« 曽田本業附口伝その1太刀打之位8独妙剱 | トップページ | 曽田本業附口伝その1太刀打之位10打込一本 »

2015年10月13日 (火)

曽田本業附口伝その1太刀打之位9神明剱

曽田本業附口伝

その1.太刀打之位

九本目 心明剣 仕納打上

是も相掛りにても相手待ちかけても苦からず敵は真向へかむり我鞘に納てスカスカと行也其の時片手にて十文字に請る也其の侭々敵引也すぐに我打込み勝つ也気合大事也云々最後に打込む時は敵の刀を押し除ける様にして左足を踏込み敵の首根に打ち込む也。

*業名の心明剣ですが古伝神傳流秘書では心妙剣です。
是も相掛でも打が待ち掛けても良いと言いますが、相掛に、仕は納刀、打は上段に冠ってスカスカと双方歩み行きましょう。

打は右足を踏み込んで真向に打込んでくる、仕は右足を踏み込み抜刀して是を右片手にて額の上に十文字に刃で請ける。
打が退かんとする処を、仕は打の太刀を押し除ける様に振り冠り左足を踏み込んで打の首根に打込む。

「気合大事也云々」ですから敵の退くに乗じて踏み込んでいく気合、敵を退かせる様な気迫、敵の起こりに反応する気合でしょう。

相手が打ち込んだ儘、押し付けてくるならば摺落す、剛力で打ち込む相手ならば弛み抜きで左に外してしまうべきでしょう。
打ち込まれた太刀を片手で請け、相手が退きもしないのに左足を踏込み左手を柄に掛けて腕力で敵刀を巻き落とす様な動作が良く見られます、是は疑問です。剛力を頼りでは稽古の必要はない、でしょう。

神傳流秘書の太刀打之事九本目心妙剣

 相懸也打太刀打込を抜なりに請て打込み勝也打込む時相手の刀をおしのける業あるべし

*打太刀上段に構え、遣方刀を鞘に納め、合懸りにスカスカと歩み寄り、打方真向に打ち込んで来るのを遣方抜くなりにこれを受ける。
ここまでは、古伝の文面から読み取れます。次の「請て打込勝也」は難題です。どの様にして勝つのか何も書かれていません。
次の「打込む時相手の刀をおしのける業」がそれを教えているのでしょう。
遣方左手を柄に添え、左足を踏み込み打太刀の刀を右下に押し退ける様にし上段に振り冠って右足を踏み込んで打太刀の真向を打つ。

政岡先生は、「額前で十文字に受けるや直ちに左手を柄にかけつゝ左足を踏み込み体を開きながら刀を右下にまき落とし刀を後ろからまわして首根を斜めに切る」と見事に相手の打ち込みを瞬時に受けていなしています。

嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の「心明剣」
「打太刀は真向に冠り、仕太刀は帯刀のまゝ相掛りに前進し間合に至り打太刀上段より仕太刀の面に打下すを、仕太刀間髪を容れず抜刀、双手にて頭上十文字に請け止め、打太刀の引き際に(打太刀は足を替えずに体を僅に退く)右片手にて打太刀の刀を押し除くるが如く右下に払ひ、左足を左方に踏込み打太刀の首根を断つ。
この業特に「気合大事なり」とあり充分心すべし。
尚この形に於て仕太刀双手を払ふ業、及び左足の踏込と共に相手の頭べを撃つ動作には特に工夫あるべし。
次に刀を合せ五歩後退」

*「仕太刀間髪を容れず抜刀、双手にて頭上十文字に請け止め・・右片手にて打太刀の刀を押し除くる」が腑に落ちませんが19代に習ったまま、見たままなのでしょう。
折角双手で請けたのに、片手で押し除けるのです。

「気合大事なり」という文言は業附口伝の文言です。業附口伝は曽田先生が書き起こしたものですから第19代も業附口伝から学んでおられる可能性があります。
第17代大江正路先生の弟子ですから大江先生の居合道形7本以外は習っていないと考えてもおかしくはないでしょう。

|

« 曽田本業附口伝その1太刀打之位8独妙剱 | トップページ | 曽田本業附口伝その1太刀打之位10打込一本 »

曽田本業附口伝15-10」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本業附口伝その1太刀打之位8独妙剱 | トップページ | 曽田本業附口伝その1太刀打之位10打込一本 »