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2017年5月11日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事12夜ノ太刀

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
9、抜刀心持之事
12)十二本目夜ノ太刀
夜ノ太刀
 歩み行抜て躰を下り刀を右脇へ出し地をパタと打って打込む闇夜の仕合也
読み
夜ノ太刀(よるのたち)
 歩み行き 抜きて体を下り 刀を右脇に出し地をパタと打って打ち込む 闇夜の仕合也
読み解く
 闇夜の仕合の時の業とも云えるし、心得ともいえるものなのでしょう。月や星のない夜は本当に真っ暗でした。
 最近は山に登っても町明かりが届いて真っ暗闇に出会うこともなくなってしまいました。
 此の業の雰囲気から推測すれば、大江先生の現代居合の奥居合立業の信夫でしょう。

 真っ暗闇で相手の居場所も判らない時、歩み行きて相手の気配を察し、刀を抜き出し、体を沈めて右脇の地面に「ハタ」と刀の切っ先を打ち付け、相手がその音に誘われ打ち込んでくる処を打ち込んで勝。

 足さばき体裁き、運剣法などは、現代居合に準じればいいのでしょう。相手の存在位置を事前に察知して誘いをかけるのか、相手の存在位置を知らずに音を立てて誘うのか、後者はよほどの手慣れでないと難しそうです。相手も我が存在を知るとも云えるでしょう。

 英信流居合目録秘訣では、極意の大事に「地獄捜」そして「夜之太刀」として心得があるのですが、これも業とも心得とも云えるものです。
地獄捜
 「闇りに取籠り者有るときの心得也夫れ巳成らず惣じて闇にて人をさがすの術也刀の身と鞘と半分抜掛て鐺を以て一面にませ捜すべし鐺に物之さわるを證に抜て突べし亦鞘口三寸計に切先を残し居ながら静かに四方へ廻してさぐるべし九尺四方何事も知れ申」

読み解く
 暗がりに取り籠り者が有る時の心得なり 夫れ巳成(?)らず(己からならず) 惣じて闇にて人を捜す術なり 刀身と鞘と半分抜きかけて、(柄を持って)鐺を以って一面に ませ捜す(かきまわしさがす)べし 鐺に物の触るをあかしに 抜いて突くべし 又 鞘口三寸ばかりに切先を残しながら静かに四方へ廻し探るべし 九尺四方何事も分かるものだ

 

夜之太刀
 「夜中の仕合には我は白き物を着べしてきの太刀筋能見ゆるなり場合も能知るゝものなり放れ口もなり安し白き肌着抔を着たらば上着の肩を脱ぐべしかまえは夜中には下段宜し敵の足を薙ぐ心得肝要なり或は不意に下段になして敵に倒れたる見せて足を薙ぐ心得もあるべし」

読み解く
 夜中の仕合には 白き物を着るべし 敵の太刀筋よく見ゆるなり 場合もよく知るゝものなり 放れ口もなり易し(抜刀の機を捉えやすい?) 白い肌着などを着たのならば上衣の肩を脱ぐべし 構えは夜中には下段が良い 敵の足を薙ぐ心得肝要である 或いは不意に下段になして 敵に倒れたと見せて足を薙ぐ心得もあるものだ

 

 更に居合兵法極意巻秘訣には月夜之事・闇夜之事とあって「是従兵術嗜の个條迄先生御註訳」
月夜之事
 「月夜には我は陰の方に居て敵を月に向わすべし我はかくれて敵をあらわす徳有り」

読み
 月夜には 我は影の方に居て 敵を月に向わすべし 我は隠れて 敵を顕わす得あり

闇夜之事
 「闇の夜は我が身をしずめて敵の形を能見透かすべし兵器の色をはかるべし若難所有らば我が前に当て戦うべし敵のすそをなぐる心持よし」

読み
 闇の夜は 我が身を沈めて 敵の形をよく見透かすべし 兵器の色をはかるべし もし難所あらば 我が前に当て戦うべし  敵の裾を薙ぐる心持よし


 敵も、同様の心得をもって相対すると思うと、どうかな、など思ってしまいますが、まずやってみる事が大切でしょう。
 現代居合の奥居合立業の信夫が相当すると思います。この業で敵の位置を360度、何れなり共認識して誘い込むなど、一人稽古で楽しんでみるのもいいかも知れません。

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