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2017年3月10日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流2大小詰6右伏

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
7、重信流
2)大小詰
六本目右伏
右伏
我右の方二相手並ひ坐し柄を取られたる時直二我右の手を向の首筋へ後より廻し胸を取り押伏せんと春る二相手いやと春くはるを幸に柄を足耳懸て後へ投倒春 又抜かんと春る手を留められたる時も右の通り二取倒春
読み
右伏(みぎふせ)
 我が右の方に相手並び座し 柄を取られたる時 直ぐに我れ右の手を向こうの首筋へ後ろより廻し胸を取り押し伏せんとするに 相手いやとすくばるを幸いに 柄を足に懸けて後ろへ投げ倒す 又 抜かんとする手を留められたる時も右の通りに取り倒す
読み解く
 我が右側に敵は並んで坐す。相手が腰を上げて、左廻りに向き直り、右手を伸ばして我が柄を取る、我は直ぐに右手を相手の首筋へ後ろから廻し敵の胸を取り、押伏せようとすると、相手は押し伏せられまいと柄を放して力を入れて反り返ってくるを幸い、柄を反り返って浮いた膝下に懸けて後ろへ投げ倒す。
 また、我が抜こうと柄に手を懸けた時に、相手が我が柄手を取り右から押し付けてくる時も、我は柄手を放し相手の首筋に右手を後ろから廻し胸を取り押伏せる、相手は押伏せられまいと後ろに反り返ろうとするのを幸いに、浮いた敵の膝下に柄を懸け後ろに投げ倒す。
相手いやと「すくばる」を「ずくばる」として政岡壱實先生は「力なくはむかふ」意に用いる、とされて居ます。
 
 「又 抜かんとする手を留められたる時も右の通りに取り倒す」柄手を取られた時に容易に相手の首に右手を懸けられるかどうかは研究課題です。

曽田先生による五藤先生の業附口伝大小詰六本目右伏
「打は仕の右側に並びて坐す打左手にて仕の胸をとる仕はすぐに其の腕を巻き込みて逆手を取り前に伏せる也
(右脇に坐す左手にて胸を取り来る其手を押え前へ伏せる)

*この江戸末期の手附は古伝の業技法とは異なります。
 相手は我が柄では無く左手で我が胸を取る、我は直ぐに其の相手の左腕に右腕を巻き込み左手で相手手首を逆手に取り前に押し倒す。

 古伝は柄を取るのを、右手、左手どちらとも云って居ません。五藤先生のでは左手で胸を取る。首に巻き反り返る処を後ろへ投げるのではなく、取に来た左腕を制して逆手に取って前に押し伏せています。

 古伝神傳流秘書の成立から概ね100年弱経っているのですから、業技法も替え業やより有効な技法が横行して変化するのでしょう。
 古伝は特定の人しか見る機会はなかったとも言えますから、口伝・口授などではどんどん変わってしまうでしょう。
 この業を古伝と江戸末期のものと見比べていますと、谷村派の五藤先生は第九代が江戸から土佐に持ちこんだ居合の神傳流秘書の存在を知らなかったのではと思えてきます。或は知っていてもその当時の業技法を優先させたのでしょう。どれも出来て土佐の居合です。
 

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