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2017年1月12日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く6坂橋流棒1棒合1追込

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
6、坂橋流棒
1)棒合
一本目追込
上下上下と合張り又一方を打懸て勝
両方棒を左の手尓て持杖二突立合上を合下を合又上を合又下を合遣方より一方二亭張り又一方を打懸て勝也
読み
追込(おいこみ)
 上下 上下と合い張り 又 一方を打懸けて勝つ
 両方棒を左の手にて持ち 杖に突き立ち合う 上を合わせ下を合わせ 又 下を合わせ 遣方より一方にて張り 又 一方を打ち懸けて勝也

読み解く
 双方とも棒を左手に持ち杖(つえ)に突き立合う。左手の位置は自然体で握り易く杖(つえ)を突く位置、棒の中程でしょう。杖ならば杖の上を掌で被せてもいいでしょう。

 一本目は業名「追込」ですから、相手が先に棒に右手を懸け仕掛けて来るのに応じ、遣方が追い込んで行き、相手は下って行く打ち合いを想定して見ます。

 双方棒を左手で杖(つえ)を突く様に持ち、棒の先を左足先前に付け右足をやや後ろに退いて立つ。
 相手、棒を持つ左手の下に右手を逆手に添え、左手を滑らせて棒の上方を持ち、右肩から廻して右足を踏み込んで我が左面に打ち懸けて来る、遣方も同様に右足を踏み込んで相手の棒に打ち懸けて之を留める。

 遣方透かさず左足を右足踵に踏込み棒を右肩に取るや右足を踏み込んで打方の右足に打込む。
 相手棒を右肩に担ぎ打込まんとするが、遣方に攻め込まれ右足を引いて左足に引き付け左足を引くや、右足前で同様に遣方の棒を請ける。

 遣方、左手を引いて右手を棒の先に滑らせ、左手を棒の中程まで滑らせ左肩に廻し取るや左足を踏み込んで、相手の右面を打つ、相手右足を引いて同様に之を請ける。
 遣方、透かさず右足を左足に引き付け、同様に棒を左肩に取るや、左足を踏み込んで相手の左足に打込む。
 相手、左足を右足に引き付け、右足を引いて之を請ける。

 遣方、左足に右足を引きつけ、棒を振り上げ、左足を踏み込んで相手の右足に打ち懸かる、相手是を退き乍ら請ける、遣方即座に左足に右足を引き付け乍ら右手を後方に引いて左手を滑らせ棒の先を握り、右肩から棒を廻し乍ら右手を棒中に滑らせ右足を踏み込んで打方の左面を打ち勝つ。
 双方、右半身で棒を合せ元の位置に戻る。 

 幸い十二代林益之丞政誠による英信流目録に棒の業が残っていました。原文の儘とします。
安永五年1776年英信流目録棒合五つ「追込」
「上え下た上え下た下た右を打出す時は右の足を先え出し左の下を合する時は左の足を出し仕廻は右の足にて詰る也」


 追込みですから遣方にどんどん攻め進んでもらいました。
棒は上下は有りませんから、上下を返して打ってみました。刀と同様に一方を先端として、手を持ち替えずに順の打ち逆の打ちなども追い込みながら詰めて行かれるでしょう。


棒:ぼう、人を打つためのぼう、木を両手で捧げ持つ木の棒、棍(こん)は丸く太い棒。杖は長い棒。手に持てるほどの細長い木・竹・金属などの称。
棒術:武芸の一つ、棍棒を得物とする武術。

杖:じょう、つえ、歩行を助けるため手にもつ長い棒、人をたたく長い棒、丈は「十たす手の会意文字で、手尺の幅の10倍の長さをあらわす。長い棒。
杖術・杖道:武道の一つ、剣道の一部門で剣の代わりに樫の丸木杖を用いる。江戸時代初め、夢想権之助勝吉の創始?。

仗:じょう、こん棒や長柄の武器、長い木の棒。
長さの単位尺の10倍約3m、杖。

 現代では一般的に、棒は5尺・6尺で杖は3尺・4尺2寸1分で太さは8分・9分・1寸で八角の一寸のものもあります。この坂橋流の棒はどの様な長さを基準にしたのか不明です。
 独り稽古には4尺2寸1分の杖が自宅でも振れますし、短かすぎると言うこともないでしょう、其の上移動にも邪魔になりません。

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