« 第五回古伝研究の集いを終えてその5 | トップページ | 第五回古伝研究の集いを終えてその6 »

2017年4月19日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事1向拂

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
9、抜刀心持之事
1)一本目向拂
抜刀心持之事(格を放れて早く抜く也 重信流)
向拂
 向へ抜付返須刀二手を返し又拂ひて打込ミ勝
読み
抜刀心持之事(格を放れて早く抜く也)
向拂(むこうはらい)
 向うへ抜き付け 返す刀に手を返し 又 払いて打込み勝
*
読み解く
   抜刀心持之事は、居合では大森流居合之事・英信流居合之事に続く居業及び立業の居合です。
 (格を放れて早く抜く也 重信流)ということは始祖林崎甚助重信から伝わる重信流であると云っていますですから詰合・大小詰・大小立詰と同様に伝わってきたものと云うのでしょう。格とは掟と形と云った意味合いです。抜刀心持ちは掟や形に捉われずに早く抜くものと云うのでしょう。

 座居か立居なのか仕方などの解説は有りませんが、現代居合では立膝です。抜刀心持之事では、七本目を終ると「従是立事也」と有って八本目人中から立業であると指定されています。現代居合も大方は古伝を引き継いで居ると考えて、居業で立膝に座すとするのが妥当でしょう。

 向拂は、「向へ・・」は立膝に座し正面に相対する相手に、左から右に抜き付け、返す刀で手を返して右から左に切り払い、左から上段に振り冠って打ち込み勝。と読むことが出来ます。

 横一線に抜き打ちに斬り付けたが相手に外され、不十分なので刀を返して、さて、何処に斬り付けるかは相手次第でしょう。

 尤も近いのは相手の出足とも云えるし、踏み込んで抜き打っているでしょうから、相手が後方に退く余裕が無ければ顔面、首も充分狙えるはずです。

 英信流居合目録秘訣では当流申伝之大事に此の業は居合仮名として「向払」が有りますが目録のみで解説は有りません。

 大江先生の奥居合居業の一本目「霞」が相当すると思われます。師伝によって大江先生の霞ですら返す刀の切払う位置はまちまちです。

 参考に、大江先生の霞「正面に座して抜き付け、手を上に返して、左側面水平に刀を打ち返す」

 ここまでの古伝はおおらかですが、現代居合は指定された特定な部位でないと「違う!」の怒声が飛んできます。「格を放れず早く抜く也」ばかりです。

 向払を相手に仕掛けられた場合の応じ方は大剣取の三本目外石に見られます。
大剣取三本目外石」
是無剣の如く放したる時又右より打を留入りてさす

 是は相手居合膝に坐し居る処へ小太刀を下げかくる、相手抜き打つを、出足を引いて外す、相手抜き打ちを外されて手を返し、左膝を右膝に引き付け、右足を踏み込んで右から払って来るのを小太刀で請け留め、即座に中に詰め入って相手の柄を持つ手を制し突く。

 この場合は、我は立業で、相手の「向拂」に応じたものになっています。

 

|

« 第五回古伝研究の集いを終えてその5 | トップページ | 第五回古伝研究の集いを終えてその6 »

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 第五回古伝研究の集いを終えてその5 | トップページ | 第五回古伝研究の集いを終えてその6 »