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2016年12月29日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く5太刀打之事5月影

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
5、太刀打之事
5)五本目月影
月影
 打太刀冠り待所へ遣方右の脇に切先を下けて構へ行て打太刀八相二打を切先を上て真甲へ上て突付て留め互に押相て別れ両方共車二取り相手打をはつす上へ冠り打込ミ勝
読み
月影(つきかげ)
 打太刀冠り待つところへ、遣方右の脇に切先を下げて構え行きて 打太刀八相に打つを 切先を上げて真甲(向)へ上げて突き付けて留め 互に押合いて別れ両方共車に取り 相手打つを外す 上へ冠り打込み勝つ

読み解く
 此の業名月影は大江先生に依って、無双直伝英信流正座の部九本目月影として盗用されてしまったものです。正座の部は神傳流秘書の大森流之事九本目勢中刀です。
 この手附に従って打つのは間と間合いの在り様を心得る必要があります。遣方は前回の請入で中央から青眼の構えで五歩退き元の位置に右足前で立つ。打太刀は其の儘青眼に構え、遣方が元の位置に立つや、右足を引いて八相に構える。
 遣方は、右足前の儘、下段に切先を下げ、切先を右に右下段に構える。右下段の切っ先は相手左膝に付ける心持でしょう。

 遣方スカスカと間合いに踏込むや打太刀八相に遣方の左面を打って来る、遣方切先を上げ、打太刀の真向へ付き付ける様に突き込んで打太刀の打ち込みを留め、互に拳を合わせ押し合い後方に別れ双方とも車(脇構え)に取る。
 この脇構は幾つかの形が有りますが、特に指定されていません。しっかり相手に刃を見せて構え瞬時に斬り込める体勢を作るのを学んで見たい所です。
 打太刀が遣方の出足を車から斬って来るのを左足を引いて外し、上段に振り冠って打太刀の真向に打込み勝。ここは上段に振り冠る様な無駄な動作はせずに、車から八相に打つのもいいかも知れません。

曽田先生の谷村、五藤先生の業附口伝の月影
 「是も同じく抜て居る也相懸りにても敵待ちかけても不苦敵八相にかたきて待ちかくる也敵八相に打処を出合て互に押合又互に開き敵打込む処を我左足を引き立直りて打込み勝也」

 大江先生は此の月影を鍔留の名称に改変し、打太刀青眼からの真向打ちを、遣方は下段から上段に振り冠って物打で真向相打ち、拳で押合い脇構えに取り、打太刀の出足への打ち込みを遣方は出足を引いて外して真向に打込みます。
脇構えから、打太刀は一旦上段に振り冠って遣方の出足を身を低め斜めに斬り付けます。
 遣方も車から上段に振り冠って真向に打込みます。古伝は明らかに打太刀の八相で左面もしくは左肩への打ち込みを右下段から遣方は打太刀の喉を突く様にして摺り上げて留めています。打太刀の打込みが厳しい場合は、摺り落ちて鍔によって請け止める事も有ろうかと思います。

 即座に双方踏み込んで、拳を合わせ押し合う拮抗した状況を打太刀の押して引くに応じて、双方脇構えになり、打太刀は即座に踏み込んで遣方を攻め、遣方はそれを外して討ち込むすさまじい業です。
 大江先生がこの月影の双方の出合いで真向打に替えたのは中学生に古伝は危険と判断されたのでしょう。

 「遣方右の脇に切先を下けて構へ行て打太刀八相二打を切先を上て真甲へ上て突付て留め」ですから此の方が緊迫感があり八相に打ってきますから遣方の右脇下からの突き上げに依り十文字摺上げに出来るので大いに稽古すべきと考えます。

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