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2015年9月26日 (土)

英信流目録 3.大森流居合之位4當刀

英信流目録

3.大森流居合之位

 4、當刀

是は後に向て坐する也正面へ左より廻り左の足を出し抜付すぐに打込み血ぶるひの時立右の足を左に揃納る時左を一足引納る也

*この業手附では何がなんだか解からないものです。
「當刀」は、大江先生の業名改変による「正座の部四本目後」でしょう。
業名の「當刀」の刀を當(あたる、あてる、ぴたりとあてる、まともに対抗する)。
後ろの敵に刀をぴたりと抜き打つ、という意味になるのでしょう。

是は後ろに向いて座する、正面に対して後ろ向きと言うのでしょう。そして敵に背中を見せた後ろ向きでしょう。
左廻りに廻って左足を踏み出し抜き付ける。
すぐに上段に振り冠って打ち込む。
後ろに居る敵に振り向きざま抜き打ちに斬り付け、上段に振り冠って斬り下ろす。
立ち上がるとあるので大血ぶるいでしょう。
血ぶるいで立ち上がる時右足を左足に踏み揃えて立つ。
納刀の際は踏み出した左足を引いて納刀する。

是では、後ろの敵を抜き打ちに斬って、真向に打ち込んで血ぶりして納刀する、と言っているだけで稽古になりません。
修行を積んで根元之巻を師匠より伝授される時、目録に覚書程度の業手附を付けて与えたとしかいい様はありません。
どのように後ろに振り向くのかは、口伝口授、師の技を真似る事だったのでしょう。

「當刀(大江先生の後)」は180度の回転技です。廻ることは出来ても、左足を踏み込んで敵に抜き付けるのは容易ではありません。敵の居ない所を切っていたり、左足を踏み込めずに力ない抜き付けであったりします。

ここでは池田先生の正座の部後を稽古してみましょう
剣理:我れ正面に対し後ろ向きに座し、我が後方に座せる対敵に対する業にして、・・

術理:両膝を内絞りに寄せながら左手を鞘に掛け、左拇指腹を鍔に掛けると同時に、柄頭を己が人中にある様に鞘を送り出すと共に右手を柄に掛け、鯉口を切る。

柄に右手を掛けると同時に腰を上げ、両足爪先立つ。
次いで気を以って敵を圧する心持にて刀を抜き懸け、右膝は床に着きたるまま左膝を浮かして立てながら、右膝、左足先を軸にして左廻りに廻る。

約90度位廻りて後敵我が視野に入りなば、刀の抜き込みの速さを早めつつ、我が体が正面に向き直る直前に於いて正面に対し45度位に柄頭を持ち来たり、その時、切先三寸迄抜き込む事(抜刀寸前)が大切である。

我が体が正面に向き直るや否や左足を我左股関節の前に踏み込み踏み立てる。この時、右足先は右膝の後ろに在る様に動作する事に留意されたい。

と同時に左敵を見定め、左手鞘を90度に反らして左鯉口手と左肘を共に後ろに退くと共に、正面に対し右45度位にて抜刀寸前(切先三寸位)迄抜き込みたる刀を抜き放ち、横一文字に斬り付ける。
この場合、我が体が正面に向き直りて柄頭を正面に向けてより抜刀してはならない。

・両足爪先立つ時、両足は其の場にて爪立つ方が良い。両足を開いて爪立つ場合、我が正面に向き直りたる時、左足を踏み込み立てる動作が不完全になる。即ち、向き直りたる時、早や左足を踏み立てたる状態になっている為、斬り付けは手のみで斬る姿となり、踏み込み踏み立てると同時に斬り付けると言う斬り付けの勢を殺ぐ事になりかねない。

*この両足を揃えてその場で爪先立てば、左足を一旦右足に退き付けてから踏み立てる無駄がありません。古参の方はこの一旦引いてから踏み立てています。
後ろ向きに座って、大股開きで始めるのも見苦しいものです。
後の爪立が美しくありたいものです。

古伝神傳流秘書による大森流居合之事「四本目當刀」

 左廻りに後へ振り向き左の足を踏み出し如前

*「左廻りに後ろへ振り向き」ですから、相手は我が後方に座し、我れ害意を察し、左廻りに後ろに振り向き左の足を踏み出し抜付け打込む。

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