« 曽田本業附口伝その4大小立詰5蜻蜒返 | トップページ | 曽田本業附口伝その4大小立詰7移り »

2015年11月 8日 (日)

曽田本業附口伝その4大小立詰6乱曲

曽田本業附口伝


その4.大小立詰


六本目 乱曲

6.乱曲
前後に立ちて行く也敵後より鐺を取りクルクル廻し引く也我其の時すぐに後向きて左右何れなるやを見合せ右手なる時は我左足にて敵の右足を又左手なる時は我右足にて敵の左足を掬い中に入る也
(後ろより鐺を取りクルクル廻し引其の時左右を見合せ中に入る 五藤メモ)

*敵は我が後ろを並んで歩いて行く時、敵後ろから我が鐺をつかんでクルクル廻しながら引く。我は其の時すぐに振り返って、敵が鐺を握っている手が右手か左手かを見極め、右手で握っているならば左足を踏み込んで敵の右足を掬い、左手ならば右足を踏み込んで敵の左足を掬い付け入って中に入る。

我が鐺を敵が右手で取るならば敵の出足は右が普通でしょう。左ならば左足でしょう。
その敵の出足を我は左ならば右足で、右ならば左足で掬うのです。

神傳流秘書 大小立詰 六本目 乱曲

 如前後より来り鐺を取り頻りにねじ廻し刀を抜かせじとする時後へ見返り左の手か右の手にて取たるかを見定め相手左の手ならば我も左にて鯉口を押へ相手右ならば我も右にて取る後へ引付んとするを幸しさり中に入り倒す

*前の蜻蛉返の様に相手後ろより歩み来たり我が鐺を取る。トンボ返しの場合は相手は「我が右の手を取り刀の鐺を取り背中に押付られたる時」でした。
乱曲は、我が鐺を左手か右手で取ってねじ廻し抜かせない様にするのです。其の時我は後ろを振り返って相手が左手で取っていれば我も左手で鯉口を押える。
相手が右手を出して鐺を取れば右半身になっているでしょうから、我も右半身になるとでも思えばいいのでしょう。
「相手右ならば我も右にて取る」ですが、我は右手で何処を取ればいいのでしょう。
左手は鯉口を握るのは常識でしたら右手は柄でしょう。
文章からは鯉口を右手で取ると読めます。
相手後ろへ引かんとするを幸いに、後ろへ下がり相手の懐に入るようにして足払いで倒す。

*この乱曲と前の蜻蛉返の様に、英信流の瀧落も鐺を取られています。瀧落では鐺を取られ後ろを振り向き右手か左手か確かめていますがその違いは何も示されていません。

左右の手と足の関係は、この際、研究しなおして見るのもいいかもしれません。

この事については政岡先生の無双直伝英信流居合兵法地之巻に瀧落の解説で述べられています。
「参考 これは(瀧落は)右手で鐺をとられた時の動作であるが、もし左手で握っておれば「左足を出し腰をおし出しつつ右手を柄にかけ、右胸に引き、鐺を左腿に添え、強く左前に出して、敵の手を振りもぐ」の動作は、左右とつぎ足で出て腰を右前に出す気持ちで、柄は左前に引きよせて敵の手をふりもぐべきである。この練習は行われていないが、後出の形(大小立詰の形乱曲参考)に於いては、右手で取られた時と左手で取られた時と両様の動作が行われている」

*古伝大小立詰を知らない現代の先生方では「なぜ瀧落で後ろを振り向き左右の手を見極めるのか」の質問に応じられないで「そう教えられた」で片付けられてしまうでしょう。

嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の大小立詰乱曲
「前後に立ちて行く。 打太刀後より鐺を取りクルクル廻し引く、仕太刀その時直に後向きて左右何れなるやを見合せ右手なるときは仕太刀左足にて打太刀の右足を、又左手なるときは右足にて打太刀の左足を掬ひ中に入るなり。」

曽田本業附口伝と同じです。

|

« 曽田本業附口伝その4大小立詰5蜻蜒返 | トップページ | 曽田本業附口伝その4大小立詰7移り »

曽田本業附口伝15-10」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本業附口伝その4大小立詰5蜻蜒返 | トップページ | 曽田本業附口伝その4大小立詰7移り »