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2015年10月16日 (金)

曽田本業附口伝その2詰合之位2拳取

曽田本業附口伝

その2.詰合之位

二本目 拳取 仕打納

是も同じく詰合て坐しさかさまに抜合すこと前同様也我其儘左の足を踏み込み敵の右手首(拳ならん 曽田メモ)を左手にて押える也後同段

*詰合之位の拳取は、太刀打之位の附込とどこが違うのでしょう。
どちらも打の起こりに仕は付入って打の拳を取って制し、詰めて勝つわけです。
この拳取は双方立膝に座し、打は刀に手を掛け腰を上げる。
その害意を察し仕は機先を制して腰を上げるや左足を引いて打の右膝に抜き付け、打は同時に左足を引いてそれを右膝前で請けます。
太刀打之位附込では、双方刀を鞘に納めスカスカと歩み行き、打が刀に手を掛け鯉口を切るを機に、仕は機先を制して右足を踏み込み打の右膝に抜き付ける。
打はこれを右足を踏み込んで右膝前で請けます。 どちらも立ち上がり刀を合わせたスタイルは似たようなものです。
拳取は、打の打ち込まんとするを機に、仕は立ち上がり左足を引いて抜き付ける、打も左足を引いて抜き付ける事です。
拳取は引き足を大きく取れば双方の距離が離れてしまいます。
詰合では双方の座す間隔を近く座す様にとの教えもありますが、立膝に座した双方の右足爪先の間隔はせいぜい二尺から三尺でしょう。 それ以上広ければ足を引く意味はなくなります。

拳取では、仕は請け止められるや素早く引き足の左足を大きく打の右足側面に踏み込み、打の手首を制し左膝を着いて打を崩し切先を打の胸に付けて勝。
あるいは右膝を着いて打を崩し切先を打の胸に付け勝。
手首を放し元の位置に戻り、正眼に構え双方切先を合わせ血振納刀。

神傳流秘書 詰合 二本目拳取

如前楽々足を引抜合我左の手にて相手の右の拳を取り刺す也(2015年11月8日)

*前の如くですから、一本目発早の如く「楽々居合膝に坐したる時相手左の足を引下へ抜付るを我も左の足を引て虎の一足の如く抜て留め我左の手にて相手の右の拳を取り刺す也」でしょう。

「楽々」の文言が気になります。楽に座すのは解りますが、「楽々足を引抜合」は、奥の業ですから当然とは云え強いばかりが信条の人には難しいものです。
相手我が右膝下に抜き付けて来るのを、虎一足の如く刀を逆にして右足の少し斜め前で刃で請け、相手引かんとする処左足を相手の右足側面に踏込み、左手で相手の右拳を制し、相手を右斜め下に崩し、右足を左足後方に摺り込み相手の胸部を刺突する。

相手の右足側面に踏込むのは、手を伸ばして相手の拳を取るのではなく、体で相手に接する瞬間に拳を取って制するものです。

拳を制するのが目的では無く、拳を取って相手の体を崩し反撃できないように制して胸部を刺突するのが目的です。
単純なのは、相手の右手首に我が左手を乗せ其の儘下へ押し下げるなども有効です。
最も悪いのは、相手の拳を制しようと不器用な左手で複雑な術を弄することです。

第19代福井春政先生直伝の嶋 専吉先生の「拳取」

「發早の場合と同様に双方抜合せ続いて仕太刀は迅速に左足をその斜左前即ち対手の右側に踏み込み(右足直に之れを追ふ、右膝は地に跪き、稍や體を開き)その瞬間左手にて打太刀の右手首を逆に捉へ之れを己が左下方に引き寄せ相手の態勢を崩しつゝ右拳の刀を打太刀の水月に擬し(柄を把れる右拳を己が右腰に支へつゝ刃を右にし打太刀の刀の下より)将に刺突の姿勢となる。互に刀を合はせ原位置に復し血振ひ納刀をなす。」

*嶋先生の備忘録です、福井先生は柔術もおやりだったと聞き覚えていますので、相手の右手を逆手に制して置いて己が下方に引き寄せています。簡単に相手の態勢を崩してしまう事も出来るはずですから、ややこしい制し方に拘るのは無駄でしょう。
「打太刀の刀の下より刺突の姿勢となる」についても、拘る事でも無さそうです、相手の右手を制し体勢を崩す事がポイントでしょう。

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