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2017年1月 4日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く5太刀打之事8絶妙剣

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
5、太刀打之事
8)八本目絶妙剣
絶妙剣
 高山二かまへ行て打込ミ打太刀より亦打込を請て相手の面へ摺り込ミ相手肩へ取る
(請くる時ハ切先二手をそへ頭の上尓て十文字二請希留むるあり)
読み
絶妙剣(ぜつみょうけん)
 高山に構え行きて打込み 打太刀より亦打込を請けて 相手の面へ摺り込み相手肩へ取る
(請ける時は 切先に手を添え頭の上にて十文字に請け留めるもあり)

読み解く
 「高山に構へ行て」は遣方高山、打太刀高山でしょう。高山の構えは、上段です。この流の上段はどのように構えたかは不明です。大森六郎左衛門に第九代林六太夫守政が剣術の指導を受けたという事ですと真陰流の雷刀と思われます。
 竹刀剣道の上段とは違って左拳を頭の上まで上げ額より前に出ない様にし、太刀の角度は45度位後方上向き、太刀を振り上げる時肩を下げる意識で肘を拡げます。
 竹刀打ちに見られる、肘をすぼめて構え、肘をすぼめて打込むのとは違うと思われます。
 無双直伝英信流及び夢想神傳流による現代居合は竹刀剣道の統一理論に合わせる指導者によって失念したと思われます。
 河野先生の大日本居合道図譜に於ける上段は、「我が両拳の下より敵の頭上を見下ろす心持ちにて刀を頭上に把り剣先は高く構ゆ」ですが、左拳は額のやや上前、刀は45度で両肘の間から敵を覗き見する様です。是は一刀流の上段でしょう。

 打太刀が前回の独妙剣で中央から五歩退いていれば合い進み、留まっていれば待ち受けています。
 双方上段に構え、遣方スカスカと歩み行き、遣方間境を越すや右足を踏み込んで打太刀の真向に打ち下す。打太刀右足を少し引いて頭上にて請ける、打太刀右足を踏み込み遣方の真向に打込む、遣り方之を右足を引いて頭上にて左手を物打ちに添え十文字に請けるや、打太刀の刀を右に摺り落とし打太刀の面へ摺り込み勝。
 「相手肩へ取る」は打太刀摺り込まれて一歩下って八相に取り負けを示す。

 「高山二かまへ行て打込ミ打太刀より亦打込を請て」の解釈ですが遣方から仕掛けましたが、此処は打太刀から仕掛けても良いでしょう。この文章の「打太刀より亦打込む」の読み取り次第です。打太刀に先に仕かけられて、遣方請けて更に打込まれる其処を切先に左手を添え十文字請けして摺落して詰める、打太刀八相に構えて負けを示す。

 次の遣方が十文字請けして摺り込む方法についてですが、物打下辺りに左手を添え、切先を左に右手を左手よりやや高く取り十文字請けします。
 其の添え手は、一般に拇指と食指の股に刀の棟を挟む様にして添えるのを指導されますがそれでは、真向に打込まれた場合砕かれてしまいます。
 刀の棟が食指の第3関節から小指の下のふくらみに掌を斜めになる様にして顔前頭上に左手を右手より稍々前にして刃を上にして受けます。
 十文字請けした処を支点にして左入り身となって打太刀の刀を摺落とし、切先を摺り込み詰めます。
 よく見かける十文字請けから、ねじ込む様な摺り込みとは異なり、請けた瞬間に摺落す方法を上げておきました。

 曽田先生による五藤先生の業附口伝絶妙剣(独妙剣と業名が変わっています)
「是も同じく抜也敵待かけても相懸りにても不苦八相にかたきてスカスカと行き場合にて打込也其時敵十文字に請て又我が真向へ打込也其時我又本の儘にて請け面へ摺り込み勝也(我請たる時は左手を刀峯に当て次に摺り込み勝也)(摺り込みたる時敵刀を右肩に取る 曽田メモ)

 此処は古伝も業附口伝も上段と八相の違いで同じ様です。其の違いは、古伝神傳流秘書は真向打ちです、五藤先生の業付口伝は八相からの打ち込みですから相手の左面へ打込み請け止められ、相手真向に打ち込むでしょう。

 この絶妙剣は大江先生の英信流居合之型からは外されています。相手と間を十分詰めて打込ませ、両手十文字請けと摺り落とし、勝つ位と敗ける位を学ぶ良い業でしょう。後に出てくる詰合の五本目鱗形が座して行う同様の業です。

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