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2017年1月22日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書を詠み解く6坂橋流棒2太刀合之棒1脛砕

曽田本その1
1.神傳流秘書を詠み解く
6、坂橋流棒
2)太刀合之棒
一本目脛碎
脛碎(スネクダキ)
 相手高山遣方棒を左の手尓て持居る処へ相手打懸る処へ右の手尓て棒を逆手耳取り下を上二亭合せ又一方に亭脛をなぐ又打込を此度ハ右を後へ引左身二亭如前下を上二亭合せ脛をなき扨水車耳取り廻し追込み扨相手より又打込を我右身ならば下二春るを棒の先を面耳突付る心にて合せ勝也
読み
脛碎(すねくだき)
相手高山 遣方棒を左の手にて持ち居る処へ 相手打ち懸かる処へ 右の手にて棒を逆手に取り下を上にて合せ 又 一方にて脛を薙ぐ 又 打込を此の度は右を後へ引き 左身にて前の如く下を上にて合せ脛を薙ぎ 扨 水車に取り廻し追込み 扨 相手より又打込を 我れ右身ならば下に張るを 棒の先を面に突き付ける心にて合せ勝つ也
読み解く
 業名の始めの一字が読めません。月偏に旁は布です。二本目は腰車、三本目が小手上・・と順次上に上がっていますから、「脛」すねくだき「脛碎」でいいのでしょう。河野先生の無双直伝英信流居合兵法叢書では「脛砕」です。

 この「太刀合之棒」も坂橋流棒なのだろうと思います。
坂橋流の棒と棒の「棒合」の次で、太刀と棒に依る「太刀合之棒」ですから相手は太刀で遣方は棒での攻防です。

 相手は太刀を高山(上段)に構えています。
 遣方は「棒を左の手にて持居る処へ」ですから、棒中を左手で持って自然体で立つと思うのですが、次の「相手打懸る処へ右の手にて棒を逆手に取り」なので、此処は棒合と同様、左手で杖の様に突いて左足をやや前に半身に立ちます。

 相手高山から遣方の左面に打込んで来る。
 遣方、右手を逆手にして左手の下方に持ち、右肩から廻して棒の下を上にして相手の打ち込みを右足を踏み替えて合わせる。

 「又一方にて脛をなぐ」は、左手を後ろに引いて左肩から棒を廻し棒の上を下にして左足を踏み替え相手の右足脛を薙ぐ。

 又、相手右面に打ち込んで来るを、左手を其の儘右手で棒を後ろに引いて右から廻し棒の下を上にして右足を踏み替え右半身(左身)になって相手の打ち込みを張る。
 即座に左手を引いて棒を左肩から廻し左足を踏込み相手の左脛を薙ぐ。

 扨、引く相手を、棒を水車に取り廻し追込んで行く、相手態勢を整え真向に打込んで来るのを、我れ右身であれば「下にするを」は棒の先を少し下げておいて棒の先を相手の面に突き付ける心持で突き上げて合わせ勝。

 坂橋流の「水車に取り廻し」はどの様にするのか不明です。頭上で水平に廻す、正面で縦に廻す、右片手で8の字に廻す。
此処は水車ですから縦に廻すのが手附に従う事かも知れません。

 この太刀合之棒についても第12代林益之丞政誠による安永5年1776年の英信流目録に残されています。原文のまま掲載しておきます。

英信流目録居合棒太刀合之巻 棒太刀合之巻一本目脛碎
 「是は敵は太刀を上段にかむり我は左の手にて棒の中を持杖に突き楽々立合也敵ふみ込おがみ討に打所我は右の手にて棒の上のはしを逆手に取り右の足を一足引き右の手を下へさげ棒の下たのはしを太刀へ合せ右の足を一足ふみ込み右の手にて持ちたるはしにて敵の左の脛を打ち先をさげ左の手を上へあげ討也
敵亦討所をさげておるはしにて太刀をはね躰をかわり左の手にて持たるはしを敵の左の脚へ当て我も左の足をふみ込み棒を跡へくり出し車の如くかまえる也
其の所を敵我が足を片手にてなぐる也
それより水車を廻し追込む也
但し棒は右で二つ左で二つづつ廻していくつも廻し行うく迄追込む也
右の手の行たる時追い留り候えば(?)敵拝み討に打所を下たより棒の先にて拳をはね上げ亦我も其儘棒の先にて拝討に打なり
敵其所を請て我が棒の先を左の手にてとり右の手にて持たる太刀を我がみけんへ討也
我其所を左の片手にて棒を上へさし上げ右の手にて棒の前えより敵の右の手首をとり棒を前へおし手を我が方へ引きかためる也
俗に云棒しばりなり
亦左の手が先へ出てくる時追當りたれば先をさげ持て敵討所を真見合へ棒の先をさし付右の手を下げてかためる也」


 英信流目録の太刀合一本目は脛碎ですが、神傳流秘書に初めは同じようなものですが、水車の廻し様は「右で二つ左で二つづつ」の様に幾つも廻して追い込んで行く、廻し方は右、左持ち替えなのか、両手で廻し右廻り左廻りか口伝でしょう。廻す位置も頭上か正面か左右脇か・・?。
英信流目録では棒縛りの技が加わっています。
 是は棒術の各流派に伝わっている、普通の技法でしょう。
 我、真向に拝み討つと相手たまらず棒を左手で掴んで、右手で太刀を振り下して来るのを左手を差し上げて相手の腕を留め右手で相手の腕を取って棒を押し、右手を引き込んで「棒しばり」にする。
 棒しばりにしないで神傳流秘書の様に面(眉間)に突き込むのも伝えています。
 業は他流を取り入れたり、新たな発案により進化する見本のようなものです。

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