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2015年11月30日 (月)

曽田本免許皆伝目録その21伝書の集録

曽田本免許皆伝目録

21、伝書の集録

 林崎甚助重信に依る道統の居合の伝書で根元之巻は正統正流以外にも幾つも発行されていますからその存在は追及することは大した意味を持つとは思えません。
 しかし、根元之巻をどの様な流れで受けていても、其処に書かれている、一国一人の相伝など何時の間にか夢物語となっています。
 根元之巻を持つ事で林崎甚助重信公から我は○○代の相伝者で宗家を名乗る事を許されたと自認する人もあるようです。
 免許皆伝とは、すべての業技法を伝授し、真実の人にはそれを伝える事を許可すると云う意味合いであって、宗家と云うべきか否かは議論するものではないでしょう。
 宗家と称する人も、免許皆伝を多発し業技法を伝承する道を幾つも確保して置くのは意味ある事です、然し、次期宗家を生前に誰々と明確に印可せずに亡くなられた場合、その弟子たちの宗家争奪の争いは起こりうるものです。
 曽田本にある谷村樵夫自庸は土佐の居合谷村派第15代谷村亀之丞自雄より根元之巻を授与された楠目繁次成栄から授与されたものです。
曽田先生は第15代谷村樵夫自庸-16楠目繁次成栄-17小藤亀江とNOを打たれています。
 是は曽田先生の実兄の小藤亀江を17代であると云う思いなのでしょう。
 現在の無双直伝英信流居合道は第15代谷村亀之丞自雄-第16代五藤孫兵衛正亮-第17代大江正路子敬
 明治から昭和にかけて曽田本では、第15代谷村亀之丞自雄-第16代五藤孫兵衛正亮-第16代森本兎久身・・の線も加えられています。是は第16代が森本兎久身にも允可した事を意味するのでしょう。
 森本兎久身には竹村静夫や中山博道も師事したようです。竹村静夫は穂岐山波雄が第18代を引き継いだことを不満として森本兎身に允可を願い出たという話もあります。如何に業技法に優れていてもそれだけを頼りに宗家であると言うことにはならないでしょう。  」
 流の全てを纏め正しくその業技法を伝承し、孤独に耐えられる強い心も必要です。政治力、財力なども後押してくれなければならないでしょう。業師ではただの芸人と言えば叱られそうです。
 余談ですが、全剣連や全居連で段位を允可されていても、自流の業を「我は無双直伝英信流」と流名を述べ乍ら無双直伝英信流の何の印可も段位も持たない幽霊が大勢います。これなど不思議な事とも思わないほど、伝統を継承する意識の欠落は嘆かわしいものです。
 誰々師伝無双直伝英信流と言うべきもので、現在の業目録の形であれば大江師伝でしょう。
 その後、大江先生の弟子達が夫々想定を独自に固定されて指導され、それを頑なに守るとすれば、それは、第17代大江正路伝無双直伝英信流誰々師伝のはずです。

根元之巻を含め伝書が公に読める資料を紹介しておきます。


1、平成3年1991年林崎甚助源重信公資料研究会
 「林崎明神と林崎甚助重信」
 
 ・津軽藩 林崎新夢想流 元禄4年1691年~1714年
  浅利伊兵衛-棟方五右衛門
 ・三春藩 林崎流 元禄7年1694年
  荒澤源右衛門-岡山五郎左衛門
 ・新庄藩 林崎新夢想流 元禄14年1701年
  相馬忠左衛門-田口彦八郎
 ・庄内藩 林崎田宮流 宝永3年1706年
  酒井七右衛門-酒井十平長照
 ・藩不明 林崎夢想流 宝暦8年1757年
  久米作野右衛門-久米儀左衛門
 ・秋田藩 林崎流居合 天明8年1788年
  鈴木五右衛-曲木惣内
 ・秋田・仙台藩 林崎夢想流 寛政2年1790年
  北山長楽軒-五十嵐与五右衛門
 ・新庄藩 林崎新夢想流 寛政3年1791年
  常井大膳-押切傳之進
 ・新庄藩 林崎新夢想流 寛政12年1800年
  梥田梅翁喜栄-小川珍蔵
 ・二本松藩 林崎神流 文化10年1813年
  中川蔵之進-杉村文之進
 ・秋田藩角館 林崎流 弘化3年1846年
  小田野主人-陶 六郎
 ・秋田・仙台藩 林崎夢想流 安政2年1855年
  山嵜隋謙-笠原周治
 ・新庄藩 林崎新夢想流 明治44年1911年
  松坂次郎左衛門-早坂理三

2、昭和29年1955年 
  第20代河野百錬「無双直伝英信流居合兵法叢書」
 
・谷村樵夫自庸-小藤亀江 曽田本写し 
  明治34年1901年 根元之巻
 ・行宗貞義-中村虎猪 長谷川流居合術中伝書 
  曽田本写し 明治39年1906年 
 ・第17代大江正路-鈴江吉重 曽田本写し 
  大正10年1921年 根元之巻
 ・第15代谷村亀之丞自雄-藩主山内豊惇 
  曽田先生より 弘化2年1845年 根元之巻
 ・第19代福井春政-第20代河野百錬 
  昭和25年1950年 根元之巻
 ・第19代福井春政-第20代河野百錬 
  無双直伝英信流紹統印可之巻昭和25年1950年

3、昭和49年1974年政岡壱實
  「無双直伝英信流居合兵法地之巻」
 
 ・第17代大江正路-政岡壱實 大正10年1921年 根元之巻
 ・細川義昌-無名 大正11年1922年根元之巻
 ・第15代谷村亀之丞自雄-山内豊信 
  天保15年1844年根元之巻

4、昭和57年1982年 木村栄寿 
  林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流傳書及び業手付解説
 
 ・下村茂一-嶋村善馬 慶応2年1866年 居合根元之巻
 ・下村茂一-嶋村善馬 慶応4年1868年 居合兵法極意巻
 ・坪内清助-嶋村右馬丞 天保5年1834年 根元之巻
 ・山川久蔵-坪内清助 文政4年1821年 
  真傳流居合極秘書
 ・山川久蔵-坪内清助 文政10年1821年 居合兵法咄
 ・山川久蔵-嶋村右馬丞 天保7年1836年 物語之趣
 ・林政 詡誌 明和元年1764年 老父物語
 ・書者不明 時期不明 英信流居合目録秘訣
 ・同 不明 居合兵法極意巻秘訣 印可部
 ・嶋村易秀 天保10年1839年 居合兵法之和歌
 ・島邑右馬丞易秀 天保7年1836年 居合歌之屑
 ・嶋村易秀 天保7年1836年 右林守政指南仕申候次第
 ・山川久蔵-嶋村右馬丞 文政12年1829年 初抜之法
 ・山川幸正-坪内長順写し 文政10年1827年 
  抜刀心持引歌
 ・嶋村右馬丞 抜刀心持引歌 天保2年1831年写し
 ・坪内清助-島村右馬丞 天保12年1841年 
  神傳流業手付(神傳流秘書)
 ・山川幸正-坪内清助 文政12年1829年
  居合兵法極意書(神傳流秘書)
 ・下村 定-島村義郷(細川義昌) 1860年万延元年 
  抜刀術童蒙初心之心持
     
5、大江正路-山内豊健
6、山本宅治-大田次吉

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