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2016年11月 5日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く3大森流居合之事1初発刀

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
3、大森流居合之事
1)一本目初発刀
初発刀
「右足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震し立時足を前之右足へ踏み揃へ右足を引て納る也」
読み
初発刀(しょはっとう)
 右足を踏み出し向うへ抜付け 打込み  扨 血振るいし 立つ時足を前の右足へ踏み揃へ 右足を引いて納める也
* 
読み解く
 大森流居合は正座による居合と教えられていますが、どこにも其れらしき事は書かれていません。

 嘉永五年1852年に第15代谷村亀之丞自雄によって書写された、安永五年1776年に書かれた第12代林益之丞政誠による英信流目録の大森流居合之位によれば初発刀は次のように書かれています。
 「平常の如く坐し居る也右の足を一足ふみ出抜付討込亦左の足を出し右の足に揃え血ぶるひをして納むる也血ぶるひの時立也右を引納る也」

 ここにある、「平常の如く坐し」がこの業の座仕方でしょう。
  正座の座仕方が平常の如くと言えるかどうかですが、江戸時代の武家の作法に小笠原流が取り入れられ立膝や胡坐を正座に改められた、元禄時代頃の様ですが作法の歴史に詳しい方にお譲りしておきます。

 初発刀は正座に座し、右足を踏み出すや正面の敵に横一線に抜き付け、上段に振り冠って真向に打ち込み、さて、血ぶるいし立つ時、踏み出した右足へ左足を引き付け、踏み揃え、右足を後方に引いて納刀する。

 何時、どのような状況の時に「抜付け」るのかもありません。「敵の害意を察して抜き付ける」と現代居合は無双直伝英信流も夢想神伝流も指導されますが、敵であることが明らかであれば、或は使命を帯びたものであれば一方的な抜き付けもあり得るでしょう。
 正座に坐し、二呼吸半で刀に手を懸けるのは、稽古の方法であって、何時如何なる状況下でも応じられなければ役に立ちません。

 「向う」は正面ですから正面の敵に抜き付けるで良いでしょう。「打込み」とはどのようにするのでしょう、「血ぶるい」についても方法が書かれていません。口伝口授によるものだったのでしょう。
 古いものでは万延三年1860年下村派の下村定が書き細川義郷が写した「童蒙初心之心持」に詳しく書かれていますが、神傳流秘書の時代から100年経って居ます。「童蒙初心之心持」の方法は現代の無双直伝英信流の抜付け、打込みと同様と思われます。
 抜刀心持引歌で云う処の形で、多少半開半向の三角の曲尺による抜き付けであり、真向打ち込でしょう。
 血ぶるいも現代の方法と変わらず、右手を肩上に取って刀を圓を画く様に右下に振り下すものです。
 納刀も右手を前に出さず横に取らず上から落とさず中和を良しとするとあります。(木村栄寿先生の林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流より)

 血ぶるいの時、立ち上がって右足に左足を引き付け踏み揃えるのは、現代の夢想神伝流では、左足の右足への引き付ける動作にタイミングのズレがあるようです。足の踏み替えですからタイミングをどうすべきかは残心の考え方によりそうです。

 

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