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2015年12月19日 (土)

 春来草自生

 書道教室の書初めの題材を出しました。
 「春来草自生」
この五文字を新春の書初めとして半切に縦書きしてもらいます。
北宋の景徳元年1004年に道原が編纂した禅宗の「景徳伝灯録」にある公案の一つ。
「兀然無事座 春来草自生」
兀然(こつぜん)として無事に座すれば、春来たりて草自ずから生ず
 自然の流れに逆らわずに、春が来れば自然に草が生える様に、ただじっと座禅すれば、その時が来れば自然に悟りが訪れる。直訳すればその様なものです。
 春が来れば自然に草が芽生えて来る、自然の摂理はそんなものでしょう、何もせずにじっと待っていればその時が来るのでしょうか。かと言って、いたずらに先を急いでみても、人の手で急がせてみても寒さに枯れてしまうでしょう。自然の摂理を蔑ろにした栽培方法も幾らでもあるでしょうが、人の手を借りなければ自立できないものになってしまうでしょう。
 秋が来て実を落としじっと養分を蓄え春が来て芽を出し、根を張り養分を吸い込んで茎を伸ばし葉を茂らせ、太陽を浴びて花を咲かせ蝶を呼び、実を結ぶ。
 時を待ち、やるべき時にやらなければ、うまくいく筈は無いでしょう。無為に遠回りするのもバカげていますが、近道したつもりでも、基礎が出来ていないために直に崩れてしまいます。
 おだてられ、背中を押されてやっては見ても、少しも楽しくなく、上達もままならない、果ては諦めてしまう。自分から進んでやって見た事でも、やって見れば同じ様な事で止めてしまう。
 さて、「春来りて草自ずから生ず」とは、焦らずに準備を整え未来に向かって踏み出していくことなのでしょう。其の道は自ら求めたものであれ、生まれた時からの定めであれ、おだてに乗ったものであれ「春来りて草自ずから生ず」でしょう。
 「うちの嫁は、幼い孫にあれこれ習わせようと無理やり子供の背中を叩いているのよ、「時期が来なけれダメ」と言っても、「小さいうちからやらなければ一流になれっこない」といって聞かないの」よい書初めの題だから正月に皆で書いてみよう」だそうです。
 手本は、一昨日磨ったまま墨池で乾燥させた墨に水を垂らし、淡墨を作って、超長鋒の羊毛筆をもってズル・ス-・ズルズルと行書で書いてみました。
 年明けの皆さんの作品が楽しみです。

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