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2016年12月 5日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く4英信流居合之事4浮雲

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
4、英信流居合之事
4)四本目浮雲
浮雲
 右へ振り向き足を踏みもぢ彳腰をひねる抜付左の手を添へて敵を突倒春心尓て右の足上拍子に刀を春ねへ引切先を後へはね扨上へ冠り膝の外へ打込ミ後同前又刀を引て切先を後へはね春して取りて打込事も有
読み
浮雲(うきぐも)
 右へ振り向き足をふみもじ彳(踏み込んでとまる) 腰をひねる抜き付け 左の手を添えて敵を突き倒す心にて右の足上拍子に刀を脛へ引き切り 切先を後へ撥ね 扨 上へ冠り膝の外へ打ち込み 後同前 又 刀を引きて切先を後へ撥ねずして取りて打込む事も有り
彳は、ぎょうにんべんですがチャク、とかテキとかの読みがあります。意味は「ついと前に進み出る、少し歩いては止まること、佇む」などを意味します。
 この業は、イメージが湧いてきません。恐らくこれだけではどのようにしたらいいのか見当がつかないほど抜けだらけなのでしょう。

読み解く
 現代居合の浮雲のテキストをベースにしてその上に古伝を乗せて見るばかりです。使われている言葉がまずわかりません。「もぢり」は捩る、振り向いて足を絡めるでしょう。
 「彳」はてき、ちゃく、意味は「ついと前に進み出る、佇む」。右へ振り向き足を絡めるようについと左足を踏み込み止めて、腰を左に捻り抜き付ける。
 左手を刀に添えて敵を突き倒す心持で、・・「右の足上拍子に」は意味が解りません。・・
 右足を右に踏む拍子に敵を右足の方に付き倒す様に引き切り倒し刀を右足脛に引き付ける。
 敵を引き倒すや刀を後ろに撥ね、上段に振り冠って、左膝の外側に相手の胴(首)に打ち込んで右に開いて納刀する。
 又は、刀を右足脛へ引いて相手を突き倒しそのまま相手を引き切って、切っ先を撥ねずに右より上段に振り冠って左足外に相手の胴(首)に打ち込む。
 

 何とか現代居合の浮雲が下敷きになって解読できたようですが、今一つ「上へ冠り膝の外へ打込み」が理解できずにいます。
 左膝外としたのは、右足の方に相手を引き倒したので、右膝外には相手の体は無いと見たのです。
 相手を引き倒すにあたり、刀を右足脛まで引き込んでも相手の体は左足外側までしか倒れこまないので、反撃される前に左足外に打ち込まざるを得ないのかもしれません。少々ドラマの見すぎでしょうか。想像力のなさでしょうか。
 左足で相手の袖、腕、肩を踏みつけ動かないようにして切りつけるとか・・・??。あれやこれや、らしき御説もある様です。
 この左足外の打ち込みは、解説抜きでこの流の居合はどこでも素直にやっていて愉快です。 

 この浮雲の現代居合の意義は河野百錬先生は「横に坐す右側二人目の敵が我が刀の柄を取らんとするを、外して敵の胸部に斬込み、右に引倒して其胴に斬下して勝つの意也」
(昭和17年1942年居合道図譜より)

 三人居並ぶ文言は大江先生・堀田先生共著「剣道手ほどき」の付録にある浮雲に括弧書きに追記の形で書かれていますが、動作にその必要性は見られません。
「・・・敵を引き倒し、直ぐに刀を肩上にかざし、上段にて正面に直り左斜めを斬る、此時膝頭外にて両手を止む、血拭ひ刀を納む。(敵三人並び一人の敵を置き先の敵を斬る時)

 神傳流秘書には三人である事は読み取れません。この英信流之事では、一本目から十本目まですべて一対一の攻防です。あえて四本目の浮雲を三人の攻防とする意味はあるのでしょうか。
 林六太夫守政以後の誰かが三人として、それらしく演じたのかも知れません。左膝外への打ち込みも疑問ですがそれ以上です。

 中山博道先生が谷村派の第16代五藤正亮の弟子森本兎久身に指導を受けて浮雲は「右側面に坐せる敵が我が刀柄を握ろうとする・・左足を僅かに右に踏み着けると同時に斬り下す。」(左膝外に斬り下しています)。

 先師の教えをいじくり廻した大家も左膝外に切り下す、之だけは守っているのが愉快です。
イチャモンつけずに教えられた通りやっていれば、何かひらめくことがあるかもと今日もそうしています。
 

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