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2017年4月17日 (月)

第五回古伝研究の集いを終えてその4

第五回古伝研究の集いを終えてその4
 
 第五回古伝研究の集い終えて、その1、その2、その3と続けてきました。
 
 その1は、古伝神傳流秘書の「詰合」と明治以降の曽田虎彦先生に依る「詰合之位」との違いを明らかにしてきました。
 「詰合之位」も古伝かも知れませんが、土佐に持ちこまれた当初の「詰合」とは似て非なるものと云うのは言い過ぎかもしれませんが、違う事を示し古伝研究の集いはあくまでも「詰合」を学ぶ事に拘りました。
 
 その2は、その違いを古伝神傳流秘書「詰合」一本目発早と、明治以降の曽田先生に依る業附口伝にある「詰合之位」一本目八相を比較して武術の形と武的演舞の形の違いを学んでみました。
 同時に、明治以降の先生方の解説書だけに頼れない事も学びました。
 
 その3は、一つの業の要求からいくつもの技法がある事を学び、問題点を洗い出してみました。それが受け太刀の左手の添え方でした。
 その4は、古伝の要求する事を、いたずらに師伝に固執したり、大家の書籍だけで判断したり、個人的に身に付けた武術の力量だけで判断すべきではない事を学んでみました。
 此の事は、その業を認識したその人の武的力量によって大きく差が出るはずです。
 
 先ず、古伝神傳流秘書の「詰合」を原文のまま読み込んで、書かれている要求事項を最も適切と思える方法で演じてみる事です。
 書かれている通り、否定せずに繰返し修錬しているうちにその事の真髄が見えて来るものです
 その一つが、真向に打ち込まれた場合の受け太刀の有り様で、左手の太刀への添え様で学んでみました。
 
 今回は、「詰合」の二本目拳取を考えてみます。
 古伝神傳流秘書の詰合二本目拳取
「如前楽々足を引抜合我左の手にて相手の右の拳を取り刺す」
 
 是だけしか書かれていないのです。抜き合わせる動作は確認済みです。敵の膝への抜き付けを虎一足の如く受け留め、相手の太刀を持つ右拳を取り制して、刺突する。と言うのです。
 相手の右拳をどの様に制するのでしょう。
古伝の太刀打之事の拳取を学んで、更に参考に明治以降に書かれた曽田先生の業附口伝から太刀打之位二本目の附込、詰合之位二本目拳取の両方を参考にして見ます。
*古伝太刀打之事附込
「・・抜合せ相手後へ引かむとするを附け入り左の手にて拳を取る 右の足なれ共拳を取る時は左の足也」
 
*太刀打之位の附込
「・・逆さまに抜き合わせ敵の引かんとする処を我が左の足を一足附込左の手にて敵の右の手首を取る此の時は左下にきて敵の体勢を崩す心持にてなすべし・・」
 
*詰合之位の拳取
「・・さかさまに抜合わすこと前同様也 我其侭左の足を踏み込み敵の右手首(拳ならん 曽田メモ)を左手にて押へる也・・」
 
*政岡先生の地之巻の詰合之位二本目拳取は、手附は古伝の文言に従っていますが、動作は
曽田先生の業附口伝の様です。
「・・打引かんとす 仕左足を打の右足の外側へふみ込み左手で右手首をとって左下に引く、同時に右手を腰に当て剣尖を喉につける」
 
*三谷義里先生の詳解居合の詰合之位(形)の拳取の動作は政岡先生と同じですが、「・・左手で打の右手首を逆にとって左下に引く・・」
 
*太田次吉先生の土佐英信流の詰合之位の拳取は立位から右膝を折り敷いて床に付け「・・仕は打の右外側に左足を踏込み右手首を握り左膝を着いて打を引き付け胸部を突く・・」ですが写真は右膝を床に着いている様です。
古伝は抜き合わせて敵拳を制するのも同じですが、拳の取り方を特定する事も、立っていても、膝を着いても良いのでしょう。
 此処でのポイントは、抜き合わせるや敵にしっかり附け入って、左手で敵の刀を持つ右手を逆手に取って前下に引き落し、その際左膝を床に付けて折敷、敵体を崩し堅めて刺突する事を選んでみました。各々の先生方の思いはそれなりに入ったと思います。
 何故前下に膝を着いて引き落し堅めたかは、非力な女性や老人でも充分応じられる体制である事が大事と見たからです。
 いたずらに剛力を持って制して見ても術とは言えないでしょう。より安易な方法があるのに工夫をしないのでは稽古とは云えそうにありません。
 
 
 

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