英信流目録 2.小太刀之位5下段ノ弛
英信流目録
2.小太刀之位
五本目 下段ノ弛
是は敵はさして待也我は小太刀をひっさげスカスカと行也敵其所を抜付の如く抜付亦たすぐに両手にて一足ふみ込み左の下をなぐる也我其所を足を引すっかりと弛し敵亦上より討所を請流し勝也
*是は、敵は太刀を腰に差して待つ、我は小太刀を右手に持ち、切先を下にして無形之位でスカスカと歩み行、相手は我れが間境を越えると見るや「抜付の如く」に抜付て来る。
この「抜付の如く」の業は何を指すのか解りません。
抜付そのものを解説したものも見当たりませんので、此処は横一線にがま口に抜き付ける土佐の居合の抜き付けを想像しておきましょう。
この抜付は空振りして我を牽制するのでしょう、我がふっと立ち止まる処直ぐに左手を柄に添え両手で、一歩踏み込んで我が左から出足を薙いでくる。
神傳流秘書の抜刀心持之事の「向払」の要領でしょう。現代居合の奥居合居業の「霞」の返す刀を両手で行うのでしょう。
我は後足を引き、前足を連れ足に引いて相手の薙いで来る太刀を「すっかりと弛し」、外されて相手は、すぐさま上段に振り冠って我が真向に打ち込んで来る処、小太刀を顔前頭上に左肩を覆う様に上げ、相手太刀を請けるや左に流し右足を右前に踏み込んで相手の首を打つ。
此の業は相手の横一線の抜き付け、切返して下に斬り付け、上段よりの真向打ちを躱す業です。
正確な間積りを身に付けるには良い業です。遠くなく近すぎずでしょう。
神傳流秘書の11.大剣取にこのような返す刀の応じ様が有りました。
「是無剣の如く放したる時又右より打を留入りてさす」
大剣取三本目外石2014年12月5日
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