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2017年1月10日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く6坂橋流棒1棒合添え書き

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
6、坂橋流棒
1)棒合 添え書き
棒合 
是者坂橋流之棒也ト言
 「是は坂橋流之棒の棒と言う」と添え書きが施されています。
 土佐の居合は総合武術だったと言えるその一つが棒術です。槍・薙刀は神傳流秘書にはありません。
 居合術の発生が戦国末期であり、立合いの剣術とは異なる居合術という刀法を林崎甚助重信公が編み出したわけで、本来居合術には抜き付けばかりでは無く柔術なども付属していたかもしれません。他の武器に依る術は、当時のものを嗜めば事足りていたと思われます。
 神傳流秘書に書き込まれた棒術は「坂橋流之棒」であると添え書きされて居ます、此処では棒と棒の攻防を「棒合(ぼうあい・ぼうあわせ)」としています。棒と太刀の攻防を「太刀合之棒(たちあいのぼう)」としています。
 恐らく、第九代林六大夫守政が江戸勤番の折り居合と共に習い覚えたものでしょう。「坂橋流」の棒に就いては資料も無く不明です。
 南山大学の榎本鏡司教授による「北信濃における無雙直伝流の伝承について」の論文の中に「無双流和棒縄居合目録」天明三年1783年大矢蕃昌編述・滝沢登愛所持による資料に「棒目録」として、この土佐に伝わった坂橋流之棒と同じ業名がチラついています。
棒目録
大ちらし・小ちらし・棒合すね払・腰車・小手揚・小手落・見帰り・笠場・さい棒・辻堅・五輪くだき
曽田本その1の神傳流秘書
棒合:追込・立合・請込・行違・込入
太刀合之棒:□砕(脛砕)・腰車・小手上・小手落・小鬢流・笠之羽・見返・袖返
曽田本その1の英信流目録
棒太刀合之棒:□砕(脛砕)・腰車・小手揚・小手落・小鬢流・笠之羽・見返・袖返
棒合五ツ:追込ミ・立合・請込・引違イ・込入
心持之事:間之棒・込入之棒・首尾用法・一本之棒・障棒
極意之大事:盲目杖・眼杭・金杭・立合心ノ大事・戸入之事・棒縛之事・引合之棒之事・常之棒
*この、北信濃の棒と業名が似ているのは、「太刀合之棒」だけに見られ「棒合」には見られません。坂橋流之棒は「棒合」だけで「太刀合之棒」は、別の棒術であったかも知れません。坂橋流之棒本流の行方は知りません。
 この流の癖で他流のものを其の儘取り込んで自流を仕立て上げて行く習性が強いようです。
 例えば大森流居合之事、後で出て来る夏原流和之事などもそれでしょう。現代でも師匠が何処かで習って来たものを、無双直伝英信流に付加してどれが元か判らなくなっている道場もあったりしています。
 
 坂橋流の棒に就いては資料がありません。居合との関連も特に見られないもので単独の棒術でしょう。第9代林六大夫守政が習った武術の一つだったと思います。
 居合と棒などへの展開があれば楽しいものですが其れは有りません。個人的にご研究ください。
 棒術を研究される方によって、術理から他流を辿っていただければ辿り付けるかもしれませんが、興味のある方にお願いしておきます。
 
 どの様な棒を使用するのかは書かれたものが有りませんから不明です。恐らく江戸時代末期には失伝してこれを演ずる人はいなかったと思います。
 書かれてある通りに手附と睨めっこしながら棒を振り回していれば仮想敵との攻防を心がけて来た居合剣士には出来る筈です。
 武器である棒は、現代風に棒か杖かなどの区別も流派に於ける太さ長さの指定も不明ですから、棒や杖の好きなもの扱いやすいものを用意されればいいでしょう。
 参考に河野百錬先生の「無双直伝英信流居合兵法叢書」第六章になります。木村栄寿先生の「林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流伝書集及び業手付解説」では神傳流業手付に収録されています。
 
 

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