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2017年5月17日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事15放打

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
9、抜刀心持之事
15)十五本目放打
放打
行内片手二切納ては又切数きはまりなし
読み
放打(はなれうち・はなしうち)
 行くうち 片手に切り 納めては又切り 数極りなし
読み解く
 歩み行きながら、片手抜き打に切り納刀し、又片手抜き打ちに切り納刀する。これを何度も繰り返す業です。
 敢えて片手打と言っていますから、片手袈裟で敵の右肩下を抜き打ちに切る、と飛躍してもいいかもしれませんが、横一線の抜き付けでも、上に抜き上げ真向打ちでも、刃を返して下から切り上げてもいいかも知れません。

 これも英信流居合目録秘訣を探してみましたが、見当たりません。これは大勢の敵に詰められ我は一人の場合を想定しますが「片手打に切納刀し、又・・」ですから敵は前方から現れるのを切り倒し、刀を納める。するとまた敵が現れるのでそれを仕留めて納める。現代居合の惣留の業を思わせます。

 居合兵法極意巻秘訣に細道之事として
 「両脇難所道も無く行道一筋にて狭きを云うケ様の所にては敵は多勢我は一人の時は利をもとむべし其利は敵大勢有りとも我を前後左右取り廻す事能えず若敵前後より来る時は脇へ開て敵を向うに受我が左の方の敵に合うべし若脇に浅き川池などあらば飛込んで打べし我飛込と敵つづきて飛入物也其間を勝事大事也」
と心得を伝えています。

読み
 「両脇 難所 道も無く 行く道一筋にて狭きを云う 斯様の所にては 敵は多勢 我は一人の時は 利を求むべし 其の利は敵大勢ありとも我を前後左右に取り廻す事与えず もし敵前後より来る時は脇へ開いて敵を向こう(前面)に受け 我が左の方の敵に合うべし もし脇に浅き川池などあらば 飛び込んで打つべし 我れ飛び込むと敵は続きて飛び入るものなり 其の間を勝つ事大事也」
・ 
また「多勢一人之事」として「敵多勢我一人の時は地利を第一と心得べし地利あしくば敵を前一面にうくべしはたらき心得は我左の方の敵を目当てにたたかうべし敵後へ廻らば我も左の敵に付後へ廻るべし真中に取籠られば走りにぐべし敵一度に来ぬもの也其間に先立来る敵を打つべし幾度もにげては打つべし」

読み
 「敵は多勢我は一人の時は 地の利を第一と心得うべし 地の利悪しくば 敵を前一面に受くべし 働き心得は 我が左の方の敵を目当てに戦うべし 敵が後ろへ廻らば我も左の敵に付き 後へ廻るべし 真中に取り籠られれば 走り逃ぐべし 敵一度に来ぬもの也 其の間に  先に立って来る敵を打つべし 幾度も逃げては打つべし」
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この、居合兵法極意秘訣を読んでいますと、宮本武蔵の五輪書の水之巻多敵の位などが、浮んで来ますが、柳生但馬守の兵法家伝書や宮本武蔵の五輪書や兵法35箇条などは時代的には、参考に読まれたり聞いていたかも知れません。

 細川義昌先生の系統と思われる白石元一先生の放打(暗夜前方より来る敵を抜き打ちに数名連続斬る意)
 「・・右足を出すと同時に右斜前の敵に対し抜き打ちに右片手にて斬り付け(やや半身となる)直ちに納刀と同時に左足を右足に揃え一足となり、更に第二に現れたる敵に対し前と同様斬りつけたる後納刀。又第三の敵に対して斬りつけ納刀(同時に足も一足となる)」

 古伝に業名は忠実です、動作も古伝を思わせます。
 
 放打は、何故か敵を切る度に納刀します。ある竹刀剣道の先生「なぜ一々納刀するのか意味が解らん」

ある大家の教書に、居並ぶ者の首を次々にはねる業とか、何処から聞いて来たのか不思議が一杯の教えです。
 片手袈裟の斬撃を繰り返し稽古する中から、この業の意義を知りたいと思います。 

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