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2015年11月 9日 (月)

曽田本業附口伝その4大小立詰7移り

曽田本業附口伝

その4.大小立詰


七本目 移り(伝書になし 口伝 曽田メモ)

敵後より組付きたるを我体を落して前に投る也
(後より組付体を下り前に投げる 五藤メモ)

*曽田先生は第15代谷村亀之丞自雄の業附口伝書には無いけれど口伝があるので書き込んだと言うのでしょう。
後ろから羽交い絞めにされたので体を低くして前に投倒すという技です。

伝書に無いと言うのは、谷村派15代には伝わっていないと言うことでしょうか。古伝神傳流秘書には「電光石火」という業名であります。
「前の如く後より来り組付を体を下り相手の右の手を取り前に倒す」

神傳流秘書 大小立詰 七本目 電光石火

 如前後より来り組付を躰を下り相手の右の手をとり前に倒す

 以上七本

*すごい業名です電光石火です。後ろから組付かれた時は即座に相手の右手を取って体を沈めて前に投げる。
一本背負いを彷彿とさせます。
後ろから羽交い絞めにされたので、相手の右手をそのままでは取れそうもない場合は、体を沈めて相手の手が緩んだ処を一本背負いでしょうか。

*業名は業附口伝の大小立詰めでは「移り」になっていますが手附は神傳流秘書の大小立詰の電光石火とほぼ同様です。
これらの業は業では無いので変化極まりなし、よりよい方法、状況に応じた瞬時の判断を研究すべきでしょう。

以上七本で大小立詰は終わります。
此処も相手は小太刀、我は太刀を帯して行います。
この大小立詰は見る機会が殆ど有りません。之だと言う伝系も有るのか無いのか失伝してしまった業でしょう。

嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の大小立詰移り
「伝書になし、口伝 打太刀仕太刀の後方。 打太刀後より組付き来るを仕太刀体を落して前に投るなり。」

*曽田先生の業附口伝と同じです。嶋 専吉先生の「無双直伝英信流居合術形乾」を終了します。

以上で業附口伝を終わります。

業附口伝は土佐の居合の下村派15代行宗貞義先生の弟子曽田虎彦先生が谷村派の16代五藤正亮先生、谷村派14代谷村自雄先生の業附口伝書をもとに田口先生(?)と実兄の谷村派土居亀江先生の口伝に依って、谷村派・下村派竹村静夫先生と実演したもので参考にまとめたものと序文に書かれています。

ここには組太刀が4種類記載されていました。
太刀打之位・詰合之位・大小詰・大小立詰です。
神傳流秘書にあった大剣取がありません。
英信流目録にあった小太刀之位もありません。
業の細部は古傳神傳流秘書の太刀打之事・詰合・大小詰・大小立詰と異なる業名、その順番や動作がありますが総じて同じものと云えます。

江戸末期から明治にかけて細々と稽古されていたもので現在の夢想神傳流にも無双直伝英信流にも失伝してこれらを全て打てる道場は少なかろうと思います。
現在打たれている無双直伝英信流居合道形は谷村派第17代大江正路先生に依る太刀打之位を元にした独創形であって、古傳太刀打之事或は太刀打之位とは別物です。

この業附口伝のそれぞれの形は、一対一の攻防ですから、居合ならば正座の部、立膝の部が何とか理解出来、竹刀剣道、柔道、合気道などを少々齧って居れば手附だけで形を打つ事は出来るはずです。
但し、武術として学ぶには奥深いものがあるので申し合わせの形の認識であったり、誰々師匠の直伝位の認識では形を順番に従って打てただけに終わりそうです。
これ等を稽古するには文章をよく読み、それに従って書かれている通り演じてみることが大切です。どうしても抜けがあってどうしたら良いかわからない事がある時は幾つも想定して次の動作と違和感のないものを選択するのがよいでしょう。

ここにも習い・稽古・工夫のスパイラルが求められます。習いとは、師匠が居ても古伝は全く知らない師匠が殆どです。古伝の文章が師匠であり、自分の武的達成度も師匠でしょう。
そして、何より大切なのは、相方と座学で業を理解し合う事かも知れません。

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