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2015年9月24日 (木)

英信流目録 3.大森流居合之位2左刀

英信流目録

3.大森流居合之位

 二本目 左刀

是は右脇へ向て坐する也ひだりへ廻り左の足を一足ふみ出抜付すぐに打込亦血ぶるひをして立時右の足を左に揃納る時左を一足引納る也

*是は正面に対し、右側に向いて座る。左へ廻り左の足を踏み出して抜き付け、すぐに打込み、血振るいして立ち上がる時は左足に右足を引き付け揃える。納刀の際は右足を一足引いて納刀する。

 この、英信流目録の左刀は、「左へ廻り左の足を踏み出して抜き付け」です。「古伝神傳流秘書大森流居合之事左刀」では左へ廻らず、正面向きの儘で左足を踏み出し、抜きつけています。
 「左の足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震して立時足を揃え左の足へ踏み揃え左足を引て納る 以下血震する事は足を立替え先踏出したる足を引て納る」

*「左の足を踏み出し向へ抜付け」をやってみます。正面に向いて座し、左足を踏み込んで正面の敵に抜付ける。
 初発刀は右足を踏み出し正面に抜付ける、二本目の左刀は左足を踏み出し正面に抜きつける。
 何の不思議も無いのですが、正面の相手に右足だ左足だと踏み込み足を変える業技法を稽古させている様です。
 左刀とは踏み込み足をさして言っているのでしょうか。

 英信流目録の大森流之位左刀は右向きに座り、左回りして左の敵を切る業に変わっています。神傳流秘書が抜けているのか意図的なのか知るすべはありません。

 古伝に云う、「大森流左刀」は、大江先生の改変によって「正座の部右」となっています。
 英信流目録では、敵が左側にいる場合の業のありようを言うのです。
 大江先生の右は、正面に対し自分が右向きに座っている場合の業で敵は左に居るというものです。
 対敵意識を持つ古伝を、演武の場所から絞った言い回しに変えた理由はなんなのでしょう。
 中学生向きに、とも思いたいのですが、判りません。

 大江先生の改変と言われる事に疑問を感じて居ます。江戸末期から明治に懸けての混乱期に多くの事が失伝したかも知れません。それを掘り起し整理されたのかも知れません。然しそのことを記すものも、弟子の方々も大江先生の改変と云うだけでそれ以上は何も語られて居ません。
 私に大江先生を批判する様な文章を書くので気に入らないと仰る方がおられます。
 現代でもそれ程崇められるならば、大江居合を徹底的に稽古されればと思うのですが、如何なものでしょうか。

 戻ります、この流派の「抜き付け」とは、右片手による鞘の内から抜き出し、顔面から肩の辺りへ横一線に抜き付ける事でしょう。
 特に指定されていませんが、現代居合の抜き付けに古伝の面影があるとすればそれでしょう。
 同様に「打込む」は、上段に振り冠って真向に切り下ろす打込みを指すのでしょう。

 古伝英信流目録の大森流居合之位「左刀」の抜付けは現代居合の「初発刀」・「右」の方法でやればいいのでしょう。

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