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2015年11月 2日 (月)

曽田本業附口伝その3大小詰8山影詰

曽田本業附口伝
その3.大小詰
8、山影詰
打は仕の後ろに坐す後より組付也其時仕は頭を敵の顔面に當て敵ひるむ隙きに我刀を抜きて打の組みたる手を切る也
(五藤先生は一当てしてそりかえると記せり 曽田メモ)

(後ろより組付頭を一当して仰向けにそりかえる 五藤メモ)

*曽田先生の手附で業は充分理解できます。細かいところですが、打・仕と言っておきながら敵・我と出てくるので「おや!」と思ってしまいますが、校正しているものではなく曽田メモですから意味が通じればいいでしょう。曽田メモの挿入も特に意味はなさそうです。

打は仕の後ろに双方立膝に坐しいる、打は腰を上げ仕の後ろから両手を廻し仕の左右の上腕を羽交い絞めにする。
仕は即座に後頭部で打の顔面を打つ、打がひるむ隙に太刀を抜いて打の組み付いている手を切る。
後藤先生は、顔面に後頭部で一当てして仰向けに反り返って打の組み付を外す。

これも神傳流秘書を読み返して見ます。

神傳流秘書 大小詰 八本目 山影詰

 是は後より相手組を刀を抜き懸其手を切ると一拍子に我も共に後へ倒るゝ也

後ろから相手が抱き着いて我が両腕を絞めして来る時、刀を抜き上げて組み付いている相手の手を切りその拍子に後ろに相手と一緒に押し倒れる。

後ろから両肘の辺りをがっちり羽交い絞めされたら、刀は抜き出せません。やはり顔面当ては稽古から外せそうもありません。
不意の羽交い絞めか、我が刀に手を掛けたのを制せられたのか、この場合は神傳流秘書は何も言って居ません。
状況はいろいろでしょう。

これらの形は、「かたち」を学んで実戦に役立つものにしませんと、喧嘩慣れした暴漢には勝てないと言われます。
申し合わせの「かたち」では演舞(武)会の余興です。一つの業から何通りもの変化を場に応じてこなせる様にするものでしょう。師匠に習った方法だけがすべてで、他所で見聞きしたものを「違う」と言って否定するのは心得違いです。
それと、古伝を学ぶ時は、まず書かれている文章の通り動作を付けて見るべきで、抜けた部分は想像するのですが、尤も自然な続きの動作を模索すべきで決めつけてしまうと古伝では無くなってしまいます。

嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の大小詰八本目山影詰
「打太刀は仕太刀の後ろに坐す。打太刀、仕太刀の後より組みつく、その時仕太刀は頭を打太刀の顔面に當て打太刀の怯む隙に己が刀を抜きて打太刀の組みたる手を切るなり。
(五藤先生は「一と當てして仰向に反り返へる」と記せり)。」

*この、嶋先生の文章の括弧の部分は曽田先生のメモ書きそのものです。
やはり、18代穂岐山先生・19代福井先生・20代河野先生いずれも、谷村派の組太刀は伝書に依る伝承はされず、下村派の曽田虎彦先生の写された伝書に基づいて稽古されたと云う事が実態だったと判断できます。

以上で大小詰八本の業は終了です。

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