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2016年12月 1日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く4英信流居合之事2虎一足

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
4、英信流居合之事
2)二本目虎一足
虎一足
 左足を引き刀を逆に抜て留め扨打込ミ後前に同し
読み
虎一足(とらいっそく)
 左足を引き 刀を逆に抜きて留め 扨 打込み 後 前に同じ

読み解く
 現代居合では、敵が我が右足に薙ぎ付けて来るのを、敵刀を受け払う気持ちにて受け止め、上段に振り被って真向に斬り下す、と無双直伝英信流も夢想神伝流も教えています。
 相対して立膝に座す敵が、同じく座す我が右足に抜き付けてくる想定は疑問です。立って攻め込んで来る敵であれば右足などに斬り付けるわけも無さそうです。
 敵の害意を察して刀に手を掛け抜出しつつ腰を上げる処、敵は我が右足に抜きつけてくるならば解かります。
 
 立膝ですから腰を上げれば右足は左足より前ですから右足に抜きつけられたならば、右足を引いて外すこともできます。
 古伝は「左足を引き」ですから右足は誘い足となります。或は、敵が我が右肩に斜めに斬りつけて来るので、左足を引いて外したが右足に流れて来るので、之を受け留める事も出来そうです。
 しかし、次の「刀を逆に抜きて留め」がとても気になります。口伝口授の秘められた失伝した奥義でしょう。

 柄口六寸の奥義を思い描くならば、相手が刀の柄に手を掛け抜き出さんとする右小手に我は左足を引いて刃を下向きに返して抜き付け、上段に振り冠って真向に打ち下ろし、刀を横に開いて納刀する。これが古伝であったかも知れません。

 この業は、神傳流秘書にある詰合の一本目「発早」に見られる動作に類似します。この辺りの動作に古傳の奥義が潜んで居そうです。組太刀を申し合わせの形としてしか理解出来ない人には何も得られない仕組みです。
 大森流(正座の部)八重垣の受払の動作とも類似します。
 詰合の一本目発早を読んでみます。
「楽々居合膝二坐したる時相手左の足を引下へ抜付るを我も右の足を引て虎の一足の如く抜て留め打太刀請る上へ取り打込ミ勝也」


 詰合の一本目発早では、双方居合膝に坐す。相手が刀を抜きつつ腰を上げ抜き付けんとするので、我も刀を抜きつつ腰を上げるや、相手が左足を引いて我が出足の右足に抜き付けて来る、我も左足を引くや相手の抜き付けを受け払う、我は即座に左足膝を右足踵に引き付け上段に振り冠って真向に打ち込み勝つ。相手は物打ちに左手を添え顔前頭上で我が打ち込みを受け負けを示す。

 この古伝の業は現代居合の技法では、思いは達せられそうも無い様な気がします。詰合之発早の手附を古伝の虎一足の稽古の形とも思えますが、それはそれで、相手の抜き付けんとする柄手に逆刀で抜き付け制する、失念した柄口六寸が気になって仕方がありません。

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