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2015年10月 9日 (金)

曽田本業附口伝その1太刀打之位5月影

曽田本業附口伝

その1.太刀打之位

五本目 月影 仕下打八

是も同じく抜て居る也相掛りにても敵待かけても苦からず敵八相にかたきて待ちかくる也敵八相に打込む処を出合て互に押合又互に開き敵打込む処を我左足を引き立ち直りて打込み勝也

*是も4本目と同じように、「敵待ちかけても苦からず」、です。
ここでは打は八相に構え、仕は下段に構えスカスカと間に歩み行き、打は八相から右足を踏み込み斜めに左面に打込んでくる。仕は下段から右足を踏み込み突き上げるように摺り上げ太刀を合わせ、拳を合わせ押合う。
互いに腰車に開き、打が右足を踏み込んで仕の左足に打込む処、仕は左足を右足に引き付け是を外し、直ちに右足を踏み込み太刀を振り冠って打の首を打つ。

打は八相から仕の左面を打つ、仕は下段から打の喉を突くように突き上げ打の太刀を摺り上げて相打となり鍔競り合いの上双方車に取る・・。
八相からダイレクトに、車からもダイレクトに打込む運剣は古伝の法とも思います。
竹刀剣道の形に倣っているのが現代の組太刀ですが古伝にそれを持ち込むべきかは疑問です。真向打をするならば、八相をやめて上段に構えるものでしょう。

古伝神傳流秘書太刀打之事五本目月影(2014年10月20日)

「打太刀冠り待つ所へ遣方右の脇に切先を下げて構え行て打太刀八相に打を切先を上て真甲へ上て突付て留め互に押相て別れ両方とも車に取り相手打をはずす上へ冠り打込み勝つ」

*此の業は大江先生の鍔留の基になったものでしょう。
この手附に従って打つのは間と間合いの在り様を心得る必要があります。
遣方は前回の請入で中央から青眼の構えで五歩退き元の位置に右足前で立つ。
打太刀は其の儘青眼に構え、遣方が元の位置に立つや、右足を引いて八相に構える。
遣方は、右足前の儘、下段に切先を下げ、切先を右に右下段に構える。
右下段の切っ先は相手左膝に付ける心持でしょう。
遣方スカスカと間合いに踏込むや打太刀八相に遣方の左面を打って来る、遣方切先を上げ、打太刀の真向へ付き付ける様に突き込んで打太刀の打ち込みを留め、互に拳を合わせ押し合い後方に別れ双方とも脇構えに取る。
この脇構は幾つかの形が有りますが、特に指定されていません。しっかり相手に刃を見せて構え瞬時に斬り込める体勢を作るのを学んで見たい所です。
打太刀が遣方の出足を車から斬って来るのを左足を引いて外し上段に振り冠って、打太刀の真向に打込み勝。ここは上段に振り冠らず八相に打つもいいかも知れません。

大江先生の無双直伝英信流居合道形の五本目鍔留はこの月影から採ったものでしょう。
これは打は中段、仕は下段で双方真向に振り冠ってから真向打ちして双方の中間で物打付近の鎬で摺り合って相打ちし、鍔競り合いの上双方車に取って、打が仕の左足向う脛を切って来るのを左足を引いて外し空を打たせて上段から打の頭を切る。
ここでは、なぜ打は中段で仕は下段なのか、単なる構え方のバリエーションとしか言いようはなさそうです。
その上双方真向上段に振り冠るのは、竹刀剣道の教えによるものです。
真向打は双方まっすぐに相手の面を打つ、そのままで双方頭を打たれるか一刀流の切り落としか、新陰流の合し打ちになってしまいます。双方の上方中間で鎬付近で摺り合って相打ちとする。そこから踏み込んで拳を合わせ押し合うものです。

ですから大江先生の形の「鍔留」は古伝の月影モドキであって「鍔留」の技を名のみ残したものでしょう。
鍔競り合いの方法は、双方鍔を合わせるのではなく、拳を合わせ押し合う結果鍔が競り合うものでしょう。
大江先生の創作した形の原型を知れば理解の出来る処だろうと思います。

嶋 専吉先生に依る第19代福井春政先生の月影

「八相に構へて互に前進、間合を取り(此場合稍々間合を近くとる)打太刀八相より仕太刀の頭上に打込み来るを之に応じて同じく打合はせ拳が行合ふ瞬間鍔元にて押し合ひ更に双方右足を大きく退きて稍々半身に体を開き剣尖を低くして脇構へとなり続いて打太刀は右足を一歩踏込み上段より仕太刀の左股に斬り込むを仕太刀充分に左足を退きて空を打たせ、立直りて右足を一歩踏み出し上段より打太刀の頭上に打下す。刀を合せ互に五歩退き血振ひ納刀」

*合八相に構えて双方上段に構え直して打太刀から真向打ちして仕太刀が之に応じています。ここは業附口伝とも古伝とも大江先生の居合道形とも異なる処です。
正に新陰流の合し打ちです。
双方間を稍々近く取るの理由が良くわかりませんが、鍔競り合いを意図した形のようでこれでは申し合わせの形打ちにしかなりそうもありません。

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