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2017年6月28日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事2立合2無想

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
2)立合
二本目無想
無想
行合二相手の足を取り送り右之手二亭膝を押の希てた於春

読み
無想(むそう)
 行き合いに 相手の足を取り送り 右の手にて膝を押しのけて倒す
読み解く
 業名は「無想」何も思わずにと云うのでしょう。「行合」ですから、双方立って行き合う、所謂歩み寄る時、我はふっと身を屈め左手で相手の右足を取って引き上げるようにして送り込み、「右之手二亭膝を押の希てた於春」ですから此処は、右手で相手の左足の膝を押し除ける様に引き込み相手を仰向けに倒す。
 相手の右足膝を左手で抱え込んで送り出すや否や、右手で相手の左膝を掬う様に引き込めば相手は仰のけに倒れるでしょう。
 此処は、左手で・・相手の右出足を取る・・でよいでしょう。相手は左の後足で片足立ちになってバランスを崩しながら後ろに下がる処を「右の手にて膝を押のけ倒す」とやってみました。相手の足は右とも左とも指定されていません。古傳はおおらかですが読み解けばこんな処が自然でしょう。

 業名は無想です。想うこと無くさっと繰り出すのでしょう。あまり業名に固執するのも特定の状況に居付いてしまい良くない様ですが、此処はあれこれ思い巡らさずに繰り出すのが良さそうです。

 「相手の足を取り送り」のところは、「送り」か「急耳」か文字の判読が良くわかりません。
河野先生の無双直伝英信流居合兵法叢書では「行合に相手の足を取り急に右の手にて脺(せつ・そつ)を押のけてたおす」「急」と読まれています。

 然し此処は「送り」であって「急耳(きゅうに)」ではないでしょう。
もう一字「脺」の文字ですが之は「膝」で誤字でしょう。曽田本の中に時々出てきますが「脺」は、そつ、せつ、すいとか読んで意味はもろい・よわいでしょう。膵臓の膵臓の膵の字を「脺」に当てていたりしているのも有ります。

 古文書は、書かれた人の知識次第で正しい文字があて字になっていたりします。それを書き写す場合も又その人の能力の範囲で変化してしまいます。ですから、凡てを信じる訳に行きません。
 原書と対比して見る事が出来たとしても書かれた人の思いが100%伝わる事は無いかも知れません。
 しかし、古伝の教えは繰り返し稽古しその項目の業を全て稽古し終った時に、新たな発見をする事も有り得ます。効を焦って、習い覚えているより良い業を繰り出して、古伝を越えたと思ってはならないと思います。出来るだけ忠実に手附通りにやってみる事がポイントです。手附通りに業が繰り出せない場合は、先ず己の未熟さを思うべきでしょう。

 思いつくままに・・

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