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2015年7月30日 (木)

居合兵法の和歌12.鍔は只拳の楯

居合兵法の和歌

12.鍔は只拳の楯

 鍔は只拳の楯と聞ものを大くも婦とく無きハひがこと

*鍔はただ拳の楯と聞くものを大くも太く無きはひがごと

妻木先生の田宮流居合歌の伝
「つばはただこぶしの楯とするものをふとくはふとくなきはひがごと」
「大くもふとく」が「ふとくはふとく」になっています。「大くも」をふとくもと読んだのでしょう。

新庄藩の林崎新夢想流の秘歌之大事
「鍔ハ多々拳能楯と聞ものを婦とくもふとく奈幾ハひ可こと」
(鍔はたゞ拳の楯と聞物をふとくもふとくなきはひがごと)

土佐の居合兵法の和歌の「大くもふとく」は「ふとくもふとく」でよいのでしょう。
「ひがごと」は道理に合わないとか間違っているとかの意味でしょう。とりあえず読んでみましょう。

刀の鍔は、単なる拳を守る楯の役割と聞いている。出来るだけ大きい方が良いので鍔無しは道理にあわない。

刀の鍔は、単なる拳を守る楯の役割と聞いている。太すぎるのも、太くないのも道理にあわない。

これは武器としてのあり方を歌っているとするならば「居合兵法の和歌」の32首の中で異色の歌です。
何か言いたい事がこの中に隠されているのでしょう。

鍔と云う刀装具の役割を極意の秘歌に持ち出すとも思えません。鍔の使い方は流派に依っても種々あることでここで、鍔の操作技法が秘歌となるとは思えません。

極意に至れば刀などの戦闘道具は用はないとも云われます。
「兵法の極意に心いたりなば 刀道具はおよばざるもの」

田宮流の歌の伝に
「ふっと出る刀をおもいさとるべし 夢想の刀鍔は構はし」

将に極意の一刀について「ふっと出る・・」「夢想の刀」と何となく修業の暁にはそんなものかと解るような気もするところですが、「鍔は構はし」でここに再び「鍔」が登場します。

前の歌とも関連しそうな気もして「前の歌が鍔を意識しろよ、と言いつつ後の歌では鍔を構うな」と二つの矛盾した歌を詠まされました。

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