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2016年10月 2日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く始めに

曽田本その1
1、神傳流秘書を読み解く
始めに
「曽田本」について
 我々が今仮に「曽田本」と呼び、ミツヒラ先生の解読・解説による無雙直傳英信流・下村派第十六代・曽田虎彦先生が著し残された資料を、広く世に示せることとなりました。
 この「曽田本」は仮に第一部(その1)と呼ぶ、曽田虎彦先生が戦前・戦後に渡り収集された伝書・資料を御自身で筆写し解説を付した一冊。
 更に第二部(その2)と呼ぶ、曽田先生の師である下村派第十五代・行宗貞義先生からの教えと各業の手引きと解説。行宗先生の写真、新聞の切り抜き記事など居合と武道関係の資料スクラップ。更に表紙袋に中山博道、河野百錬氏等若干の書簡等が納められた一冊。の計二冊から成ります。
 元この「曽田本」は、曽田先生の御長男土居龍彦氏が保管・所持されていました。
 昭和46年1971年当時、無双直伝英信流・大田次吉門下の中田敏之さんが同じ職場で土居氏と知り合いでした。
 中田さんが大田先生の元に入門し居合を始めたことを知った土居氏から「自分の父、曽田虎彦から預かっている居合の資料を持っている、私は居合をやらないし、書いてある内容もわからないので、中田さんが持っていてくれないか」と託されて所蔵することとなりました。
 後日、このことを大田先生に問うと、「曽田虎彦先生は下村派の名人といわれる有名な先生だ」と教えられ中田さんはその資料の価値を知り、大切に保管することを助言をされました。
 「曽田本」の一部分はコピーをされて、山本宅治先生門下で大田先生の兄弟弟子である香川の岩田憲一、高知の竹嶋寿雄の両先生等にも参考として贈られたりもしています。
  その後40年余り中田さんにより保管されていた「曽田本」は、一時その行方が判らなくなり、処分されそうになるなど数奇とも云える経過を経て、現在は中田さんから更に託された同門の小林士郎が所蔵し保管するに至っています。
 さてその曽田本の内容ですが、小林は託される以前から全編をコピーさせてもらい読み取る努力をしていました。しかし曽田先生は明治の人です。残念ながら戦後生まれの小林等にはその内容を読み取る以前に、曽田先生が手書きされた文字そのものを十分に解読することが出来ないでいました。つまりこの「曽田本」は宝の持ち腐れ状態にありました。
 曽田本を保管する小林と無雙直傳英信流のミツヒラ先生はかねてより、門流は違いますが無雙直傳英信流の同流としての交流稽古会などを行う関係にありました。
 この度、そのミツヒラという正に人を得、その居合に対する深い御研究と知識による全編の解読のみならず、解釈と解説を加えより深い読み込んだといえる「曽田本・解(仮)」がここに成りました。
 この明らかにされた「曽田本・解(仮)」が広く居合人士のみならず武道修行者に読まれ、その居合や武道の修行に資する事は、泉下の曽田虎彦先生の御意志にも適うものと信じます。
                                            小林士郎
追)曽田先生御遺族の許諾も受けて。
 この序文は無双直伝英信流の大田次吉先生を偲ばれて「玉誠録 我等が師・大田次吉先生伝」の著者小林士郎先生に依りこの曽田本を世に出すに当たり書き込まれたものです。
 
 平成23年2011年12月18日の暮れも押し詰まった頃でした。小林士郎先生から送られてきた曽田本のコピーは、一目見て読み解くには難解でも、江戸期の文章なので読めさえすれば何とかなると取組みました。
 丁度良い事に翌年平成24年2012年の正月明けの1月23日に胃に癌があると云う事で、都立駒込病院に入院する事になっていましたので、これ幸いと手術後のベットの上で五体字類と、かな連綿辞典を片手に一週間ほどで読み終えて、1月31日に退院して、2月半ばから原文読み下しをブログにアップしました。
 原文だけでは戦後教育を受けた者には取付き難い事から、解説版を平成25年2013年から平成27年2015年にかけてアップしました。
 解説をするに当たり、現代居合だけでは理解し難い事も有ろうかと、門を叩かせていただいていた、古流の総合武術を理解されておられる尾張柳生の関東支部長赤羽根瀧夫・大介父子両先生の教えがとても役立っています。
 曽田本を手にしてから五年経ちます。何度も読み直しているうちに新たに判った読みや古流を学ぶ事によって得られた動作がもう一度最初から書かなければ終れないと背中を押してきます。
 今回は、原文のままの漢字カタカナまじりのもの、カタカナを平かなに置き換えたもの、現代語に直したものを「原文の読み」としてカテゴリー「曽田本神傳流秘書原文」に纏めて行きます、其れを前日にアップし翌日はその解説を「曾田本神傳流秘書を読み解く」として解説して行きます。
 原文は河野百錬先生の「無雙直伝英信流居合兵法叢書」に順番は略同じ様になる筈です。
 細川家から借りられた伝書による木村栄寿先生の「林崎抜刀術兵法 夢想神傳重信流 伝書集及び業手付解説」とは構成及び資料が異なります。
 此の二冊とも原本読み下しが中心ですが「曽田本神傳流秘書を読み解く」では持てる資料を駆使し、是まで学んだ事を基に解説して行きたいと思います。
 終了予定は定かではありませんが、平成29年2017年秋だろうと思っています。
 小林先生は現在御身体を壊され、この「曽田本神傳流秘書を読み解く」にあたり、「より深く読み解いてほしい」と、私に原本を委ねられました。
 原本は一時預かりとして、どなたかは判りませんが次の世代に繋いでいく積りです。
 是まで多くの先生方から、コメントでのご指導や、お手持ちの資料を惜しげもなくコピーしてお送りいただいたり、門前に立てば快く業技法をご披露頂いてきました。
 その一つ一つを大切に、無雙直伝英信流と夢想神傳流のルーツを今一度辿って見たいと思っています。
 目の前に置かれた曽田虎彦先生に依って収集され、メモを書き込まれ、戦火を逃れた曽田本が80年余りの歳月を経て「もっと読んで土佐の総合武術であった居合を伝えてくれ、居合は刀を抜くばかりの闘争技術では無い」とセピア色の角が朽ちた表紙の中から呟く声がします。
 平成28年2016年7月29日記 平成28年2016年10月2日アップ
 
 

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