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2015年10月15日 (木)

曽田本業附口伝その2詰合之位1八相

曽田本業附口伝
その2.詰合之位

一本目 八相 仕打納刀
(口伝に発早とあり 曽田メモ)

是は互に鞘に納めて詰合て相向い右膝立て坐する也互に左足を一足引きて倒様に抜合する也(互に右膝へ抜付ける 曽田メモ)其儘ひざをつき仕太刀はかむりて面へ打込也此の時打太刀は十文字に頭上にて請け止むる也互に血振い足を引き納刀

*この業は互いに刀を鞘に納め、双方向かい合って右足を立てた居合膝(立膝)に座す。
双方の間隔は膝頭で3尺位、是より広く取らない、体軸で5尺の距離がよいでしょう。むしろ2尺に近いほど技は緊迫感があります。広いと間延びしてしまいます。
打は左手で鯉口を切ると同時に右手を柄に掛ける。仕はすかさず両手を刀に掛け鯉口を切って打の右足膝に左足を引いて抜き付ける。
打は是を左足を引いて膝前で請ける。
双方ほぼ同時に抜きつける、打が先に抜きつける、仕が先に抜きつける、については打が先行するのがポイントでしょう。
「左足を一足引きて倒れ様に抜合す」とありますから打の起こりを察して仕は是に応じ先んじて抜きつける。
「倒様に抜合す」の倒れざまは、やや前傾になり、攻める意識で抜き合わす、と認識する事でしょう。
仕は抜き付け請け留められるや即座に上段に振り冠り左膝を着いて打の真っ向に打ち下ろす。
打は、仕の攻めに圧せられて其の儘振り冠らんとするを、左膝を着き左手を刀の物打の棟に添え柄を右にして額前上にて刃を上にして仕の打ち込みを十文字に請ける。
打は刀を下ろし正眼にとる、同時に仕も一歩下がり刀を合わす。横に血振りし、右足を左足に引き付けつつ納刀し、立ち上がり構えを解いて、再び元の位置に立膝に座す。

神傳流秘書

詰合(重信流也従是奥之事 極意たるに依而格日に稽古する也)

*詰合(重信流である、これより奥の事、極意なので確実に稽古するものである)
この詰合以降の業は極意業と言っています。
古伝の教えを知らなかった為に、他の武術を取り込みおかしな動作を得々として指導したり、大江先生が残した業以外は無双直伝英信流に非ずと息巻く次第です。
大江先生も中学生向けにやむなく古伝を置いてきただけかも知れません。
詰合もそんな憂き目にあっている仕組の太刀打です。おおいに稽古し、独りよがりの空間刀法から抜け出るきっかけを作りたいものです。

一本目 発早
楽々居合膝に座したる時相手左の足を引下へ抜付るを我も左の足を引て虎の一足の如く抜て留め打太刀請る上へ取り打込み勝也

*「楽々居合膝に座したる時」ですが居合膝の座し方に解説も無く解りません。
戦国末期では正座は一般的でなかったと云う事を信じれば、胡坐か片膝を立てた坐り方だったのでしょう。
即座に応じられる座り方は右膝を立て左足を爪立って左膝を床に着いた立膝の構えでしょう。其の儘左足甲を床について尻を下ろせば略現代の居合膝です。

河野先生は甲冑を付けた時の座仕方と云い切っていますが疑問です。寧ろ攻撃態勢を保持した体構えと考えた方が自然です。

互に片膝を立てて座して居る時相手(打太刀)より、腰を上げて左足を引くや我が右足に抜き付けて来る、我も即座に左足を引いて相手の刀を右足斜め前で虎一足の様に(左足を引き刀を逆さに抜て留め)受け留める。

古伝は、相打ちではありません。相手(打太刀)に抜き付けられ請け止めています。
相手請け止められて、上段に冠らんとする処我左足膝を右足に引き付け座すや相手の真向に打ち下す、相手頭上にて十文字に之を請ける処刀諸共斬り下ろして勝。
チョット荒っぽかったですね。

嶋 専吉先生に依る第19代福井春政先生の詰合之位一本目發早
「口伝に發早とあり、八相とも禄す。仕・打互に刀を鞘に納めたるまゝ詰め合ひて相向ひに右膝を立てゝざす 
双方左足を一歩後方に退きて立ち上ると同時に互に対手の右脛に斬付くる心にて(剣尖を下方に)抜き合す。
次てその儘左膝を地につくと共に仕太刀は振冠りて上段より打太刀の正面に打込む、此の時打太刀は剣尖を右に頭上にて十文字に之を請け止むるなり。
次て互に刀を合せ適当の位置に復し双方左膝を跪き血振ひ右足を退きて納刀」

*嶋先生の詰合之位一本目發早は、第19代の直伝を筆に納めたものの様で、「打太刀は剣尖を右に頭上にて十文字に之を請け止むるなり」と頭上での打太刀の受け留め方が、大江先生の居合道形の一本目出合の一般的に見る形です。
大江先生の創作当時の打太刀の請けは「打太刀は左足より右足と追足にて退き、刀を左斜めにして受ける」でした。
しかし河野先生の昭和17年1942年発行の大日本居合道図譜では「打太刀は左足より追足にて一歩退き剣先を右に刃を上に柄を左に出し刀を水平に前額上に把る」と変わっています。
ここで、思わず、第19代が変えてしまったのかも知れないと思ってしまいました。
穂岐山先生の直弟子野村凱風先生の「無双直伝英信流居合道の参考」に依れば河野先生と同じ「柄を左にし刀を斜にして真向へ打込来る敵刃を受止む」ですから、18代・19代共に大江先生の居合道形を一本目から変えてしまったと言える様です。
書き付けられたものは、事実はどうでも残るものです。

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