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2015年12月21日 (月)

曽田本免許皆伝目録その42福井春政先生の目録の3

曽田本免許皆伝目録

42.福井春政先生の目録の3

*此処では第19代福井春政先生から河野百錬先生へ伝授された目録の業名を古伝と対比してみます。
第十七代範士大江正路 第十八代穂岐山波雄 福井春政
研究協議之上改定スル所有リ口伝ス
*17代・18代・19代で協議して無双直伝英信流の古傳を改定したと記されています。其の内容は「口伝ス」ですが、口伝された形跡は見当たりません。何故なのでしょう。
奥之部(改定)
1、霞 1、脛囲 1、戸詰 1、戸脇 
1、四方切 1、棚下 1、両詰 1、虎走
1、行連 1、連達 1、惣捲 1、総留
1、信夫 1、行違 1、袖摺返 1、門入
1、壁添 1、請流 1、暇乞 1、暇乞 
1、暇乞
*奥居合は古伝神傳流秘書では抜刀心持之事です。
古伝と対比してみましょう。左が大江先生の改定した業名、右が古伝抜刀心持之事。
1、霞・・向払 1、脛囲・・柄留 
1、戸詰・・両詰 
1、戸脇・・両詰(左脇を突く) 
1、四方切・・四角の変化業 
1、棚下・・棚下の変形業 
1、両詰・・向詰 
1、虎走・・虎走のやや変形 
1、行連・・行連の左右斬る業 
1、連達・・行連(左脇を突く)
1、惣捲・・五方切の変化業 
1、惣留・・放打 1、信夫・・夜ノ太刀 
1、行違・・連達の変化業 1、袖摺返・・行違の変形 
1、門入・・大江先生独創
1、壁添・・人中 
1、請流・・弛抜変形 
1、暇乞(3本)・・大森流抜打の変化大江先生独創
凡このように奥居合を大方改定しています。改定した理由は書き付けたものが見当たりません。大江先生の独断かも知れませんが、江戸末期には替え業も乱立した様ですから整理されたとも考えられます。
形(改定)
発声 イ-ヱ-イ
1、出合 1、拳取 1、絶妙剱 1、独妙剱 
1、鍔止 1、請流 1、真方
以上
*形も改定したとしています。古伝神殿傳流秘書の太刀打之事の改定と思われます
左側が大江先生の改定した形、右が古伝太刀打之事
1、出合・・・・1、出合
2、拳取・・・・2、拳取
          ・・・・3、請流
3、絶妙剣・・4、請込
4、独妙剣・・独創
5、鍔止・・・・5、月影
     ・・・・6、水月刀
     ・・・・7、独妙剣
6、請流・・独創、弛抜からか
     ・・・・8、絶妙剣
     ・・・・9、心妙剣
7、真方・・独創、打込の変形か。
     ・・・・10、打込
外之物之大事
1、行連 1、連達 1、追懸切 1、惣捲
1、霞 1、雷電
是等は古伝神傳流秘書に無いもので、英信流居合目録秘訣にある項目です。
「外ノ物とは常の表の仕組より外の大事と云う事也」と有ります。
福井先生の目録では此処では名称のみです。
古伝外之物ノ大事
1、行連 1、連達 1、追懸切 1、惣捲形十
1、雷電 1、霞八相
古伝は、業の解説又は心得を述べています。名称に少し違いが見られます。
上意之大事
1、虎走 1、両詰 1、三角 1、四角
1、門入 1、戸詰 1、戸脇 1、壁添
1、棚下 1、鐺返 1、行違 1、手之内
1、輪之内 1、十文字 
*上意之大事とは仕物等を言いつけられたりして必ず役目を果たす心得です。是も古伝英信流居合目録秘訣にある項目です。業の心得を述べています。業名は抜刀心持之事の業名です。手之内、輪之内、十文字などは新陰流の業を彷彿とさせます。
極意之大事
1、暇乞 1、獅子洞入 1、地獄捜 1、野中之幕
1、逢意時雨 1、火村風 1、鉄石 1、遠方近所
1、外之剱 1、釣瓶返 1、智羅離風車
以上
*是は英信流居合目録秘訣 極意ノ大事にある項目ですが、順番などに入れ違いがあります。福井先生が選択したか、伝書が違うのかも知れません。
参考に古伝英信流居合目録秘訣 極意ノ大事
1、暇乞 1、獅子王剱 1、地獄捜 1、火村風 1、逢意時雨
1、外之剱 1、鉤(釣)瓶返 1、鉄石 1、遠方近所 1、智羅離風車 1、居合心持肝要之大事付大小指違之事居合心立合之大事 1、太刀組附位 1、太刀目附之事 1、野中之幕 1、夜之太刀 1、閨之大事 1、泳之大事 1、獅子洞入 1、獅子洞出
右之条々深秘之極意也非真実之人者努々不可有相伝者也 貴殿多年斯道二熱心練磨之結果其之蘊奥二達セラルルヲ認メ爰ニ我英信流併而始祖重信流居合術ヲ全相伝候宜敷将来本流之品位ヲ堕ス事無ㇰ之ガ普及ヲ計リ漫ニ他流二媚ビズ以テ伝授ノ責ヲ全フセラレン事ヲ期セラル可シ
*右の条々深秘の極意也、真実に非ざる人には努々相伝有るべからずのもの也。貴殿多年斯道に熱心練磨の結果その蘊奥に達せらるるを認め、ここに我が英信流併せて始祖重信流居合術を全て相伝候。よろしく将来本流の品位をおとす事無く、之が普及を計り漫に他流に媚びず以て伝授の責を全うせられん事を期せらるべし。
以下は、伝系の名が付され発行の期日を記した奥書きになります。
気になる処が有りますので次回に廻します。

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