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2017年2月26日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流1詰合10霞剣

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
7、重信流
1)詰合
十本目霞剣
霞剣
 眼関落の如く打合せたる時相手引かんとするを裏よりはり込ミ真甲へ打込ミ勝亦打込ま須して冠りて跡を勝も有り
 以上十本

 「眼関落」:ここまでの所で、眼関落と称する業名は見当たりません。曽田先生の写したもので曽田メモで眼関落と添え書きされているのは、詰合の八本目「柄砕」です。
 柄砕は「両方高山後ハ弛し木刀二同し」と云って省略されています。「弛し木刀」も不明な文言です。
 敢えて業を捜せば太刀打之事七本目独妙剣でしょう。
 「独妙剣:相懸也打太刀高山遣方切先を下げ前に構へ行場合尓て上へ冠り互に打合尤打太刀をつく心持有柄を面へかへし突込ミ勝」
読み
霞剣(かすみけん)
 眼関落の如く打ち合わせたる時 相手引かんとするを 裏より張り込み真甲へ打込み勝つ
亦 打ち込まずして冠りて跡を勝も有り
 以上十本

読み解く
 眼関落とは古伝神傳流秘書のここまでの業に出て来ていない業名です。従ってこのままでは業の初動を特定できません。
 八本目から双方高山に構えて場合にて真向に打ち合っていますから上段に構え場合にて真向に打ち合い相打ちとするのでしょう。
 近年観られる詰合の霞剣演武では双方の間合いの中央で物打辺りの鎬で合わせています。
 相手より早く打込むならば、相手が「切り落」なり「合っし打」なりを心得る者ならば頭を割られています。

 詰合の八本目柄砕の打ち合いが、太刀打之事六本目独妙剣と同じ打ち合いで、之も同様であれば「相懸也打太刀高山遣方切先を下げ前に構え行場合にて上へ冠り互に打合尤も太刀をつく心持有・・」ですから、相手は上段、我は下段に構え歩み寄り、間に至るや我は切先を相手の喉を突き上げる様に振り冠って上段となり、相手真向に打込むを我も真向に打ち込み太刀を合せる、でしょう。

 真向に中央で打ち合わせ、双方切先を正眼に取りつつ退く処、我は刀を敵の刀の裏に張り込みその拍子に踏み込んで真向に打ち込み勝。打込まずに上段に冠って勝ちを示すも有。
 「裏よりはり込み真甲へ打込み」は、どのようにするのか失伝しています。
 敵の刀が我が刀の左、我が刀は敵の刀の右で互いに切っ先を喉元に付けています。敵引かんとする其の機に、我が刀を僅かに下げ相手刀の裏に添えるや、刀を右に返すように張り込みその拍子に上段に振り冠る・・。

 ここで、神傳流秘書の詰合は終わっています。以上十本です。

 五藤先生の詰合之位はあと一本、十一本目「討込」が残っています。

 曽田先生による五藤先生の業附口伝から霞剣を研究してみます。
 「是も互に立合也敵待かけても不苦互に青眼の儘スカスカと行場合にて互に拝み打に討也互に太刀の物打ちのあたり合たる所を中段に直る我其儘左の足を踏み込み裏より払いかむり勝也五歩退り相中段に次に移る也」


 十一本目は「討込」ですがすでに霞剣で真向打ち合いは終わっていますから業としてはそう意味のある十一本目では無いと思えます。仕組の締めの一本でしょう。

討込:(伝書二ナシ)(留ノ打ナリ)双方真向二打チ込ミ物打ヲ合ハス也」
 是は、しっかり「合し打ち」を学ぶことが出来る形ですが、双方の中央で物打ちを合わせていたのでは、意味の無い棒合わせです。
 五藤先生の時代江戸末期から明治維新の頃は仕組の太刀は竹刀による試合剣法に取って変わられて仕組剣法は影を潜めていた時代です。
 「申し合わせの形」しか稽古していないのでは、竹刀による打ち合いによる試合勢法に勝てる分けは無かったのでしょう。
 この「討込」は伝書には無いが「留めの打ちなり」として演武の締め業として演じられたのでしょう。

 是にて詰合は終了です。

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