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2017年2月14日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流1詰合4八重垣

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
7、重信流
1)詰合
四本目八重垣
八重垣
 如前抜合たる時相手打込むを我切先二手を懸けて請又敵左より八相二打を切先を上二して留又上より打を請け相手打たむと冠を直耳切先を敵の面へ突詰める(我切先二手を懸希て請け敵右より八相二打を切先を下げて留又敵左より八相二打を切先を上二して留又上より打を頭上尓て十文字に請希次二冠るを従て突込むもあり 曽田メモ)
読み
八重垣(やえがき)
 前の如く 抜き合いたる時 相手打込むを我れ切先に手を掛けて請け 又 敵左より八相に打つを切先を上にして留める 又 上より打つを請け 相手打たんと冠るを直に切先を敵の面へ突き詰める
 (我れ切先に手を掛けて受け 敵右より八相に打つを切先を下げて留め 又
 敵左より八相に打つを切先を上にして留め 又 上より打つを頭上にて十文字に請け 次に冠るを従いて突き込むもあり 曽田メモ) 
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読み解く
 なぜか、大江先生の正座の部五本目八重垣の業名はこの詰合から取ったものでしょう。元は大森流陽進陰退が業名ですが、重信流の詰合を無視して「八重垣」の業名を正座の部の五本目に当てる意義はあったのでしょうか。

 双方居合膝に座し、相手左足を引いて下に抜きつけるを我も左足を引いてこれを下に請ける。
 相手即座に右足を左足に引付右足を踏み込んで真向に打ち込んでくるを、我左足、右足と引いて、切先に左手を添え顔面頭上にこれを十文字に請ける。
 相手再び上段に振り冠って左足を踏み込んで我が左胴に八相に打ち込んでくる。我右足を引いて切先を上にし柄を下にして左脇にこれを刃で請ける。
 相手さらに、上段に振り冠って撃ち込んで来るを、左手を切先に添えたまま顔前頭上に受ける。
 相手又、撃ち込まんと上段に振り冠る処、我すぐに右足を踏み込み切先を相手の面に突き詰める。

 神傳流秘書は、下で合わせ、十文字に上で請け、左脇で請け、再び頭上に十文字に受け、直ぐに突き詰めるのです。
 曽田先生のメモは、下で合わせ、十文字に上で請け、右脇で請け、左脇で請け、又十文字に上で請け、直ぐに突き詰める。と云うのも有りと括弧書きで挿入されています。これは江戸末期の八重垣がその様に変わって来ていたのでしょう。

 何度でも撃ち込まれて稽古するのも良いのですが機を捉えて反撃する事も学ぶ例でしょう。

 曽田先生の五藤先生による業附口伝による詰合之位四本目八重垣
「是も同じく詰合て坐し前の如く左足一足引てさかさまに抜合也敵其儘我面を打ってくるを我又太刀の切尖へ左手を添えて面を請くる也
それより立て敵すぐに我右脇を打つを我其儘刀を右脇にさかさまに取りて此の時右足を一足引き請け留る也
敵又立ちて左の脇を打ち来るを我又左足を一足引て左脇を刀を直にして請け止むる也
敵又上段より面へ打ち来るを我又右足を引きて上を請て敵かむる処を我右足より附込み勝也
刀を合せ原位置に帰り血振納刀」


古伝の稽古では、下で合わせ、十文字受けして、次は相手次第で右か左に受けるのもありでしょう。

 仕組みは演武会用の見世物ではなく、申し合わせに終わるものならばそれだけのものです。
 形手附のみに終始せずに一つの形から次々に変化して稽古する事に依り、場の状況に応じた創造性を学ぶことが武道を形骸化させない事となる筈です。言われた事しかできない、マニュアルが無ければ何も操作できないでは生き残れるわけはありません。

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