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2017年3月22日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流3大小立詰4〆捕

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
7、重信流
3)大小立詰
四本目〆捕
〆捕
 相懸り二両方より懸る時相手両手尓て我刀の柄を留我左の手尓て相手の脇つ保へ入れて両手を〆引上如何様尓も投る也
読み
〆捕(しめとり、しめほ)
 相懸かりに 両方より懸かる時 相手両手にて我が刀の柄を留める 我れ左の手にて相手の脇坪へ入れて 両手を締め 引上げ如何様にも投げる也

*
読み解く
 双方相懸りに歩み寄る時、相手我が柄を両手で押さえて抜かさない様に制して来る。我は左手で相手の脇坪に入れて、相手の両手を抱きかかえ締め上げて左足を退くや体を沈め左脇に投げ倒す。如何様にも投げると言いますから右脇へ投げるのもありでしょう。

 此の場合は、我は柄に手を懸けている、或はいない、特に指定されていません。
三本目の鍔留が柄に手を掛けた処其の手を留められていますから、ここは柄に手を懸ける前に相手に柄を制せられるとするのでしょう。

 「両手を〆上げ」は相手の両腕の肘のかがみを裏から抱く様に締め上げるのか、手首を取って締め上げるのか、これも特に指定されていません。

 又、右手の動作を特定して居ません。柄を握っている処相手に右手を制されて柄を留められるとも解せます。

 曽田先生による五藤先生の業附口伝大小立詰では〆捕は一本目になっています。
「互に対立する也打は両手にて仕の柄を握るを仕は左手を以て打の左手首を握る也更に此の時直ぐに仕は右手にて打の両腕を絞め込み我が体を台にして之れを極める也
(敵両手にて柄を取る左手にて敵の左の手首を抑え右手にて敵の両肱を押え体を込み〆付ける)」


 第九代の林六太夫守政の時代から100年程後の業手附が五藤先生のものでしょう。
 古伝は、相手の脇坪に左手で入れて締め込んでいます、此処では相手の左手を左手で押えて後に、相手の両肱を右手を巻き込んで締め込んでいます。
 其れでなければならないと言う事ではないと思いますが先ず指示された通りと云うのが稽古の筋でしょう。古伝は抜けだらけです。それだけ自由ですが業附口伝では業違いともなります。


 現代居合では失伝してしまった大小立詰などの古伝を政岡先生は神傳流秘書を元にその著「無双直伝英信流居合兵法地之巻」で復元されておられます。
 大小立詰の〆捕の業の順番が神傳流秘書と異なり、この〆捕は一本目にセットされています。業手附は神傳流秘書の通りです。

 この違いは其の出典が何処から出たものか判りません。政岡先生の地之巻では、神傳流秘書と曽田先生による五藤先生の業附口伝との混線が見られます。
 政岡先生の古伝解説は、出典は曽田先生の書き写された曽田本を元にされたか、河野先生が曽田先生から曽田本を得て書かれた無双直伝英信流居合叢書に依るか、はたまた古伝神傳流秘書の原本に依るのか興味の有るところです。


以下参考に
曽田本その1神傳流秘書による大小立詰四本目〆捕
「相懸り二両方より懸る時相手両手にて我刀の柄を留我左の手尓て相手の脇つ保へ入れて両手を〆引上如何様尓も投る也」

政岡壱實先生の無双直伝英信流居合兵法地之巻による大小立詰一本目〆捕
「相懸りに両方より懸る時相手両手にて我刀の柄を留我右の手尓て相手の脇つぼへ入れて両手を〆上げ如何様にも投る也」

曽田先生による五藤先生の業附口伝大小立詰では〆捕は一本目になっています。
「互に対立する也打は両手にて仕の柄を握るを仕は左手を以て打の左手首を握る也更に此の時直ぐに仕は右手にて打の両腕を絞め込み我が体を台にして之れを極める也
(敵両手にて柄を取る左手にて敵の左の手首を抑え右手にて敵の両肱を押え体を込み〆付ける)」

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