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2016年10月 8日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く1抜刀心持引歌2心水鳥

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
1、抜刀心持引歌
2)心水鳥
心水鳥
右の心は水鳥に気を付工夫有べし  古歌に
帆を掛て急ぐ小舟に乗らずとも
         行水鳥の心知るべし
水鳥の水に春めとも羽はぬれ須
         海の魚とて汐はゆくなし
*読み解く
 水鳥の心は、水鳥に気を配り、よく見て工夫するべきである。 古歌に
 帆を掛けて風をはらみ、船足早く行く小舟に乗って突き進むのではなく、水に浮かぶ水鳥の様に何事も無き様に水面を漂いながら水面下では足を使いながら目的に向って行く水鳥の心を知るべきである。

 水鳥が水に住んでいても羽が水に濡れる事はない、海の魚であっても同様に塩に浸されない様に、自然体で己を失わない事が肝要である。
 歌の意味から察するに和歌を嗜んでいたか、武術の極意の歌から引用されたか、荒井勢哲清信から伝授されたものか、でしょう。
 平常心を以て何時如何なる変にも応じられる心を歌っているのでしょう。
 習い始めた頃に古参の訳も分からない先輩から居合は、「古来より三呼吸の教えがある」と云って「二呼吸をして、三度目の息を吸い終わる頃に刀を抜き始める・・」とやっているでしょう。
 中には「機(気)充れば・・」とか言いますが、さてこれでいいのでしょうか、一方的な不意打ちならいざ知らず、居合は「何時如何なる変にも応じられる」ものであるならばこの教えは道に至る初期の教えであり、同時に常の稽古にも適用され、いざという時にも無意識になされるものであるべきです。そんな自覚も無く、敵が斬りつけて来るのにいつまでも二呼吸半ですか・・。
 
 話しは少し、ずれてしまいますが審査会や競技会で、敵を憎むが如き凄まじい顔つきで臨む心得違いを見る事が有ります。
 美しいご婦人ですと将に「般若」です。お聞きしますと、「敵は憎むもの」だそうです。また中には稽古不足を棚に上げ「気力でカバーしたら顔に出ましたか?」だそうです。
 これも、仮想敵を意識した居合を目指す、途中経過で陥る心得違いでしょう。
 
 他流にこのような水鳥の歌があればと思うのですがいくつか・・。
水鳥の行くも帰るも跡絶えて
         されども道は忘れざりけり
 
ただ見れば何の苦もなき水鳥の
         足に暇なきわが思ひかな
 
手は待に足は懸にてたゆみなく
         往く水鳥の心なるべし
(歌伝 剣道の極意 阿部 鎮)より
 

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