸の教えは、見当たらず稽古法すら失念していると思われます。
正座の部の月影、立膝の部の稲妻などにかろうじて甲手を取っていますが、柄口六寸とは言い難いでしょう。
その反面根元之巻に書き送られるのでは何か手抜かりのようです。

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2015年6月25日 (木)

居合兵法極意巻秘訣26.倒臥之事

居合兵法極意巻秘訣

26.倒臥之事

倒臥す者はあおのけに臥たらば首の方より打べし首の方依らすば左の方より打つべし左の方も寄らすば右の方より打べしうつぶしにふしたらば足の方より打つべし手負いて臥すか計にて臥かと知れかたき時は石を投付て見るべし太刀刀を出すを見ると其儘打べし

*この心得の読み方ですが、漢字の読みに詳しいとか、文章を生業とする人に「たおれふすのこと」と読みましたら、蔑むような目つきをされています。
きっと「とうがのこと」と読むと言いたいのでしょう。文字を一緒に見ながらならば意味は通じますが、声だけでしたらさっぱりわかりません。
同じように「刀刃」は「とうじん」でしょうがこれでは意味不明です。「とうは」でも続いてすぐに「かたなは」のように読まなければ簡単に伝わりません。現代はそれくらい読めない、意味が分からないのです。
「諸手・双手」も、両手で持つ事すら読めない解らない時代です。

*倒れ臥す者は仰のけに臥したらば首の方より打つべきである、首の方によらなければ左の方より打つべきである、左の方もよらなければ右の方より打つのである。
俯せに伏したならば足の方より打つのである、手負いで臥しているのか、謀で臥しているのか知れ難い時は、石を投げ付けて見るべきである、石をぶつけられ太刀刀を振り出して来れば即座に打つのである。

どうも、この仰のけの時の首だ、左だ、右だ、の心得はガッテンしないのですが、足の方では体を起こして反撃するかもしれません。

倒れた敵の状況をよく見て間違いのない判断をしなさい、と云う程度の心得でも無さそうです。
この様な、心得ですと、意味不明で誰も説明が付かなくなってしまいます。

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2015年6月24日 (水)

居合兵法極意巻秘訣25.翔通之事

居合兵法極意巻秘訣

25.翔通之事

 翔通る者は向様には打たれぬ也我が前をやり過し敵の右方後より打つべし

*翔け通るは、駆け抜けて行く者は、正面の敵は迎え撃つ様には打たれないものである。
我が正面に居る敵の右側を(我は左)遣り過ごし(駆け抜け)敵の右後ろから打つのである。

敵は、右側を摺り抜けられて慌てて右廻りに振り向く時には斬られている。
居合兵法極意巻秘訣の示す様に敵を左方の敵にする位置取りの様です。

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2015年6月23日 (火)

居合兵法極意巻秘訣24.多勢一人之事

居合兵法極意巻秘訣

24.多勢一人之事

敵多勢我一人の時は地利を第一と心得べし地利あしくは敵を前一面にうくべしはたらき心得は我左の方の敵を目當にたゝかうべし敵後へ廻らば我も左の敵に付後へ廻るべし真中に取籠られば走りにぐべし敵一度に来ぬもの也其間に先立来る敵を打つべし幾度もにげては打こすべし

敵が多勢で我は一人の時は、地の利を第一と心得ることである。地の利が悪ければ敵を前へ一面に受ける事、働きの心得は我が左の方の敵を目当てに戦うべきである。
敵が後へ廻ったならば我も左の敵に付いて後ろに廻るのである。
真中に取り籠られたならば走って逃げるのである、敵は一度に攻めては来ないものである、其の間に、先だって来る敵を打つのであって、幾度も逃げては討ち越していくのである。

武蔵の五輪書水之巻には多敵之位として参考になります。
敵と戦う拍子なども克明に示され、是等を第九代林六太夫なども読んでいたかどうか、と思います。
「多敵の位と云ふは一身にして大勢と戦ふ時の事也、我が刀脇指をぬきて左右へひろく太刀を横にすてゝ構る也、敵は四方よりかゝる共一方へおひまわす心也、敵かゝる位前後を見分て先へ進む者に早くゆき合ひ、大きに目を付けて、敵打だすくらゐを得て、右の太刀も左の太刀も一度にふりちがへて待つ事悪し、早く両脇の位に構へ、敵の出でたる所を強く切込みおっくつして其儘又敵の出でたる方へかゝりふりくづす心也、いかにもして敵をひとへにうをつなぎにおいなす心に志かけて、敵のかさなると見えば、其儘間をすかさず強くはらひこむべし、敵あいこむ所ひたと追まはしぬれば、はかのゆきがたし、又敵の出るかたかたと思へは待つ心有りて、はかゆきがたし、敵の拍子をうけてくづるゝ所を知り勝事也、折々あい手を余多よせ追込付て、其心を得れば、一人の敵も十二十の敵も心安き事也、能稽古して吟味有るべき也」宮本武蔵遺蹟顕彰会編纂より

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2015年6月22日 (月)

居合兵法極意巻秘訣23.一人大勢之事

居合兵法極意巻秘訣

23.一人大勢之事

敵一人味方大勢の時は前後左右より取りまわし打つべし

*敵が一人で味方が大勢の時は、前後左右から囲んで次々に打ち込んで倒すのである。

この一人大勢之事は敵が一人の時なのですが、この居合兵法極意巻秘訣の13番目「大道之事」2015年6月12日「敵小勢味方多勢のときは前後左右より取廻し打つべし」とあって「一人大勢之事」とすでに一人では無いのですが同様な心得が述べられていました。
その、取り囲まれて切り刻まれない心得も、大道之事に続いて述べられています。

「・・・敵大勢我一人の時は敵を一面にうくる吉然共大勢は向両脇より掛る我其時右の敵に合よしに見せて左の敵に合左の敵に掛る吉にて右の敵を打つべしはたらく内に我が左の敵に付きて廻べしされども敵大勢なる故前後左右に取廻さんとす我其時走るべし敵を追ふてくる事大勢故一同に来たらず先達ち来る敵を或は開て打或は臥て打つべし又にぐる吉間を考えるべし」

次回には敵多勢で我一人の心得が再び地の利をもとに述べられています。

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2015年6月21日 (日)

居合兵法極意巻秘訣22.二人一人之事

居合兵法極意巻秘訣

22.二人一人之事

 敵二人我は一人にて仕合時は二人の敵を向にうけて右方の敵に掛るべし気色を見せて左の敵を立廻すべし右の方の敵後へ廻る時脇へ開きて左の敵を打つべし心得なりはたらきはその時に有るべし

*敵二人で我は一人で仕合をする時は、二人の敵を前に受ける様にして、右の敵に掛かって行く様にする、気色を見せて左の敵を「来るな」と思わせ立ち廻し(うろうろ構えさせ)、右の敵が我が後ろに廻ったら即座に右に開いて左の敵に打ち込むのである。この様に心得るのである、どの様に運剣するかはその時の状況次第である。

これは新陰流の天狗抄の八本目二人懸りがぴったりです。

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2015年6月20日 (土)

居合兵法極意巻秘訣21.森林之事

居合兵法極意巻秘訣

21.森林之事

惣躰繁みの中にて太刀刀にて打はあしゝ見合突べし木枝にて眼突かぬ心得有るべし木の根に爪つく事あり心得べしにげるふりをして敵を引出すべし

*総じて繁みの中で太刀で打つのは良くない、見合ったなら突くべきである。
木の枝で眼を突かない心得を身に付けることである。
木の根につまづく事有あり、心得おくものである。
逃げる振りをして隠れている敵を繁みの中から引き出す事である。

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2015年6月19日 (金)

居合兵法極意巻秘訣20.戸壁障子之事

居合兵法極意巻秘訣

20.戸壁障子之事

 戸壁障子の有方に敵居時我左の方に居れば敵の太刀刀は上段に構て切と知るべし若し中段ならば突く心得と計って我は前に引堤構て出べき也亦敵我が右の方に居るは太刀刀中段にてなぐと心得べし若し上段ならば打心得と知って身をしづめ前に引さげ出ふよし大方しかけ知るゝ物也能心得べし

*場の状況に依っての心得です。
文章の表現が分かりずらく、何を言いたいのか、何を我はすべきかが見えてきません。やってみます。
戸障子の有る方を後ろにして敵が居て、我は敵の左に居れば敵は太刀を上段に構えて切ると思うべきである。
若し敵が中段ならば突くと心得て考え、我は太刀を前に引き提げ構えて(無形の構え若しくは低い下段)間を詰めて行くべきである。

この状況は、敵の左側が戸障子で自由に運剣出来ない、現代居合の壁添の業を想像します、その応じ方を研究しろとするのでしょう。

亦、敵が我が右の方に居る時は、太刀を中段に構えて薙ぎ払って来ると心得るべきものである。
若し、上段ならば打込んで来ると心得て知って、身を沈めて太刀を前に引き下げ出合うのが良い。

この処も、戸障子を敵が背にしているならば、前の状況と同じで左側を障害物に制せられていますから、中段から薙ぎ払うのは適当では無さそうです。ここは障害物が無い場取りかも知れません。
上段の場合は前と同じ事なので、下段もしくは無形の構えで間を計り、間に入るや、真向に打ち込んで来るところを切っ先を上げながら擦り上げ、敵太刀を打ち外し小手を切るなりでしょう。
応じ技は幾通りも考えられますから、自由に応じて見ます。

大方の仕掛けは知れるものなので能く心得ておくべきである。

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2015年6月18日 (木)

居合兵法極意巻秘訣19.隔門戸事

居合兵法極意巻秘訣

19.隔門戸事

敵多勢我一人の時は利有敵多勢有とも我をかこみて打事ならず油断すれば敵他所より廻り来る事有故に身を開て居るべし

*この心得の表題は「門戸隔つ事」でしょう。
題と内容が一致しない様で首を捻ってしまいます。
敵は多勢で我は一人の時の勝負の時は利は我に有る、敵が多勢で我を囲んでも我を打つ事は出来ない。
油断すれば敵が別の所から廻って来ることもあるので身を開いて敵を受けるものである。

この心得も、「一人の時は利有」とか「身を開いて敵を受ける」とか云うのですが何故が無いので自分で考えざるを得ません。

油断して一方向ばかり用心していても敵は他所から来るかもしれないので、身は正面に向けて、大きく全体を、見る、所謂木を見ず森を見る事を諭しているような気がします。

敵多勢なので衆を頼み、腰が引けているのでしょう、死を覚悟した我より見れば何するものぞ、でしょうか。

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2015年6月17日 (水)

居合兵法極意巻秘訣18.野町撃之事

。居合兵法極意巻秘訣

18.野町撃之事

 野にては先敵の足を切る心吉し町にては敵の首を切心よし野にて足を切れば働き成らず声を出すといへども人家遠く助勢無きもの也町にても野にても足を切れば追来る事ならず色々心得有べし

*この心得の読み方は解りません。無難なのは(のまちうちのこと)ぐらいでしょう。いや(やちょうげきのこと)だと云うのもどうぞと云ったところでしょう。

野原での仕合ではまず敵の足を切る心積りが良い、町では敵の首を切る心積りが良い。
野原では足を切れば敵の働きを制して大声で助勢を求めても人家が遠く助勢を得られないものである。
町でも野でも足を切れば追い懸けて来る事は出来ないものだ、色々心得を持つものである。

野での足切はわかりますが、町では首を切れという違いは説明不足ですから、考えてみますが、町では敵の仲間がすぐ近くに居たり、群衆が加勢に回ったりするでしょうから、さっさと首を切って成敗してしまえ、と云う事かも知れません。

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2015年6月16日 (火)

居合兵法極意巻秘訣 17.城乗之事

居合兵法極意巻秘訣

17.城乗之事

ついじを右にうくべし人の中に有ては働き自由にならずはなれて居るべし第一進み安第二兵器の術自由也第三に敵の矢をふせぐ徳有第四に功名まぎれなく能人に見るもの也心得第一也

*城攻めの時の心得でしょう。読み方は、しろのりのこと、じょうじょうのこと、ぐらいでしょう。

築地を右に請けて行くべきである。攻め込む人の中に紛れていては働きが自由にならないので、人と離れているべきである。
第一に進み安い、第二に兵器の扱いに支障が無くて自由である、第三に敵の矢を防ぐとくが有る、第四に功名紛れもなくこの様にする人によく見る物である。心得の第一である。

右側に障害物を受ける様にして攻めていく、前回までの脇道之事(2015年6月13日)、後用捨之事(2015年6月14日)、等にも其の教えはあります。何故右に障害物を受けて敵と対するのかの解説になるのでしょう。

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2015年6月15日 (月)

居合兵法極意巻秘訣 16.楷石壇之事

居合兵法極意巻秘訣

16.楷石壇之事

我平地ヱ近くば平地へ飛下り敵を高みに置べし平地遠くば敵を下へをろし我上に戻るべし上る所を打べし

*この楷石壇とは何と解すればいいのでしょう。楷はきちんと整ったやり方、手本、規則などを意味します。良くわかりません。

我は平地に近い高みに居るならば平地へ飛下り敵を高みに追い込んで置くのが良い、平地が遠いならば敵を下へ下し我は上に戻るべきである、敵が高みに
上る所を打つのである。

此の教えの優位性が何処にも述べられていません。前に示された教えに山坂之事(2015年6月9日)「高き方に居るよし一に敵を見下し徳有二に進むに行よし三に我体上に有れば危き事なし・・」と云って高い処が優位だと云って居ます。此処では条件によって下に下りろと云うのです。

高い所の足場が悪ければ其処を去って、より高い所に行けば心が静まる、左右へ開く時は心を動かして足を軽く運ぶ事、低い方へ行く時は素早く飛んで左右へ開いて打つのが良い、と云っていました。同じ様な事を云うとも思われません。

平地が広く自由がきき足場は良いし、平地が遠くに有る時は敵を平地に向わせて我はゆっくり出来る。
そして敵を上へ追い込んだり、下へ追い込んだりする時に隙を見計らって打ち込むのがよいと云うのでしょう。

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2015年6月14日 (日)

居合兵法極意巻秘訣 15.後用捨之事

居合兵法極意巻秘訣

15.後用捨之事

山川池沼深田石原草原後下りたる地皆々後にすべからず懸引不自由也思はぬ負有難所を後にうけば左へ身を開くべし

*この教えの題はどう読むのでしょう。後用捨(ごようしゃ・御容赦・後を用捨)の事・・?
山・川・深田・石原・草原・後ろが下がっている土地、皆々後ろにすべきではない。懸引は駆け引きでしょう、駆け引きするには不自由である。
思わぬ事で負けを取ることがある、難所を後ろにする様なときは直ぐに左へ身を開く事である。
左に身を開けば、前回同様難所を右に受ける事になります。

何故右の方に難所を受けるのかの理由がどこにも無いのですが、設対者を設けて稽古してその理由を見つけ出すのも面白そうです。

武蔵の五輪書火之巻「場の次第といふ事」
「扨戦になりて、敵を追廻す事、我左の方へ追ひ廻す心、難所を敵のうしろにさせ、いづれにても難所へ追掛くる事肝要也。敵に場を見せずといひて、敵に顔をふらせず、油断なくせりつむる心也。座敷にても、敷居・鴨居・戸障子・縁など、亦柱などの方へおひつむるにも、場をみせずといふ事同前也。いづれも敵を追懸くる方、足場のわるき所、亦は脇にかまいの有る所、いづれも場の徳を用ゐて、場のかたちを得るといふ心専にして、能々吟味し鍛錬あるべきもの也」

*後用捨の心得は五輪書当たりを聞きかじって公案したものかも知れません。

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2015年6月13日 (土)

居合兵法極意巻秘訣 14.脇道之事

居合兵法極意巻秘訣

14.脇道之事

 山川岸堤踏石戸壁障子の類はいづれも我が右の脇にうくるべし後にすべからず

*山、川、岸、堤、踏石、戸、壁、障子の類はいづれも我が右の脇に受けるもので、後ろにしてはならない。

障害物なのか、敵が右脇から容易に攻め込めない様な場作りを云うのでしょう、後ろは我の退路を開けておくのでしょう。

武蔵の五輪書火之巻「場の次第といふ事
「・・・うしろの場つまらざるやうに、左の場をくつろげ、右のわきの場をつめてかまへたき事也・・」

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2015年6月12日 (金)

居合兵法極意巻秘訣 13.大道之事

居合兵法極意巻秘訣

13.大道之事

敵小勢味方多勢にときは前後左右より取廻し打つべし敵大勢我一人の時は敵を向ふへ一面にうくるも吉し然共大勢は向両脇より掛る我其時右の敵に合よしに見せて左の敵に合左の敵に掛る吉にて右の敵を打つべしはたらく内に我が左の敵に付きて廻べし去れ共敵大勢なる故前後左右に取廻さんとす我其時走るべし敵を追ふてくる事大勢故一同に来れず先達ち来る敵を或は開て打或は臥て打つべし又にぐる吉間を考えるべし

*敵小勢で味方大勢の時は前後左右から取り廻して打つのである。
敵大勢で我れ一人の時は、敵を正面に一面に受けるのも良い。
そうであっても、敵は大勢なので正面両脇から掛かって来る様なその時には、右の敵に打ち掛かる様に見せて、左の敵に打ち掛かっていく、左の敵に掛かるのが良くそれから右の敵を打つのが良い。
そのように働くうちに我が左の敵に付いて廻るのである。
去れども、敵大勢であるので前後左右に取り廻そうとする、我はその時走るのである、敵は追って来るが大勢なので一同には追って来れず、先だって来る敵を、或は開いて打ち、或は臥して打つ、又逃げるのも良い、敵との間を考えるものである。

この多勢の敵を受けた時の対応は武蔵の五輪書水之巻「多敵のくらいの事」
「多敵のくらいといふは、一身にして大勢とたゝかふ時の事也。我刀わきざしぬきて、左右へひろく、太刀を横にすてゝかまゆる也。敵は四方よりかゝるとも、一方へおいまわす心也。敵かゝるくらい、前後を見わけて、先へすゝむものに、はやくゆきあい、大き目をつけて、敵打出すくらいを得て、右の太刀も左の太刀も、一度にふりちがへ、敵の出でたる所を、つよくきりこみ、おつくづして、其儘又敵の出でたる方へかゝり、ふりくづす心也。
いかにしても、敵をひとへにうをつなぎにおいなす心にしかけて、敵のかさなると見へば、其儘間をすかさず、強くはらいこむべし。
敵あいこむ所、ひたとおいまわしぬれば、はかゆきがたし。
又、敵の出づるかたかたと思へば、待つ心ありて、はかゆきがたし。
敵の敵の拍子をうけて、くづるゝ所をしり、勝つ事也。
折々あい手を余多よせ、おいこみつけて、其心を得れば、一人の敵も、12、10の敵も、心安き事也、能く稽古して吟味有るべき也」

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2015年6月11日 (木)

居合兵法極意巻秘訣 12.絶道之事

居合兵法極意巻秘訣

12.絶道之事

 絶道の仕合は左右後の三方には道無前には敵多有を云左様の地にてわ少しものがれんと思ふべからず死を本とすべし伝云両脇川池深田抔の類にして後は山なる時は不去不退にして利を計るべし両脇の内に山有て後池抔有時は先の上へ登りて利をはかるべし

*絶道については孫子にある行軍編あたりを学んで置き換えたのでしょう。
道が絶えるような所での仕合は、左右後ろの三方には道がなく前に多数の敵を受けた場合の事を云う。
左様な地では少しも逃げようなどと思ってはならない、死を本として仕合をするのである。
両脇川池深田などで後ろは山などの時は不去不退にして、利を計るのである。両脇に山があって後ろが池など有る時は山の上に上って利を計るものである。

孫子行軍篇「凡そ地に絶澗(絶壁の谷間)・天井(自然の井戸)・天牢(自然の牢)・天羅(自然の網)・天陥(自然の落とし穴)・天隙(自然の隙間)あらばすみやかにこれを去り、近づくこと勿れ、吾れこれに遠ざかり、敵にはこれに近づかしめよ、吾れこれを迎え、敵にこれを背せしめよ」

新陰流軍学の訓閲集陣場の善悪を知る事
「悪しき陣場と云うは、後に切所ある所、四方高く中窪なる所、敵来る道は自由にして、味方出向く道、険難なる所、大山麓、森林の近き所、大河の端、我が陣の左難所、水・薪不自由なる所、秋冬は大山の北、澗谷・高丘取りて風寒にあたるべからず。人馬ともに煩うものなり」

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2015年6月10日 (水)

居合兵法極意巻秘訣 11.細道之事

居合兵法極意巻秘訣

11.細道之事

 両脇難所道も無く行道一筋にて狭きを云ケ様の所にては敵は多勢我は一人の時は利をもとむべし其利は敵大勢有とも我を前後左右取廻す事能わず若敵前後より来る時は脇へ開て敵を向ふに受我が左の方の敵に合うべし若脇に浅き川池などあらば飛込んで打べし我飛込と敵つゞきて飛入物也其間を勝事大事也

*両脇に難所があって道も無く、また行く道一筋で狭い所を云う。この様な所では敵が大勢居て我は一人の時は有利である、其の利とは敵が大勢居ても我を前後左右に取り囲む事は敵には出来ない。
もし、敵前後より来る時には、脇へ開いて敵を正面に受けるようにして、左の敵から打ち合うのである。
もし脇に浅い川や池があれば飛び込んで打つのである。我が飛び込めば敵も続いて飛び込んで来るものである、其処を打ち込んで勝つ事が大事である。

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2015年6月 9日 (火)

居合兵法極意巻秘訣 10.山坂之事

居合兵法極意巻秘訣

10.山坂之事

 高き方に居るよし一に敵を見下し徳有二に進むに行よし三に我躰上に有れば危き事なしされども高所足場悪しくば其所を去れ去に三つの心得有第一後高方へ去は心を静め足を高く上ぐべからず第二左右へ開時は心を動て足を軽くはこぶべし第三前ひきゝ方へ行には風の発する如く早くとぶべし敵したがって追はゞ左右へ開打つべし亦敵高き方に居我ひきゝ方にいるとも右の心得然るべし

*敵と対峙するには高い方に場取りするのが良い、一つは敵を見下ろして徳あり、二つは進むのに楽である、三つ目は我が体が上にあれば危うき事は無い。されども高い所で足場が悪ければ、其処を去れ。
去るにあたって三つの心得がある。
第一は後ろの高い方に去るには心を静めて足を高く上げてはならない、第二は左右に開く時は心を動かして足を軽く運ぶようにすべし、第三は前方の低き方へ行くには風が発する様に速やかに飛び降りるべし。敵は我の動きに従って追って来るならば、左右に開いて打つべし。
又、敵が高い方に居て我が低き方に居るとしても右の心得当然とするべし。

この場取りは孫子の行軍篇第九にあるものですが、噛み砕いたものでしょう。
「凡そ軍は高きを好みて下(ひく)きを悪(にく)み、陽を貴びて陰を賤しむ・・」

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2015年6月 8日 (月)

居合兵法極意巻秘訣 9.相間之事

居合兵法極意巻秘訣

9.相間之事

 我と敵間た有時は敵の来るを待って行べからず待に利有り一には身をくるしめざる利あり二には心どうぜず三には工夫する間あって吉四に悪所に行掛らず天利自然の利ありされども我が待所あしくば前後左右に心を付利能し

*我と敵の間が有る時は、敵が来るのを待って此方から行くべからず。
待つに利有り。一つには身を苦しめざる利あり、二つ目は心が動くことがない、三つ目には工夫をする時間があるので吉である。四つ目は悪所に行き掛かる事は無い。天の利、自然の利あるのでも我が待つ処が悪所であれば前後左右に心を付けておけば利はある。

中々合理的な考え方をしています。敵にこちらに攻めて来させて、こちらは体力を消耗させないように待つ、攻めていけば思いが駆け巡ったりして心が浮ついてくる。
じっとしている間に戦いを工夫する時間が取れるので良いが、此方から出かけると気配りなどあって工夫する事もままならない、出かけて行けば悪所に行き当たることもある。
天の利、自然の利があっても我が待っている処が悪所であれば、周りをよく確認して、敵がどう乗り込んでくるか、何処に追い込むかなど前後左右に心づけしておけば利はある。

簡単な事ですが、ともすると此方から攻め込む気ばかり焦って不覚を取る事もある事を戒めているのでしょう。

上泉信綱伝新陰流軍学「訓閲集(くんえつしゅう)巻一の陣場の善悪を知る」に
「よき陣場と云うは、切所(難所、要害)を前にあてて、後の手遣い自由なる所、敵来る道には難所あり、味方の押し出るには自由にして四方よく見え、水、薪、潤沢なる所、陣の右に切所ある所なり・・」これも孫子を学んで組み立てられているようです。

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2015年6月 7日 (日)

居合兵法極意巻秘訣 8.雷電之事

居合兵法極意巻秘訣

8.雷電之事

 雷鳴時稲光を我が後へ受雷に敵のおくるゝ所打べし

*雷が鳴って稲光がする時には、稲光を後ろにして敵と対するのである、雷が鳴って稲光がすると敵がびくと臆するので其処を打つのである。

古くは稲が稲妻によって霊的なものと結合し、穂を実らせると信じられていたところから稲妻、稲光という。
面白い発想ですが稲が実る頃に雷が多かったのでしょう。

現代は雷が近づいてくれば、金属を外して建物に入って避けるとかですが、雷の最中に刀を持って戦ったらどうなるのでしょう。
雷もほどほど遠ければこの教えも役立たず、近ければ敵か我かいずれに落ちるのでしょう。

木曾駒ヶ岳の頂上で、突然雷が起こり出しました。ザックを放り出して慌てて大きな岩陰に潜めたのですが、周囲を稲妻が走り四方八方から責め立てられる様で怖ろしかったことを思い出します。
こんな時は、どちらが後やら、休戦ですね。

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2015年6月 6日 (土)

居合兵法極意巻秘訣 7.寒天之事

居合兵法極意巻秘訣

7.寒天之事

 寒夜は手足冷兵器持に覚えず取落す事あり故に口に生姜をふくみ手足も酒をぬりてよし第一こせふを一つぶを二つに割り火にていり能く紙に包てほぞに當置べし手足こゝえず

 丁子の油をわたにして印籠に入れ持つべし手足に塗りてこゞへざるなり(又?)野往来の時ぬれば毒虫など近づく事そうじて之無き也

*寒い夜は手足冷えて兵器を持つのに不覚に取り落とす事あり、故に口に生姜を含み、手足にも酒を塗るのが良い。
第一はこせふ(胡椒)を一粒を二つに割り火で炒って能く紙に包み、ほぞ(臍)にあて置くのである手足こごえず。

丁子の油を綿に浸して印籠へ入れて持つべきである、手足に塗れば凍え無いものである。
又、野原を往き来する時丁子油を塗って置けば毒虫などは、だいたい近付かなくなるのである。

このおまじないの様な方法がどれだけのものであるかは知りません。現代科学で解明できるでしょう。
身分の低い者は、着衣にも差別があったのですから、知恵の出し処でしょう、心持だけでも何もしていない人よりましだったはずです。

題の「寒天之事」は木村先生は「寒天之事」、河野先生は「寒天之事」で同じですが、曽田先生は「寒中之事」と書き写し「中」を消しています。

丁子油は刀の手入れに使用されている、と云うのも鉱物油に劣るとされて居る様です。昔は丁子油であったか椿油であったかも実証されていないとか・・。
検索してみてください。

遠い昔、山岳会に所属して居ました。冬山の岸壁に張り付いていた頃、先輩の持って来たワセリンを塗りたくって凍傷を予防すると云われ素直に塗りたくっていました。効果のほどは疑問です。戦中の満州などの帰還兵の知恵だったかもしれません。

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2015年6月 5日 (金)

居合兵法極意巻秘訣 6.雪中之事

居合兵法極意巻秘訣 

6.雪中之事

 地に雪の積りなば間を隔て敵の来るを待つべし我行べからず敵雪に辷(すべる)りころぶ物也地に積らずは雨中の心得と同前上段よし

*地に雪が積もっているならば、距離を取っておいて、敵が来るのを待つのである。敵は雪に滑って転ぶのである。
地に積もるほどの雪でなければ雨の時の心得の様に、我は俯いて敵の様子を伺うようにして、するすると上段に構えれば敵は思わず顔を上げ雪が顔にかかって目に入る・・・。

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2015年6月 4日 (木)

居合兵法極意巻秘訣 5.雨中之事

居合兵法極意巻秘訣

5.雨中之事

 間を積り間を隔て頭をたれ敵の兵器の色を見るべし扨我が太刀は上段に構て敵のあおのく様にはかろふべし

*雨の降る時の仕合です、敵との間を計って間を隔て、我は頭を垂れて敵の兵器の状況を確認するのである。
さて、間境でわが太刀を上段にするすると上げて構え、敵が思わず我が太刀筋を追って仰のき顔に雨が当たるように思い図るものである。

仰向いた敵の顔に雨が当たり、眼に入るなりして、敵の気が途切れる瞬間に打ち込む様に仕向けるのでしょう。
敵の虚をつくのは武術の基本でしょう。
土佐に居合を持ちこんだ第9代林六太夫守政の兵術嗜之个條先生御註訳は敵を虚に陥らせる知恵で一杯です。

我は陽を背にして敵を眩しくさせる日中之事
月を背にして陰に隠れる月夜之事
身を沈めて様子を伺う闇夜之事、同時に難所を我が前にして敵を難所の向うにする事
敵を風に向わせる様に風下に立たせる風吹之事

英信流居合目録秘訣の外之物の大事、上意之大事、極意の大事等の項目ごとに盛り沢山です。

闇打ち、騙し打ち、言葉は卑怯を思わせますが、兵法は奇正・虚実によると孫子も述べて居ます。



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2015年6月 3日 (水)

居合兵法極意巻秘訣 4.風吹之事

居合兵法極意巻秘訣

4.風吹之事

 風は四季によりてかわる春風は地より空へ吹上る夏は中を吹也秋は上より下へ吹冬は下を吹右の心を以て風を背に受て働くべし敵を風に向はせるよふに計るべし眼くらみて先を得見ぬ也家内にては自家他家にては壁を後ろか右にうくべし戸障子を後にうくべからず外より人来てあしゝひゞき驚くものなり心得べし

*風は四季によって変わるものである、春風は地より空へ吹き上げる、夏は中を吹き、秋は上より下へ吹く、冬は下を吹く。
右の心得を思案して風を背に受けて働くのである。敵を、風の吹いて来る方に向かわせ様に仕向けるのである。そうすれば敵は風に吹かれて目が霞みその先の事など見えぬものである。
家屋の中では自分の家でも他人の家でも壁を後ろか、右にして立ち、戸障子を後ろに受けて立つべきではない。
外から人が入って来て都合が悪いし、開け閉ての音で驚いて不覚を取る事もある。心得ておくべきである。

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2015年6月 2日 (火)

居合兵法極意巻秘訣 3.闇夜之事

居合兵法極意巻秘訣

3.闇夜之事

 やみの夜は我が身をしづめて敵の形を能見透かすべし兵器の色をはかるべし若し難所有らば我が前に當て戦ふべし敵のすそをなぐる心持よし

*闇夜の夜は我が身を低く沈めて、敵の在り様を良く見透かすべきである。兵器は何であるか、どう扱うのかなど色を計るのである。
若し、難所が有るならば我が前に難所を置き敵が難所を越して斬り込むようにして戦うのである。
敵の裾を薙ぎ払う心持ちが良い。

日中之事・月夜之事・闇夜之事と続いて来ました。以降に風吹之事・雨中之事・雪中之事・寒天之事・雷電之事と気象条件が続きます。
其の後に山坂之事・細道之事・絶道之事・大道之事・脇道之事・・。

現代居合が、刀を抜いて斬るばかりの教えとなってしまいましたが、土佐の居合には、棒・仕組(組太刀)・和(柔術)・小具足・小太刀等の教えもあり、総合武術であり、兵法でもあったのです。
残念ながら、大江先生はこれ等を教える事は無く、伝書類も引き継いでいなかったと思われます。

恐らく、1700年後期に林六太夫守政が江戸から英信流を持ち込んだ時には稽古もされたであろうと思いますが、当時の土佐には、武術流派は幾つも存在し、その後居合以外はあまり稽古されなかったと思えます。
同時に兵術の講和なども英信流に限った講義はなかったかもしれません。
明治維新当時には、大森流・英信流の抜刀術のみが稽古されたのでしょう。

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2015年6月 1日 (月)

居合兵法極意巻秘訣 2.月夜之事

居合兵法極意巻秘訣

2.月夜之事

月夜には我は陰の方に居て敵を月に向はすべし我はかくれて敵をあらわす徳有り

*月夜には我は月を背にして(陰の方に居て)立ち、敵を月に向かうようにして場取りする。
我は背中から月が当たり隠れてしまうが敵は月に照らされて丸見えであるこの得(徳)が有る。

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