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2017年6月20日 (火)

野良猫の子育て

野良猫の子育て
 
 一昨年だったか、ブログにも書いたと思いますが、ご近所の門柱の脇から背が黒く、白い腹廻りの母猫が同じような黒白の子猫をくわえてゆっくり出てきます。
 少しも私に気が付かず悠然として歩いています。   
 小川を隔てた畑からこれを見ていた私は、いたずら心で忍び足で小川に近づき頃合いを計って小川を飛び越し母猫の脇に飛び立ちました。母猫は突然な事で子猫を口から落としてしまい、素早く4,5m走って止まりました。
 母猫の目は、我が子と私を交互に見ながら何時でも逃げられる態勢です。
 起こったことも解らないのか子猫は私の足元に寄ってきます。
 私が、母猫に近寄る素振りを見せると、母猫も飛び去る構えに身を低めます。それでもその場を離れようとはしないのです。
 子猫はもう私の足元に居ます。
 
 「ごめんね、何もしないから連れて行きなさい」と勝手なことを言う私。
 言葉など解かるわけもないのに、それでも母猫の体から警戒の気が消えたように思えました。
 子猫を連れ去ろうとする身構えを感じますが、けっしてその距離を近づけません。そこで、母猫を見つめたまま、後に足を引こうと右足をわずかに動かしたとたん、母猫はその距離を一気に飛んで我が子をくわえ反転して走り去りました。10m位走って振り向いて「どうだ」と言わんばかりに悠々と植え込みに消えて行きました。
 その子猫が、母猫から縄張りを譲られたのか昨年から我が家の周辺に居付いていたのです。出合うとなんとなく声を掛けていたのですが、他の野良猫より心なしか距離が近い様な、その上、出会うやさっさと逃げ去るでもない間柄でした。
 
 この春その猫が、一匹の子猫を連れて我が家の廻りにあらわれました。母猫と同じ様に頭からしっぽまで背中が黒で、腹は白です。
 安全距離を保ちながら、私や妻が草むしりなどしていても平気で子猫とじゃれ合っています。側に近づくと子猫はさっさと物陰に逃げ込み母猫はこちらの様子をうかがっているばかりです。
 
 紫陽花が咲き、蕗が地面を覆う様に生えて、梅雨時なのに毎日暑い日が続きます。
 紫陽花に近づこうと蕗のなかに踏み込むと何か黒いものが蕗の下を右に走り去ります。毎年、アオダイショウやシマヘビが出るので蛇嫌いな私は一瞬背筋がビクとします。母猫がフェンスをくぐって安全距離を保ちます。日陰で憩う親子猫でした。
 蕗の葉陰に子猫が行き場を失ってすくんでいます。首をつまみあげると両手両足を突っ張って拡げ硬直しています。
 かわいい眼にじっと見つめられてしまいました。地面に下ろして手を放すと、のこのこその場を離れるのですが母親の居場所が判らずにいます。
 
 それから、数日たっての事。柿の木を登ったり下りたりする猫を居間から見ていました、いつも、柿の木から我が家のベランダに飛び移りベランダで日向ぼっこを楽しんでいるのを見かけていたのですが、ちょっと様子が変です。
 ベランダを見ると子猫がいます。どうやらベランダへ上がったのはいいのですが、子猫は自力では怖くて降りられない様です。
 母猫は「こうやって降りるのよ」と何度も見本を見せているのでしょう。暇人の私もそれを三十分ほども見ていました。
 母猫より私がじれてしまい二階からベランダに出て子猫に近づくと、子猫は箱の陰に逃げ込んで息を潜めています。
 箱を取り除くと私の足元を走り抜け、柿の木の方に向かったのですがそこで立ち止まって私を見上げます。
 柿の木に飛び移れなければ、捕まえようと私は近づきます。手を伸ばそうと屈むや子猫は一気に飛び降りてしまいました。
 「おぬし、本気になればできるな」。
 あんなに何度も母猫が見本を見せていたのにです。その間、母猫は物陰に隠れていたのでした。
 ベランダを飛び降りた子猫は、クリスマスローズの葉陰に隠れています。
 居間に戻って、ふと外を見ると松の木に親子が登っています。
 母猫が子猫を置いて下りてしまうと、子猫はしばらくもじもじしていましたが爪を立てつつ頭から降りて行きました。
 是って、子猫が独り立ちするための訓練だったようです。私は母猫の手助けをしたのか、より厳しい野良猫の生きる世界を早々と子猫に味合わせてあげたのかでしょう。いずれにしても余計なことでした。
 
 それからしばらくして、外から帰って来た妻が笑っています。「母猫が飛び上がって地面に両手から飛び降りるのを、子猫も真似して、飛び上がっては両手から降りているの、何度も同じ動作をやっていて、あれって獲物を捕る訓練みたい」
 そういえば、テレビで狐なんかがやっている捕獲の仕草の様です。猫の糞には蝉やらバッタのかたい殻が随分混じっていたのを思い出しました。
 此処では獲物は、昆虫類、ごちそうは小鳥やネズミや蛇ぐらいです。餌付けする人はいない様です。
 木に自由に昇り降り出来て、動く獲物に素早く飛びつく厳しいですね。
 野良猫親子の訓練を見聞きして、親子の絆にホロリとさせられ、野良猫の生きる厳しさに想いを寄せるのでした。
 
 そう言えば、随分古い話になりますが、子猫をもらってきて飼っていました。当時は外出自由な飼い方が当たり前でした。ある日この猫がネズミを捕えてきたそうです。
 ネズミ嫌いな妻は、猫がネズミをくわえて来て食卓の上に置き、自慢そうに妻を見上げていたそうです。
 大声で「捨ててらっしゃい」としかり飛ばす、ねこも驚いてネズミをくわえて飛び出て行ったそうです。
 それ以来ネズミをくわえて帰って来る事はありませんでした。キット何処かで血の滴る生肉の御馳走を楽しんでいたのでしょう。
 この子の親は飼い猫でのんびりした人懐こい猫でした。親猫から訓練される前に引き取ったような気もします。本能的に獲物を捕らえる能力をもっていたのでしょう。
 しかしこの子は、弱虫で犬に背中を嚙まれてしまい、脊椎損傷で短い命でした。
 
 この処、野良猫親子を見かけません。先日の夜のこと、県道を横切ろうとして道路の半ばまで右から走り込んだ猫が、私の車に気付いて反転して戻りました。急ブレーキで減速すると、左から一回り大きな猫が一気に車道を右に走り抜けて行きました。
 「おいおい、車道を横切る特訓は無謀過ぎるぞ・・」
 
 その後、この親子を数日見ていないのですが・・・・。
 
 
 
 
 

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