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2015年10月12日 (月)

曽田本業附口伝その1太刀打之位8独妙剱

曽田本業附口伝

その1.太刀打之位

 八本目 独妙剱 仕打八

 (山川先生の秘書には絶妙剱とあり 曽田メモ)

是も抜也敵待かけても相掛りにても苦からず八相にかたきてスカスカと行場合にて打込也其の時敵十文字に請て又我が真向へ打込也其の時我又本の儘(*そのまま)にて請け面へ擦り込み勝也(我請たる時は左手を刀峰に当て次に摺り込み勝也)(摺り込みたるとき敵刀を左肩にとる也 曽田メモ)

*打は待ちかけても相掛りでもいいのですが、ここは八双に構えて相掛にすかすかと場合に至り仕は右足を踏み込み打の真向に打込む、打は是を柄を左に切先を右にして十文字に請け即座に上段に振り冠って仕の真向に打込んで来る。
(此の時仕は左手を刀の峰に当て切先を左に柄を右にして請け、是を摺り込み切先を打の喉に付け勝。)(此の時打は刀を左肩にとる。)

この業も仕が攻めて打が請ける、打は攻められて反転して仕を攻める、仕は打の打込みを左手を物打の峰に添えて請ける。打の刀を受けたまま離さない様に切先で打の目を切る様に摺り込み喉に付ける。

神傳流秘書を読む太刀打之事 八本目絶妙剣

 高山に構へ行て打込み打太刀より又打込を請て相手の面へ摺り込み相手肩へ取る(請くる時は切先に手を添え頭の上にて十文字に請け留むるなり)

*「高山に構へ行て」は遣方高山、打太刀高山でしょう。
高山の構えは、上段です。この流の上段はどのように構えたかは不明です。大森六郎左衛門に第九代林六太夫守政が剣術の指導を受けたという事ですと新陰流の雷刀と思われます。竹刀剣道の上段とは違って左拳を頭の上まで上げ額より前に出ない様にし、太刀の角度は45度位後、太刀を振り上げる時肩を下げる意識で肘を拡げます。

河野先生の大日本居合道図譜に於ける上段は、「我が両拳の下より敵の頭上を見下ろす心持ちにて刀を頭上に把り剣先は高く構ゆ」ですが、左拳は額のやや上前、刀は45度で両肘の間から敵を覗き見する様です。是は一刀流の上段でしょう。

打太刀は前回の独妙剣で中央から五歩退いていれば合い進み、留まっていれば待ち掛ける、双方上段に構え、遣方スカスカと歩み行き、間境を越すや右足を踏み込んで打太刀の真向に打ち下す。打太刀右足を少し引いて頭上にて十文字に請ける、打太刀右足を踏み込み遣方の真向に打込む、遣り方之を頭上にて左手を物打ちに添え十文字に請けるや打太刀の刀を右に摺り落とし打太刀の面へ摺り込み勝。「相手肩へ取る」は打太刀摺り込まれて一歩下って八相に取り負けを示す。
この遣方が十文字請けして摺り込む方法についてですが、右手を左手よりやや高く取ります。
物打下辺りに左手をやや低く添えます。
其の添え手は、一般に拇指と食指の股に刀の棟を挟む様にして添えるのを指導されますがそれでは、真向に打込まれた場合砕かれてしまいます。
刀の棟が食指の第3関節から小指の下のふくらみに掌を斜めになる様にして顔前頭上に左手を右手よりやや前にして刃を上にして受けます。
十文字請けした処を支点にして左足を踏み込んで打太刀の右面に切先を摺り込みます。

嶋 専吉先生の独妙剣
「相八相 互にスカスカと進み間合ひにて仕太刀は打太刀の面に打下すを打太刀十文字に請止む。次で打太刀体を前に進め(足を替ふることなく)仕太刀の真向に打込み来るを仕太刀は左手を刀の棟に添へ(刃を上に、棟を拇指(内側)と他(外側)との間に請けて)体を後ろに退きて(足を替へず)頭上十文字に請止め。更に左足を一歩踏出し摺り込みて打太刀の喉に刺突を行ふ姿勢となる(此場合打太刀は依然足を替へずに唯々上体を少しく後方に退く、従て打太刀の右膝と仕太刀の左膝と合向ふことゝなるなり)。刀を合せ互に五歩退き血振い納刀。」

*嶋先生は足踏みについて拘っています。双方八相に構え間に至れば、仕太刀右足を踏み込んで打太刀の面に打ち込む、打太刀右足を踏み込んで之を体を反らせて十文字請けする。打太刀即座に其の足踏みの儘体を前に倒して仕太刀の真向に打ち込む。
仕太刀は之を右足前の体勢のまま頭上で左手を棟に添え刃を上にして上体を反る様にして請け止め即座に左足を一歩踏み込んで打太刀の刀を摺落とし詰める。その際打太刀は右足が前、仕太刀は左足が前と云う事でしょう。

何が何でもそうでなければならない理由はあるのでしょうか。形を殺陣や剣舞の様に見せる様な風潮は今も続いています。
合同形演武と称して、見事に何人もが整列して掛け声に合わせて打ち合っています。それはそれなりに意義を認めますが、武術とは異なるものを見て居る様です。
かと言って、木刀も折れんばかりに打ち振る形稽古も異なものです。

武術として理に叶い、見て居て美しさを感じさせる形が打てればと思います。
その上、一つの形から幾つもの変化を捕えられれば、力と速さに頼った者には容易に応じられるでしょう。

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