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2016年12月 9日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く4英信流居合之事6岩浪

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
4、英信流居合之事
6)六本目岩浪
岩浪
 左へ振り向き左の足を引刀を抜左の手切先へ添へ右の膝の外より突膝の内に引後山下風の業に同
後山下風の業に同じ
 浮雲に同じ・・読み
岩浪(いわなみ)
 左へ振り向き 左の足を引き刀を抜 左の手切先へ添え 右の膝の外より突く 膝の内に引き 後山下風に同じ。  
参考
 後同前但足は右足也 浮雲と足は相違也
浮雲:・・抜付左の手を添へて敵を突倒春心尓て右の足上拍子に刀を春ねへ引切先を後へはね扨上へ冠り膝の外へ打込ミ後同前又刀を引て切先を後へはね春して取りて打込事も有
 切先を後へはね上へ冠り(膝の外へ打ち込み)後同前 又刀をはねずして取りて打込む事も有り
但足は右足也 浮雲と足は相違也切先を後へはね上へ冠り(膝の外へ打ち込み)後同前 又刀をはねずして取りて打込む事も有り 但足は右足也 浮雲と足は相違也
読み解く
 六本目の岩浪は敵は左脇に座しますから左身となります、敵が我に仕掛けんとするのでしょうか、それとも我が一方的に仕掛けるのでしょうか、ここも敵の仕掛けようとする動作は何も書かれていません。
 敵の怒りに満ちて殺意を含む言葉でしょうか。
 敵が刀に手を掛け抜かんとするのでしょうか。
 敵が我が方に乗り出して我が柄を取らんと手を伸ばすのでしょうか。
 敵が我が左手を掴んで我を制しようとするのでしょうか。
 それとも我れが一方的に敵に仕掛ける闇討ちでしょうか。 
 現代居合は、「敵の害意を察して機先を制する」と曖昧です。

 我は、立膝に座し、我が左に同じく立膝に座す敵が、我に害意を持って仕掛けんとするのを察し、刀に両手を掛けるや腰を上げ左足爪立ち、右足を軸に左廻りに左に振り向き、敵に対するや左足を後方に引くと同時に刀を抜出し、切先鯉口を出るや左手拇指と食指で切先に添え、切先を持つ左手甲を右膝外に付け、反動をつけて左膝を床に着くや敵の胸部を刺突する。
 左手を刀の棟に添え、右足を右に踏み開き刀を右足の内側に引く様にして敵を引き倒す。 刀を撥ね上げ上段に振り冠り右足を踏み込んで引き倒した敵の胴に斬り下ろし横に開いて右足を引いて納刀。これが大概の現代居合の岩浪でしょう。

 古伝は、敵に対し、我は刀に両手を掛けて左廻りに敵に向き、左足を引くと同時に抜刀するのです
 この運剣動作は、現代居合の夢想神伝流では、座した方向の後に左足を引いて刀を抜出し、左膝を着いて90度左に廻って敵に正対して刺突して居ます。同様に無双直伝英信流もその様です。
 無双直伝英信流山内派では「刀に手をかけ腰を浮かし左足を右足元に寄せ爪先を立て刀が相手に見えぬ様体に近く右方に抜く・・」と云う抜き様です。山内派と云っても大江先生の指導によった筈ですから、何処かで動作を変えてしまったのでしょう。

大江先生の岩浪
 右に向き、左足を後へ引き、刀を体前に抜き直に左手にて刀尖を押さへ、右膝頭の処へ着け、左足を右足に寄せ、体を正面に直し・・」ですから山内派の抜刀所作ではありません。
 山内派は「同一方向に列している左側の彼に対し知られざるよう刀を抜き突如其の方向に向き直り胸又は腹を突き・・」これでは、お殿様の闇打です。

 何れにしても、現代では、どの師伝でも、我が左に座す敵の害意を察知し、其の方に向き直ってから抜刀する事は無く古伝の動作は失念した動作でしょう。
 然し、古伝は、左に座す敵の方に振り向いてから左足を後方に引いて抜刀し切先を反転させて突き込むのですから、現代居合の奥居合居業の両詰を思い浮かべます。稽古をして、その理を得て見る事も良さそうです。

 無双直伝英信流正統正流では、左に座す敵が我が方に振り向き我が柄を取らんとするのを、刀に手を掛けるや、腰を上げ、爪先立つや後方に左足を引いて、刀の刃を上向きにしたままスッと抜き出し、敵の攻撃を封じてしまう、我は左に反転し敵を刺突する。

 夢想神傳流では、敵は右向きに坐したまま、始動しない前に右脇腹を刺突されます。敵は、所謂不意打ちをされるのでしょうか、動作に現れない害意に応じるには、素早い状況判断と、的確な動作が求められます。

 

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