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2015年12月15日 (火)

曽田本免許皆伝目録その36福井春政先生の根元之巻1

曽田本免許皆伝目録

その36.第19代福井春政先生の根元之巻1
第20代河野百錬先生著「無双直伝英信流居合兵法叢書」昭和38年1963年再版より。
原文
正統第19代福井春政先生相伝書
昭和25年(1950年) 第20代 河野百錬に印可之巻

居合術根元之巻
抑此居合ト申者日本奥州林之従 大明神夢相奉伝之夫兵術者上古中古雖数多之違他侘流大人小人無力剛力不嫌合兵用云云 末代為相応之太刀尓云手近勝負一命有無極此居合恐者粟散辺土堺不審之儀不可有之唯依多夢処也 此始尋奥州林崎甚助重信云者因兵術望有之林崎明神一百有日令参籠其満暁夢中老翁重信告曰汝以此太刀常胸中憶持者得勝怨敵云云 則如多夢有得大利以腰刀三尺三寸勝九寸五歩事柄口六寸勝之妙不思議之極意一国一人之相伝也 腰刀三尺三寸三毒則三部尓但脇指九寸五分九曜五鈷之内証也 敵味方成事是亦前生之業感也 生死一体戦場浄土也 如此観則現世蒙大聖摩利支尊天加護来世成仏成縁之事豈有疑哉 此居合雖積千金不真実之人者堅不可授之可恐天罰唯授一人伝之云云

古語曰
其進疾者  其退速云云
此意以貴賤尊卑無隔前後輩不謂達其所作者許目録印可等無相違

又古語曰
夫百錬之構在則茅茨荘鄙与兵利心懸者夜自思神明佛陀祈者則忽得利方是依心済身耳燦然

流名
林崎無想流
            重信流
林崎夢想流

名称
横雲   深山には嵐吹くらし三吉野の
             花か霞か横雲の空
虎一足  猛き虎の千里の歩み遠からず
             行より速くかへるあし引
稲妻   諸共に光と知れど稲妻の
             跡なる雷の響き知られず
浮雲   麓より吹上げられし浮雲は
             四方の高根を立つゝむなり
山颪   高根より吹下す風の強ければ
             麓の木々は雪もたまらず
岩浪   行く舟のかぢ取り直す間もなきは
             岩尾の浪の強くあたれば
鱗返   滝津波瀬上る鯉の鱗は
             水せき上げて落つる事なし
浪返   明石潟瀬戸越す波の上にこそ
             岩尾も岸もたまるものかわ
滝落   滝津瀬の崩るゝ事の深ければ
             前に立添ふ岩もなきかな 
詰合 極意奥之事
1、発早 1、拳取 1、岩浪 1、八重垣 
1、鱗返 1、位弛 1、燕返 1、柄砕 
1、水月 1、霞剱
大小詰 大小立詰
1、抱詰 1、骨防扱 1、柄留 1、小手留
1、胸留 1、右伏 1、左伏 1、山影詰
1、〆捕 1、袖摺返 1、骨防返 1、鍔打返
1、蜻蛉返 1、乱曲 1、電光石火
大剣取
1、無剣 1、水石 1、外石 1、鉄石
1、栄眼 1、栄月 1、山風 1、橇橋
1、雷電 1、水月 
抜刀心持之事
1、向払 1、柄留 1、向詰 1、両詰
1、三角 1、四角 1、棚下 1、人中
1、行連 1、連達 1、行違 1、夜之太刀
1、追懸切 1、五方切 1、放打 1、虎走
1、抜打(上中下)
英信流
1、横雲 1、虎一足 1、稲妻 1、浮雲 
1、山颪 1、岩浪 1、鱗返 1、波返
1、滝落 1、抜打(真向)
大森の部(正膝)
1、前身(初発刀) 1、右身(左刀) 1、左身(右刀) 1、後身(当刀)
1、八重垣(陽進陰退) 1、請流(流刀) 1、介錯(順刀) 1、附込(逆刀)
1、月影(勢中刀) 1、追風(虎乱刀) 1、抜打
第十七代範士大江正路 第十八代穂岐山波雄 福井春政
研究協議之上改定スル所有リ口伝ス

奥之部(改定)
1、霞 1、脛囲 1、戸詰 1、戸脇 
1、四方切 1、棚下 1、両詰 1、虎走
1、行連 1、連達 1、惣捲 1、総留
1、信夫 1、行違 1、袖摺返 1、門入
1、壁添 1、請流 1、暇乞 1、暇乞 
1、暇乞
形(改定)
発声 イ-ヱ-イ
1、出合 1、拳取 1、絶妙剱 1、独妙剱 
1、鍔止 1、請流 1、真方
以上
外之物之大事
1、行連 1、連達 1、追懸切 1、惣捲
1、霞 1、雷電
上意之大事
1、虎走 1、両詰 1、三角 1、四角
1、門入 1、戸詰 1、戸脇 1、壁添
1、棚下 1、鐺返 1、行違 1、手之内
1、輪之内 1、十文字 
極意之大事
1、暇乞 1、獅子洞入 1、地獄捜 1、野中之幕
1、逢意時雨 1、火村風 1、鉄石 1、遠方近所
1、外之剱 1、釣瓶返 1、智羅離風車
以上
右之条々深秘之極意也非真実之人者努々不可有相伝者也 貴殿多年斯道二熱心練磨之結果其之蘊奥二達セラルルヲ認メ爰ニ我英信流併而始祖重信流居合術ヲ全相伝候宜敷将来本流之品位ヲ堕ス事無ㇰ之ガ普及ヲ計リ漫ニ他流二媚ビズ以テ伝授ノ責ヲ全フセラレン事ヲ期セラル可シ
天真正
林崎明神
初代 林崎甚助重信
(以下十八代穂岐山先生迄連記)
林崎夢想流
林崎神伝重信流
林崎神伝流
林崎無雙神伝重信流
右同一之名称也
昭和二十五年一月三日
無雙直伝英信流
第十九代正統宗家
居合術範士・柔道教士七段・従七位 
福井春政   花押
大日本武徳会 居合術範士
河野百錬 殿
*第19代福井春政先生は第20代河野百錬先生に昭和25年1950年に免許皆伝を伝授されました。
此の免許皆伝目録は、これまでに見てきたものとは、根元之巻はともかく、皆伝目録に違いが見られます。
次回以降に其れを考えて見たいと思います。

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