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2016年11月15日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く3大森流居合之事6流刀

曽田本その1
1.神殿傳流秘書を読み解く
3、大森流居合之事
6)六本目流刀
流刀(流討共言 曽田メモ)
 左の肩より切て懸るを踏出し抜付左足を踏込抜請に請流し右足を左の方へ踏込み打込む也扨刀をすねへ取り逆手に取り直し納る膝をつく
読み
流刀(りゅうとう)(流討(ながれうち・りゅうとうとも云う 曽田メモ)
 左の肩より切って懸かるを 踏み出し抜き付け 左足を踏み込み 抜き請けに請け流し 右足を左の方へ踏み込み打ち込む 扨 刀を脛へ取り逆手に取り直し納める 膝を着く
読み解く
 この手附を何度も読み直し、イメージを浮かべるのですが「・・踏出し抜付左足を踏込み抜請に請流し」で先ずつまずき、次の「右足を左の方へ踏込み打込む」で再び戸惑います。

 古伝は元々抜けだらけです、現代居合の無双直伝英信流や夢想神傳流、剣連の制定居合などに捉われずに稽古したいのですが、どうしても邪魔します。
文章に従ってやってみましょう。

 座して居る処、左肩の方から敵が斬って懸るのを、刀に手を掛け爪立つや左膝を浮かして、左足を少し前に踏み出し、刀を抜き出す、敵が斬り込んで来るや左足を更に踏み込み抜請けに顔面頭上で敵の刀を請け流す、請け流されて態勢を崩す敵に左足を向け、右足を左の方に敵に向け左足に踏み揃え敵の首に打ち込む。
刀尖を膝下脛に取り右手を逆手に持ち替え納刀、納刀と同時に膝を着く。

 演武では正面向きであろうと、右向きであろうと、右45度に座すであろうと、兎に角左側から敵が打込んで来るのを請け流すのです。
 右足の踏み込むタイミングは、一旦右に踏み出し、次に左の足に踏み揃える様に現代居合は指導されますが、此処では座した右足の位置の儘左足を体前に踏み込んで、敵の刀を請け、左下に請け流し、右足を左足に踏み揃える様に踏み込み同時に左足先も左に流れる敵の体に向け、踏み揃え打ち下す。

イメージは体を躱しつつ受け流すのでしょう。古流剣術に見られる流れる様な円運動に依る筋変えによる請け流しです。

安永五年1776年の林益之丞政誠の英信流目録大森流居合之位流刀六本目流刀
「是は座し居る処へ左横脇より討かかり来る也其時我は左の足を立少々前へふみ出し横に請流す心持にて其儘右の足をふみ出し筋違いに切り跡はすねへ置き柄を逆手に取直し納むるなり」


 この英信流目録は古伝神傳流秘書の流刀の動作とほぼ同じでしょう。現代居合が忘れている動作で、左身で敵刀を請け当り拍子に、右身に筋を変わって請け流すのでしょう。
納刀は「刀をすねへ取り逆手に取り直し納る膝をつく」ですから斬り下した刀を左足を引いて右足膝下に切先付近を着けて、右手を逆手に取り直して、左手で鯉口を握り、切先を下から廻して鍔元6、7寸の処を鯉口に運び、柄を右斜め前に運び切先が鯉口に入るや逆手のまま納刀しつつ左膝を床に着いて納刀する。

 此の処は口伝口授で古傳の何処にも解説されたものは有りません。土佐の居合の残心には、この逆手納刀や大きく右手で円を描く血振り、絹を裂くような横血振り、クルリストンと落とし込む納刀、立膝の納刀時の右足の引きを大きく半円を描く、など大見得を切る動作が伝わっています。
 何のために大見得を切る必要があったのかは判りません。一連の動作の中でさりげなくやれば美しい残心です。勝ち誇った者の自己顕示の表われでしょうか、華麗にやればやる程下品に見えてしまいます。

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