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2016年11月17日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く3大森流居合之事7順刀

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
3、大森流居合之事
7)七本目順刀
順刀(介錯のコト 曽田メモ)
 右足を立左足を引と一処に立抜打也又ハ八相二切跡は前二同し

読み
順刀(じゅんとう)
 右足を立て 左足を引くと一緒に立ち 抜き打つ也 又は 八相に切り 後は前に同じ
読み解く
 「跡は前に同じ」のところは前回の六本目流刀の納刀法について同じと言うのでしょう。
「刀をすねへ取り逆手に取り直し納る膝をつく」

 無双直伝英信流の現代居合では大森流は正座の部、七本目は介錯です。切腹者の首を討つ介錯として位置付けられています。

 この古伝「順刀」は、正座し右足を踏み立て、刀を抜き出し、左足を後方に引くと同時に刀を抜き上げ打ち込む、または八相に切る。

 安永五年1776年の林益之丞政誠による英信流目録大森流居合之位「順刀」
 「是は座している前のものを切る心持なり我其儘右より立すっと引抜かたより筋違に切也是も同じく跡はすねへ置き逆手に納る也」

 古伝は順刀を介錯の運剣動作としている様な文言はどこにもありません。口伝口授だったのでしょう。英信流目録の「順刀」にそれと無く介錯のイメージが浮かぶのは現代居合に慣れ親しんだ為かも知れません。
 順刀は大江先生に依って介錯と業名が変えられ正式な演武では演じてはならないと云われています、この事も古伝には触れられていません。

 介錯について、「介錯口傳」として英信流に伝わっている一説
 「古代には介錯を好まず其故は介錯を武士の役と心得べからず死人を切るに異らず故に介錯申付けらるゝ時請に秘事有り介錯に於ては無調法に御座候但し放討ちならば望所に御座候と申すべし何分介錯仕れと有らば此上は介錯すべし作法に掛るべからず譬切損じたりとも初めにことわり置たる故夫に非ず秘事なり能覚悟すべし」

 「他流にて紐皮を掛ると云う事仰向に倒るゝを嫌てひも皮を残すと云う説を設けたる見えたり当流にては前に云う処の傳有故に譬如何様に倒るゝとも失に非ず其上紐皮をのこすの手心何として覚るべきや当流にては若し紐皮かゝりたらば其の儘はね切るべしさっぱりと両断になし少しも疑の心残らざる様にする事是古伝也」

 無双直伝英信流正座の部七本目介錯
 「剣理:座したる我れの正面にて約四尺(約120cm)向うにて、左向きに座して切腹する者の首を斬る意也(罪人の斬首に非ざる事に留意すべき事)(切腹者の首の前皮一重斬り残す心地こそ大切也)。(当代の解説書による)」

 現代居合では、「正面に向きて正座、右足を少しく前へ出しつつ、刀を静に上に抜き、刀尖が鞘と離るゝや右足を後ろへ引き、中腰となり、刀を右手の一手に支え、右肩上にて刀尖を下し、斜の形状とす、右足を再び前方に出し上体をやや前方に屈し刀を肩上より斜方向に真直に打下して、前の首を斬る。」(大江・堀田著剣道手ほどきより)

 大江先生は介錯として伝承したのでしょう、然し紐皮を残す介錯については何もおっしゃっていない様です。
 昭和13年の河野先生の「無双直伝英信流居合道」にはこの介錯について、5ページ以上に渡って解説されています。そこでは「右手を中心とする手の裡の作用にて、皮一重の辺りにて刀を留むる心持にて行うべし」とされています。
 この介錯理論は、中山博道先生の居合を書かれた太田龍峰先生の「居合読本」に依るものでその理論を河野先生は自流の教えを知らずに取り込んでしまったものです。この河野先生の間違った教えが無双直伝英信流に広まったのでしょう。
 古伝は紐皮を残す様な斬り方は、人の首で稽古できるわけも無く気にするなと言っています。

 この神傳流秘書にある「順刀」を「介錯の仕方」として読む事は出来ません。何故ならば右足を踏み出し、左足を引くや刀を抜いて抜き打っています。此の動作は「後の先」の見事な抜打でしょう。どこかで変化してしまったとしか思えません。

 古伝神傳流秘書の大森流之事二本目「左」も現代居合と異なる手附けです。読み直してみます。
「左刀:右の足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震して立時足を前之左の足へ踏み揃へ左足を引て納る 以下血震する事ハ足を立替へ先踏出したる足を引て納る也」

 左刀は正面の敵に左足を踏み込んで抜き付けています。現代居合は左脇の敵に左回りして左足を踏み込んで抜き付けています。

順刀(介錯のコト 曽田メモ)
 右足を立左足を引と一処に立抜打也又ハ八相二切跡は前二同し
 順刀の何処が介錯刀なのでしょう。大森流に介錯の仕方を教える意味があるのでしょうか。土佐の居合の幻が「よく考えろ」と語り懸けてきます。

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コメント

膨大な資料・・・感服いたします。
土佐の流れ(大田次吉伝)没後三十三回忌を無事終え、兄弟弟子が集まるのも終わりだね・・・と話していた所、大田の名前で知らない人達が結構沢山活動しているよネ?どうしたものかと話が出ましたが、特段何をやるでも無く解散致しました。生き残りで私が一番若く(62歳)大田を名乗る方々の何かの足しにでもなればと、you tubu に「英信流居合術研究会」の名前でUP致しました。本来ならば介錯は人前ではやりませんが、時代が時代ですし、皆様とは極端に違っておりますので3本目に介錯を入れておきましたので、何かの参考になれば幸いです。 

https://youtu.be/-yny8oJyYm4

                       敬具

山本隆歳さま
コメントありがとうございます。
youtube拝見いたしました。
参考にさせていただきます。
       ミツヒラ

投稿: 山本隆歳 | 2016年12月16日 (金) 18時48分

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