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2015年10月24日 (土)

曽田本業附口伝その2詰合之位10霞剱

曽田本業附口伝

その2.詰合之位

十本目 霞剱 相中段


是も互に立合也敵待かけても苦からず互に青眼の儘スカスカと行く場合にて互に拝み打に討也互に太刀の物打ちのあたり合たる所を中段に直る我其儘左の足を踏み込み裏より払いかむり勝也 五歩退り相中段に次に移る也

*是も互いに中段に構え、敵は水月刀の刀を合わせた位置で待ち掛けていても良いと言ってますが、双方元の位置に戻ってスカスカと歩み行きましょう。

双方一歩踏み出すやするすると上段に振りかむり、右足で間を越して拝み打ちに真向に打ち込む。
互いに物打のあたりで刀を鎬で摺り合わせ、じりじりと双方中段に直る。
敵退かんとするを、我は左足を踏み込み刀を敵刀の裏に返し払うや振りかむって勝ちを得る。
中段に刀を合わせ五歩退がり中段のまま次の業に移る。

霞剣の手附の文章では、「・・我其儘左の足を踏み込み裏より払いかむり勝也」と言って、左足の踏み込みは前に踏み込む教えのようです。
筋を変わる方が容易なので我は刀を裏から払うや左前に左足を踏み込み振りかむって勝つ、とやっている師伝もあるようです。

「裏より払い・・」は裏より払う方法を、双方中段に直った時は我の刀は敵の刀の右側にあって物打の鎬で触れ合っている。敵退かんとする機に乗じ、我は敵の刀の下から左側に返して左足を踏み込むや敵刀を右に払って(張り込んで)其の拍子に振りかむり勝つ。が、ここは敵刀を裏よりすり上げて・・との教えを演じるところもあるようです。

神傳流秘書 詰合十本目霞剣
眼関落しの如く打合せたる時相手引かんとするを裏よりはり込み真甲へ打込み勝亦打込まずして冠りて跡を勝もあり   以上十本

*古伝はおおらかです。一つの業から幾通りの変化でも方法でも稽古をさせてくれます。
今の全剣連の剣道形も当初はそれにより幾通りの変化も期待できるとあったはずが「形」に拘り忘れ去られている様なものです。
「違う!」事はありません。
先日あるところで、そんな話をしていて、「形は申し合わせの・かたち・ではない」が理解できないような、マニュアル育ちが殆どである事にあきれています。
そうかと思えば、「充分出来る様になって変化を付ける様に出来るまで教えの通りやる」とかたくなです。「充分できる」の意味が解かっていないのでしょう。

真向に中央で打ち合わせ、双方切先を正眼に取りつつ退く処、我は刀を相手の刀の裏に張り込みその拍子に踏み込んで真向に打ち込み勝。
打込まずに上段に冠って勝ちを示すも有。 詰合は以上十本で終わり。

嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の霞剣
「互に青眼のまゝ(但し剣尖を幾分高目に且つ腕を稍々前方に伸ばす心地にて)スカスカと進み間合にて双方拝み撃ちに物打のあたりにて刀を合せ中段に直るところを仕太刀素早く左足を一歩進め瞬間裏より打太刀の刀を払ひ直に上段に冠り勝つなり。
刀を合せ五歩退り(但し次の「留の打」を演ずる場合は納刀はせず)相中段にて次に移る。」

*この(但し剣尖を幾分高目に且つ腕を稍々前方に伸ばす心地にて)の青眼の構えの仕方を敢えて指導された「何故」が有りません。
真向相打ちの間を考えての事かも知れません。
真向打ちは上手な者が下手なものを斬り落してしまいます。
敢えて双方の間の中心付近で物打ちあたりで相打ちとするには、稍々遠間で真向に打ち込み鍔が口元辺りに下りて来た時刀を止めれば双方の中間で剣先45度位で物打ちあたりで止められるでしょう。決して刀を斜めにしてバッテンで止めない事です。受け太刀の稽古をしても意味は無いでしょう。
そして本来の真向打ちを知る事も大切でしょう。

古伝神傳流秘書の詰合はここまでの十本で終わっています。
曽田先生の業附口伝は十一本目に「討込」が有ります。

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