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2017年2月16日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流1詰合5鱗形

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
7、重信流
1)詰合
五本目鱗形
鱗形
如前抜合せ相手打込むを八重垣の如く切先に手を添へ請留直二敵の太刀を摺落し胸をさす也
読み
鱗形(うろこかた)
前の如く抜き合わせ 相手打ち込むを 八重垣の如く切先に手を添へ請け留め 直ぐに敵の太刀を摺り落とし胸を刺す也


読み解く
 前の如く抜き合せ、ですから是も居合膝に相対し、相手より左足を引いて我が右足に抜き付けて来るのを左足を引いて請け止め、上段に振り被らんとする処、相手左足膝を右足踵に引き付け右足を踏み込んで真向に打込んで来る。
  我は左足右足と引いて顔前頭上にて切先を左にして左手を添えて十文字に刃で請ける。
 十文字請けした交点を軸にして、左足を踏み込み左手を相手の顔面に摺り込む様に、右手も引きつつ相手太刀を右下に摺り落とし相手の胸に詰める。
 現代版の第21代福井聖山先生の行われている詰合之位を基に演じてみました。
 然し古伝は「八重垣の如く切先に手を添へ」とは云っていますが、八重垣も鱗形も左手を切先へ添えるとも右手を添えるとも云っていません。どちらでもいいのです。
 更に、相手の打込みを十文字に請けるや一拍子で相手を制する事が出来れば、無理やり摺落す必要はありません。
 詰合の一本目発早の場合は、双方膝前で抜き合せ、我が先んじて上段から真向に打ち込んで勝ちを制しました。
 今度は敵が我が真向に打ち込んで来るのです。一本目で勝ち口を理解しないまま、この五本目鱗形にしてようやく仕組みが申し合わせの棒振りではならない事を気付かせてくれる良い業です。
 
 是も曽田先生による五藤孫兵衛正亮の業附き口伝詰合之位「五本目鱗形」を参考にして見ます。
「座り方同前左足を一足引きて抜合す也其時敵すぐに我面へ上より打つ也我もすぐに太刀の切尖へ左の手を添えて十文字に請て左の足を踏み込み摺り込み勝也刀を合せ血振い納刀」
   十文字請けの方法をどの様にするかは、簡単に「切尖へ左の手を添えて」しか表現されていません。
 切尖は切先ですが、物打ち辺りに拇指と食指の股に刀の棟を当て四指を外向けにして添える様に指導される様ですが、是で良いのでしょうか。
 拇指と食指の股から小指の下の膨らみへ斜めに刀棟が乗る様に添える事も強い斬撃を請けるには研究すべきでしょう。
 
  又、十文字請けと云いますと、顔前頭上に水平に請けるのが如何にもですが、是も右手をやや左手より高く上げ真横では無く稍相手を攻める程の気を持った十文字請けも研究しておきたいものです。
 さらに、この十文字請けの摺り落としを、請けた交点を軸に左手を落としながら右へ摺落す「かたち」がこの流では普通ですが、それでは切先が相手から外れやすい、その上摺落されるのを相手が待って居てくれるような事では意味無しです。
 
 請けた瞬間に摺り落とし同時に切先は相手を目掛けている摺落しを学ぶものでしょう。敢えて言えば、柳生新陰流の九箇之太刀の捷径における刀棒でしょう。
 ある道場の最近の演武会で、この鱗形を演じている男女の写真が掲載されています。女性が仕太刀で摺落していますが、彼女の切先は明らかに相手から外れています。気の強そうな顔ですから写真からは力の入った良い演武をして居る様に思えます。打太刀は楽な雰囲気で摺落され突きこまれるのを待つ雰囲気です。形は武術です。
 形の順番通りには誰でも演じられるでしょう。然しその技術の根本を理解出来なければ武術になりません。
 
 

 

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