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2016年10月10日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く1抜刀心持引歌3白鷺心

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
1、抜刀心持引歌
3)白鷺心
 居合太刀打共 白鷺心(ト云フコトアリ) 口伝 古歌に
思ふれと色に出に希り我が恋は
          ものや思ふと人のとふまで
数ならて心をば任せねど
          身に従ふは心なりけり
 居合太刀打共 水月の大事  口伝 古歌に
水や空空や水とも見えわかす
          通ひて住める秋の夜の月
おしなへて物を思はぬ人にさへ
          心をつくる秋のはつ風
 右の心にて悟べし我は知らね共敵の勝をしらする也其處水月
白鷺□習有べし 又工夫すべし
*読み解く

 居合や太刀合では、白鷺の心も大切で口伝がある、古歌に
 心の中に秘めていても、我が恋心は、もの思いに耽って居るなあ、と人には知られてしまう。
 心に身を任せていても、どちらかと云えば身に心が従ってしまう。白鷺の様に無心に水辺に立つことが白鷺心である。

 居合や太刀打では、水に写る月の様な心も大事である。
湖水に有るのか、空に在るのか、区別のつき難い澄んだ秋の月の様に。
 
 物を思うとも思えない様な人でさえ、秋の風にふと感じる様に、秋が来たとは眼には定かではないが風の音に秋を感じる、敵の心の動きを見分ける心を持つことだ。

 この様な心を悟る事、我は知らなくとも、敵がその心を知っていれば、敵に勝をもたらす事になる。
 其の心を以て水月、白鷺心の習いをするべきものである、又、工夫すべし。

 敵と相対し、間境における心持ちの教えでしょう、敵の心を映しとってここぞという瞬間に抜き打つ居合心など現代居合で教示された記憶はありません。
 「何時まで棒振りしているのだ、古伝を勉強せい」と諭されている気がします。 

 水月を歌ったものは幾つもある様です。

自ら澄めるものからうつるとは
               月も降らず水も昇らず
(柳生延春著 柳生新陰流道眼 )

うつるとも月も思はずうつすとも
              水も思はぬ猿沢の池
目には見えて手には取られぬ水の中の
              月とやいはん流儀なるべし
(田宮流百足傳 中川申一著 無外流居合兵道解説)

水月をとるとはなしに敵と我
              心の水に澄むにうつらふ
(妻木正麟著 詳解田宮流 田宮流歌伝口訣)
うき草はかきわけ見ればそこの月
              ここにありとはいかで知られん
(妻木正麟著 詳細田宮流 田宮流居合 歌之伝)

早き瀬に浮かびて流る水鳥の
              嘴振る露にうつる月かげ
敵をただ打と思うな身を守れ
              おのづからもる賤家の月
(笹森順造著 一刀流極意)

浦風や浪の荒磯の月かげは
              数多に見えてはげしかりけり
(阿部 鎮著 歌伝剣道の極意)

 

 

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