« 幻を追ってその7中山博道先生の居合7比較の19抜付の1 | トップページ | 幻を追ってその7中山博道先生の居合7比較の21振冠り »

2016年4月17日 (日)

幻を追ってその7中山博道先生の居合7比較の20抜付の2

幻を追って
その7.中山博道先生の居合
7、比較の20抜付の2
 
*幻のコピー・香山会の幽芳録の鏡心録・居合読本、この三つの教書に依る抜き付けは、おおよそ同じと考えていいと思います。
  次の点に就いて現代の夢想神伝流や無双直伝英信流ではどのようであるか研究してみましょう。
 
1、刀を抜くには、両手を同時に股より静かに離し、左手は鯉口の下を、右手は右下より鍔に近く(五分程)柄を何んとなく緩やかに握り・・
全剣連の制定居合「前」:「・・静かに刀に両手をかけて鯉口を切り、腰を挙げながら刃を上にしたまま「鞘引き」とともに刀を抜出し・・」
*刀に両手を同時に掛けるように指導する処は多そうです。土佐の居合の方法だったかもしれません。
全居連の刀法「前切」:「左手刀に掛け鯉口を切ると共に右手柄に掛けるや、柄頭を対敵の人中胸元(乳の高さで対敵胸部中央)に付けながら腰を挙げつつ抜付けて行き、・・」
*左手母指で鯉口を切った時には右手が柄がかりする。「正座の前では、左手柄に掛け、鯉口を切り右手を柄に掛ける」右手の柄掛がやたら遅いのを見ますが之は意味のない間でしょう。
*右手が柄掛しやすい様にして左手で鯉口を切るや右手をかける位で丁度いい、何も同時に両手を膝から離すなど無駄な動きにしか思えません。土佐英信流では「左手が次の動きを準備し、自然に右手に渡ること」と云っています。その左手、右手の動作の間が短ければ良い筈です。
 
2、右足踵が左膝頭付近に来る様に踏みつくると同時に抜く、・・
全剣連の制定居合「前」:「・・両つま先を立てて鞘を左へかえし始め、「鞘放れ」寸前に刃を水平にし、腰を伸ばしてみぎ足を「踏み込む」と同時に敵の「こめかみ」めがけて激しく「抜つける」
全居連の刀法「前切」:「腰充分上がり両足爪先き立つや否や右足を踏み立てると同時に、切先鞘離れの瞬間、対敵の右上腕部又はその右頸部或いは右顔面より左に水平に斬り付ける。」
*「右足踵が左膝頭付近に来る様に踏みつくると同時に抜く、」はやって居るのを、夢想神伝流でも、無双直伝英信流でも見た事が有りませんがこれでは「右足を踏み出しつつ刀を抜き出し、刀を物打ちまで抜いた時は右足も左膝付近に踏み込まれている」事を意味します。
*抜き付ける際左足を稍々引いて刀を抜出す教えをされている平井阿字斎先生もいた様です、何の意味があるのか疑問です。河野百錬先生の動画にもそれらしきものが見えます。
 
3、刀の高さは右肩の高さにして、刀刃は水平よりも稍々下方に向ひ、刀尖は稍々下方にむかわしむ。
全剣連の制定居合「前」:「切先は右肩よりわずかに下げ、右こぶしよりやや内側で止める。」
*刀の刃の向きについて「水平よりも稍々下方に向ひ」は、夢想神伝流の山蔦・檀崎・紙本先生方の教書からは見られません。居合読本だけに見られます。
全居連の刀法「前切」:「斬り付けたる右手(拳)は我が肩の高さにて、正面正中線に対して右外45度位にあるを良しとする。刀刃が水平に右に向き、切先我が進行方向と平行に、切先稍々下るは可なるも余り下ったり上がったりしてはならない。」
*「刀刃は水平よりも稍々下方に向ひ」の教えを以ってそうでなければ斬れないと言われる先生もいます。その為に明らかに右手首を下に折って抜き付けています。これもやり過ぎは疑問です。
 
4、切尖は右乳の前方に位置し・・
全剣連の制定居合「前」:「切先は・・右こぶしよりやや内側で止める。」
*右拳の位置の解説が無いのは、右半身が強い為と思われます。右拳は進行方向に平行で切先は稍々内側でしょう。右こめかみから左こめかみへ斬り抜いた処で切先は留まるでしょうが、ぶつけて終る様に見えてしまいます。それでは斬り抜く事にはなりそうも有りません。
全居連の刀法「前切」:「切先我が進行方向と平行に
*「水平に斬り付けたる時、我が上体は正面に正対し・・」ですから体軸に45度の位置に右拳はあり、進行方向に刀は平行です。右肩の正中線に平行の線から20cmは斬り抜きます。引き切る事になります。
 
5、右六分左四分の兼ね合いで上半身は半身になる心持ちで(左の肩を引いて)抜き付ける。
全剣連の制定居合「前」:「・・上体は約45度左へ開き・・」
*左足先が右に向きやすいのですが、腰から下は正対し上体が45度の半身なのです。云うは易く行うは難しです。無双直伝英信流にも半身の教えで行っている処もあります。半身は下村派と云った大家も居られますが間違いでしょう。
全居連の刀法「前切」:「水平に斬り付けたる時、我が上体は正面に正対し・・」
*正対すると右拳が右に流れやすい、刀ばかりが進行方向に並行では間が抜けそうです。
 
全剣連の相手にぶつけて終る様な抜き打ちも、全居連の引き切る様な抜き付けも、疑問です。こめかみを切り抜いた場合と、首を斬り抜いた場合と、胸を切り抜いた場合と同じである分けは無いでしょう。
 目標を切り払った僅かな位置で留める位の技は否定されてしまいます。
 

|

« 幻を追ってその7中山博道先生の居合7比較の19抜付の1 | トップページ | 幻を追ってその7中山博道先生の居合7比較の21振冠り »

幻を追ってその7」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 幻を追ってその7中山博道先生の居合7比較の19抜付の1 | トップページ | 幻を追ってその7中山博道先生の居合7比較の21振冠り »