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2015年9月27日 (日)

英信流目録 3.大森流居合之位5陽進刀

英信流目録

3.大森流居合之位

5、陽進刀

是は正面に坐する也右の足一足ふみ出し立なりに抜付左をふみ込み討込む也すぐに右脇へ開き其儘納む也
陰退刀其儘左の足を跡へ引其時亦抜付打込み血ふるひの時立左の足を右に揃へ納る時右を一足引也

*是は正面向きに座している。右足を一足踏み出し、立つなりに抜き付け、左足を踏み込んで真向に打ち下ろす。
すぐに右脇に刀を開き、その体制のまま刀を納める。
陰退刀其のまま、左足を後ろへ引き、抜き付けて振り冠って真向に打ち下ろす。大血ぶるいの時立つ時、左足を右足に踏み揃え、納刀の時右足を一足引いて納める。

ここでは、「立つなりに抜き付け」です。
正座の前の様に、右足を踏み込んでいますが、立ち上がって抜き付けるのでしょう。
現代居合の正座の「八重垣」では右足を踏み込み抜き付け、立ち上がりつつ、振り冠って左足を踏み込んで真向に打ち下ろします。
すぐに右に刀を開き、其の体制の儘納刀。充分手ごたえあっての納刀でしょう。

「陰退刀」其の儘ですから、陰退刀の解説がなくて解かりませんが、現代居合に面影があるとすれば下がりつつ抜きつけることで、左足を後ろへ引いて再び抜き付け切り下ろす。この2度目の抜き付けは新たな敵とも、先に切り倒した敵とも何の状況説明もありません。

古伝神傳流秘書の大森流之事「陽進陰退」
「初め右足を踏出し抜付け左を踏込んで打込み開き納又左を引て抜付跡初本に同じ」

*神傳流秘書では「右足を踏出し抜付け」であって英信流目録は「右の足一足ふみ出し立なりに抜付」とは異なります。
現代居合も、右足を踏み込み立ち上がって抜きつけてはいません。
右足を踏み込み立ち上がって抜きつける稽古をしてみるのですが「正面に坐する也」ですから、相手も立ち上がって切り込まんとする想定です。

大江先生の正座の部八垣は最初に切り倒した敵が、力を振り絞って右足に切り付けてくるので、右脛を囲って敵刀を払い留め、振り冠って打ち下ろして仕留めています。
夢想神伝流では新たな敵が切り込んで来るので、間を外して抜き打ちに斬り付け、振り冠って打ち下ろしています。

細川義昌先生系統と思われる白石元一先生の「陰陽進退」では、「前方の敵を斬りたる後敵再び足に斬り付け来るを応じて防ぎ続いて斬り倒す意」と云って、「敵再び我が足に斬り付け来るを左足を引きつゝ刀を抜きて(刀の鎬にて)受留め防ぎたる後、左足を右足踝の所に引きよせてつくと同時に、左方より刀を上段に振り冠り、右足を出して真向に斬り付ける」

*夢想神伝流が古伝に忠実で、細川系を無視し、大江先生の無双直伝英信流が細川系なのは面白いものです。

此の英信流目録は安永5年1776年に第12代林益之丞政誠が書きあらわしたもので、それを後の谷村派の谷村樵夫自庸が嘉永5年1852年に書き写されたものです。
ですからこの伝書は谷村派系統のもので現在の大森流(正座の部)の五本目八重垣はこの
動作であるはずです。

立ち上がって抜き打ちする、座ったままで抜き打ちする。、いずれも行われていたのでしょう。
二人目の敵に横一線に斬り付けるなのか、気力を振り絞った一人目の敵に脛囲いで応ずるなのか、自由に想定をして稽古してみます。
現代居合では、見られない、右足を踏み出し立つなりに抜き付けて見ますが、慣れれば至極普通の事です。

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