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2017年7月

2017年7月31日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事3小具足7逆ノ折

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
3)小具足
七本目逆ノ折
逆ノ折
 此事ハ立合の支剱の事耳同し坐して居る違ひ計也
読み
逆ノ折(ぎゃくのおれ・ぎゃくのおり)
 此の事は立合の支剱の事に同じ坐して居る違い計り也
参考 立合の四本目支剱
 相手我の胸を左の手二亭取る我可右の手二亭其手首を取り相手右の手二亭打込を我か左の手二亭請留右の手を相手のひぢの可ゞ美二外より懸向へ折常の稽古二ハ引廻した於春
読み
支剱(しけん)
 相手我の胸を左の手にて取る わが右の手にて其の手首を取り 相手右の手にて打込むを我が左の手にて請け留め 右の手を相手の肘の屈みに外より懸け向うへ折る 常の稽古には引き廻し倒す

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2017年7月30日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事3小具足6逆ノ剱

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
3)小具足
六本目逆ノ剱
逆ノ剱
 如前相手の手首を留多る時相手短刀を抜以て突んとするを膝を少し立弛し右の手二亭其突手を取り如前阿の希耳倒春也
読み
逆ノ剱(ぎゃくのつるぎ・ぎゃくのけん)
 前の如く相手の手首を留たる時 相手短刀を抜いて突かんとするを 膝を少し立て弛し
右の手にて其の突き手を取り 前の如く仰のけに倒す也
参考
「如前相手の手首を留多る時」の前は二本目剱當詰迄戻ります。「相手左の手二亭我可胸を取る我可左の手二亭其手首を取る」
「右の手二亭其突手を取り如前阿能希耳倒春」の前は五本目繰返でしょう。「相手短刀を抜亭打込を右の手二亭留其手を相手の額に押當阿能希ニねじ多を春」
読み解く
 神傳流秘書の文章は、省略が多くてこのように業毎の読み切りにすると厄介です。
前の如く(如前)が六本目逆ノ劔から五本目繰返、四本目瀧返、三本目先手と四回続きました、二本目劔當詰まで戻る事になります。

 前の如く相手の手首を留たる時は「相手左の手にて我が胸を取る我が左の手にて其手首を取る・・」ですから、相手が腰を上げ右足を踏み込んで左手で我が胸を取るのを我は即座に腰を上げ、右足を踏み込んで其の手首を取る。

 相手短刀を逆手に抜いて突こうとするのを、我は、右足を引き弛ずし右手で其の突き手を取り前の如くは前回の五本目繰返の「相手短刀を抜て打込を右の手にて留其手を相手の額に押當あおのけにねじたおす」でしょう。ここで業名の「逆ノ劔」に拘って相手は短刀を逆手に抜出し、突いて来るのでしょう。
相手の突き手を制して額に押し付け左手を引き左脇にあおのけにねじ倒す。

 「膝を少し立弛し」は右足を引いて膝を付け、左足を踏み込んで右脇にあおのけに倒すのも出来そうです。前の如くが二回もあって、省略しているのですが、此処はポイントだと示されて居る様な気のする処です。

 

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2017年7月29日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事3小具足6逆ノ剱

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
3)小具足
六本目逆ノ剱
逆ノ剱
 如前相手の手首を留多る時相手短刀を抜以て突んとするを膝を少し立弛し右の手二亭其突手を取り如前阿の希耳倒春也
逆ノ剱(ぎゃくのつるぎ・ぎゃくのけん)
 前の如く相手の手首を留たる時 相手短刀を抜いて突かんとするを 膝を少し立て弛し
右の手にて其の突き手を取り 前の如く仰のけに倒す也
参考
「如前相手の手首を留多る時」の前は二本目剱當詰迄戻ります。「相手左の手二亭我可胸を取る我可左の手二亭其手首を取る」
「右の手二亭其突手を取り如前阿の希耳倒春」の前は五本目繰返でしょう。「相手短刀を抜亭打込を右の手二亭留其手を相手の額に押當阿能希ニねじ多を春」
 

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2017年7月28日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事3小具足5繰返

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
3)小具足
五本目繰返
繰返
 又如前手首を留たる時相手短刀を抜亭打込を右の手二亭留其手を相手の額に押阿能希ニねぢ多を春
読み
繰返(くりかえし)
 又 前の如く手首を留たる時 相手短刀を抜きて打ち込むを 右の手にて留め 其の手を相手の額に押し仰のけに 捩子倒す
*参考 如前
 此処は二本目剱當詰までもどります。
 相手左の手二亭我可胸を取る我可左の手二亭其手首を取る 相手小太刀を抜て下を突くを左の膝を少し立帰りてはづし右の手二亭突手を打落引伏セ堅
読み解く
 また前の様に、相手が腰を上げて右足を踏み出し我が胸を左手で取るので、我も右足を踏み出し左手で相手の左手首を取る。
 相手右手で短刀を抜出し、頭上に打ち込んで来るのを、我右手で相手の短刀を持つ右手首に当て制するや相手の右手首を取って相手の額に押し当て左手を引き込み相手を仰向けにねじ倒す。

 「相手短刀を抜て打込むを右の手にて留」によって、相手は右手で短刀を抜く、我は右手で其の打ち込みを留めると、理解できます。従って相手は左手で我が胸を取り、我も左手で相手の左手首を取るとできます。

 この場合、相手左手で我が胸を取る、我はとっさに右手で相手の左手首を取る。相手右手で短刀を抜き上から打ち込んでくるのを我は右手で相手の左手を持ったまま其の打ち込みを留め、そのまま相手の額に押し込んでねじ倒す。もありかもしれません。

 業名の繰返の意味は、相手が我が胸を取る業の繰り返しの稽古を意味するのでしょうか。胸を取られる業はまだ続きます。

 小具足は一本目から相手左手で我が胸を取り、我は右手又は左手で相手の左手を取る、相手右手で短刀を抜き・・・。と八本目まで続いています。

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2017年7月27日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事3小具足5繰返

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
3)小具足
五本目繰返
繰返
 又如前手首を留たる時相手短刀を抜亭打込を右の手二亭留其手を相手の額に押阿能希ニねぢ多を春
繰返(くりかえし)
 又 前の如く手首を留たる時 相手短刀を抜きて打ち込むを 右の手にて留め 其の手を相手の額に押し仰のけに 捩子倒す
*参考 如前
 此処は二本目剱當詰までもどります。
 相手左の手二亭我可胸を取る我可左の手二亭其手首を取る 相手小太刀を抜て下を突くを左の膝を少し立帰りてはづし右の手二亭突手を打落引伏セ堅

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2017年7月26日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事3小具足4瀧返

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10.夏原流和之事
3)小具足
四本目瀧返
瀧返
 如前胸を取を我も前能如く其手首を取り右の手をひぢ二懸う津む介耳横へ伏セる也
読み
瀧返(たきかえし)
 前の如く 胸を取るを 我も前の如く其の手首を取り 右の手をひぢに懸け 俯けに横へ伏せる也
参考 「如前胸を取るを 我も前能如く其手首を取り」 は三本目先手 及び二本目剱當詰を
 参考にします。「相手左の手二亭我可胸を取る」で同じです。
 次の動作では、二本目剱當詰は「我可左の手二亭其手首を取」、三本目先手では「我可右の手二亭相手の手首を取」で相手の左手首を取る我が左右の手が変わります。
 此処では「如前」を優先すれば、三本目先手の「我可右の手二亭相手の手首を取」でしょう。
読み解く
 前の如くは、三本目先手の前の二本目劔當詰まで戻ります。
双方八文字に座し、相手腰を上げて右足を踏み出し左の手にて我が胸を取る。次の「前の如く」のここは三本目先手の様に我も腰を上げ右足を踏み出し我が右の手で相手の左手首を取り、右手のひじを相手の左手のひじに懸け左足を引いて相手を右脇にうつむけに横に伏せる。

 業名は「瀧返」これは、たきかえしえと読めばいいのでしょう。業名から動作のイメージが浮かんできません。文字を読んで頭に入れて体裁きをしていたのでは瀧返しにならないのでしょう。それと相手がゆるゆると我が胸を取るのであれば瀧とも言えません。相手も瀧が落下する如き動作があればそれを拍子に返すイメージも浮かびます。
しかし、強く早い動作ばかりが良いとは言えません。相手も何気なく我が胸を取るとされた場合の動作もありうるので課題です。

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2017年7月25日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事3小具足4瀧返

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10.夏原流和之事
3)小具足
四本目瀧返
瀧返
 如前胸を取を我も前能如く其手首を取り右の手をひぢ二懸う津む介耳横へ伏セる也
瀧返(たきかえし)
 前の如く 胸を取るを 我も前の如く其の手首を取り 右の手をひぢに懸け 俯けに横へ伏せる也
参考 「如前胸を取るを 我も前能如く其手首を取り」 は三本目先手 及び二本目剱當詰を
 参考にします。「相手左の手二亭我可胸を取る」で同じです。
 次の動作では、二本目剱當詰は「我可左の手二亭其手首を取」、三本目先手では「我可右の手二亭相手の手首を取」で相手の左手首を取る我が左右の手が変わります。
 此処では「如前」を優先すれば、三本目先手の「我可右の手二亭相手の手首を取」でしょう。
 
 

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2017年7月24日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事3小具足3先手

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
3)小具足
三本目先手
先手
 如前胸を取り我右の手二亭相手の手首を取相手短刀を抜んとする処をす具耳右の手を相手の胸耳押當足を込ミ亭阿をの希ニ倒す
読み
先手(さきて・せんて・せんしゅ?)
 前の如く胸を取る 我が右の手にて相手の手首を取る 相手短刀を抜かんとする処を 直ぐに右の手を相手の胸に押し当て 足を込みて仰のけに倒す
参考
 如く前胸を取る
 「相手左の手二亭我可胸を取る・・」
読み解く
 双方向かい合って爪先立ち左の膝を付き右の膝を浮かせて八文字に座す時、相手が腰を上げて我が胸を前の剱當詰のように左の手で取る。
 我右の手で相手の左手首を取る。相手は右手で短刀を抜こうと柄に手を掛ける処、我はすぐに右の手を相手の胸に押し当て、右足を踏み込んで相手を仰のけに倒す。

 此の業も、相手の仕掛けてくる動作にすぐ応じて機を外さない事がポイントでしょう。相手が短刀を抜こうと手を柄にかけるまでに踏み込むことが大切で、抜いてからでは当然のことながら危険です、「相手短刀を抜んとする処」です。
 相手は左手で我が胸を取り右手で短刀を抜こうとしています。
我は相手の左手首を右手で制し、尚且つ短刀を抜こうとする際再び右手で相手の胸に押し当てて居ます。
 左手の役が何も語られていません。左手は相手の小太刀の柄又は柄を取った相手の右手を制し相手の柄を抜かさない様に押し付けるのも研究課題です。
 

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2017年7月23日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事3小具足3先手

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
3)小具足
三本目先手
先手
 如前胸を取り我右の手二亭相手の手首を取相手短刀を抜んとする処をす具耳右の手を相手の胸耳押當足を込ミ亭阿をの希ニ倒す
読み
先手(さきて・せんて)
 前の如く胸を取る 我が右の手にて相手の手首を取る 相手短刀を抜かんとする処を 直ぐに右の手を相手の胸に押し当て 足を込みて仰のけに倒す
参考
 如前胸を取り・・
 「相手左の手二亭我可胸を取る・・」

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2017年7月22日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事3小具足2剱當詰

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
3)小具足
二本目剱當詰
剱當詰
 相手左の手二亭我可胸を取る我可左の手二亭其手首を取る相手小太刀を抜て下を突くを左の膝を少し立帰りてはづし右の手二て突手を打落引伏セ堅
読み
剱當詰(つるぎあてつめ・けんとうつめ・けんあてつめ・?)
 相手左の手にて我が胸を取る 我が左の手にて其の手首を取る 相手小太刀を抜いて下を突くを 左の膝を少し立て帰りて外し 右の手にて突き手を打ち落し引き伏せ堅む
読み解く

 この「剱當詰」はどう読むのでしょう。「けんとうつめ」「つるぎあてつめ」わかりません。
双方八文字に爪先立ちして坐す処、相手より左の手を伸ばして、我が胸を取る、我は即座に左手で相手の左手首を取る、相手小太刀を抜いて「下を突く」は左膝に突き込んでくるので左膝を「立帰りてはづし」は、左膝を少し左後ろに引いてこれを外すや、右手で相手の突き手を相手の左手を越して打ち落とし、相手の左手の肘に右手を掛けて左脇に引き伏せ固める。

 「立帰りてはづし」の部分を突き込んでくるのでこれを、左膝を後ろに引いて外してみましたが、立て帰るようには見えません。左膝は元々床に着いている、胸を取られた際右足を踏み込んでいるか、・・どのようにするでしょう。
 小太刀を抜いて下に突き込んで来るのを、相手の左手首を握ったまま左手を上に上げ右手で相手の手首を打ち落し、左手を引き下ろして右手を肘に付けて引き伏せ堅める。

古伝は何も示していません。

 この業は、相手の動作に即座に応じるのであって、我から先をとっているようには見えません。組み合って互いに研究するよい例題でしょう。

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2017年7月21日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事3小具足2剱當詰

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
3)小具足
二本目剱當詰
剱當詰
 相手左の手二亭我可胸を取る我可左の手二亭其手首を取る相手小太刀を抜て下を突くを左の膝を少し立帰りてはづし右の手二て突手を打落引伏セ堅
読み
剱當詰(けんあてつめ・けんとうつめ・?)
 相手左の手にて我が胸を取る 我が左の手にて其の手首を取る 相手小太刀を抜いて下を突くを 左の膝を少し立て帰りて外し 右の手にて突き手を打ち落し引き伏せ堅む

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2017年7月20日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事3小具足1呪巻

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
3)小具足
一本目呪巻
呪巻
 相手左の手二亭胸を取る右之手二亭短刀を抜胸二押當テたる時我左右之手二亭相手の両のひぢを打もぎす具耳相手の右之手首を取て一方の手を比ぢ耳懸てう津む希耳引伏セ堅める
読み
呪巻(のろいまき)
 相手左の手にて胸を取る 右の手にて短刀を抜き胸に当てたる時 我左右の手にて相手の両の肘を打ち捥ぎ 直ぐに相手の右の手首を取って一方の手を肘に懸けて 俯けに引き伏せ堅める
読み解く
 双方爪先立って左膝を床に付け臀部を踵に乗せ、右膝を立て両膝を開いた八文字に坐し相対する時、相手が腰を上げて右足を踏み込み、左の手で我が胸を取り、右手で短刀を抜いて我が胸に押し当てて来る。
 我はその時、腰を上げるや両手で相手の左右の肘を同時に打ち付けもぎ離すや、左手で相手の右手首を取り、右手を相手の右肘に懸け、左脇に引き伏せ固める。
 
 相手を打ち据えるのは我が右手で相手の左肘、左手で相手の短刀を持つ右手が自然でしょう。相手の右手を我が左右のどちらの手でどの様に取るのか、引き伏せるのは我が左側か右側かの指定も有りません。
 我が右手で相手の右手首を取り左手を相手の右手の肘に懸け右脇に俯けに引き伏せる事も出来るでしょう。
 呪巻の業名の名付けられたイメージが浮かばないのですが・・・。

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2017年7月19日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事3小具足1呪巻

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
3)小具足
一本目呪巻
呪巻
 相手左の手二亭胸を取る右之手二亭短刀を抜胸二押當テたる時我左右之手二亭相手の両のひぢを打もぎす具耳相手の右之手首を取て一方の手を比ぢ耳懸てう津む希耳引伏セ堅める
呪巻(のろいまき)
 相手左の手にて胸を取る 右の手にて短刀を抜き胸に当てたる時 我左右の手にて相手の両の肘を打ち捥ぎ 直ぐに相手の右の手首を取って一方の手を肘に懸けて 俯けに引き伏せ堅める

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2017年7月18日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事3小具足序

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
3)小具足
小具足 
両方足を爪立左の膝ヲ付キ右之膝ヲ浮ケテ折ル八文字二坐ス
読み
小具足(こぐそく)
 両方足を爪立 左の膝を付き 右の膝を浮けて折る 八文字に坐す
読み解く

 小具足の座仕方は、現在の立膝(居合膝)の座仕方のようですが、両足の爪先は立てていますので、いつでも変に応じられる体構えでしょう。
 「両方足を爪立 左足の膝を付き右の膝を受けて(浮かして)折る 八文字に座す」八文字は両膝の開いた姿を指しているのでしょう。
 現在の無双直伝英信流の立膝之部の坐し方は、左足は伸ばして、臀部を足の上に乗せ、右足は右側面を床に着け膝は立てて、両膝を開いて坐しています。
 爪先立った八文字の坐し方が、何時でも変に応じる体構えであるとすれば、現代風は休息の態勢でしょう、変に対しては爪先立てばよいものです。

 小具足とは簡単に
  1. 甲冑の鎧・兜・袖鎧以外のものを指す。籠手や脛当。
  2. 柔術・和のひとつ。
  3. 竹内流は、天文元年(1532年)、美作国一ノ瀬城主竹内中務大輔源久盛によって創始された。居合の始祖と云われる林崎甚助重信が神夢想林崎流を起こしたのが永禄二年1559年(居合振武会 林崎明神と林崎甚助重信より)です。
  4. 小具足術には最古の柔術流派と言われる、竹内流がある。開祖竹内久盛は「この術を身につければ、短刀を帯びたのみで小具足姿と同じように身を護れる」とした。

 神傳流秘書の書かれた時代が何時であったか明確ではないのですが、第九代林六太夫守政(寛文年1662年~享保17年1732年)によって土佐にもたらされ、第十代林安太夫政詡(安永5年1776年没)が覚書していると思われます。
 夏原流の発生は皆目見当が付きませんが、竹内流などから派生したのか、あるいは参考に組み立てられたのではないかと推察しています。
 それを第七代長谷川英信が林崎甚助重信公の居合に組み入れ第八代荒井勢哲が林六太夫に伝授したのであろうと思います。

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2017年7月17日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事3小具足序

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
3)小具足
小具足 
 両方足を爪立左の膝ヲ付キ右之膝ヲ浮ケテ折ル八文字二坐ス
読み
小具足(こぐそく)
 両方足を爪立 左の膝を付き 右の膝を浮けて折る 八文字に坐す
 
 

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2017年7月16日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事2立合11水車

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
2)立合
十一本目水車
水車
 行□り二(行違いに 曽田メモ)相手の胸を右の手二亭逆手二取左の手二亭相手の前の帯を取り組入扨相手突掛るを支ニ後能膝を突其拍子二我可右の脇へ那希る
 以上十一
読み
水車(すいしゃ)
 行違いに(?)相手の胸を右の手にて逆手に取り 左の手にて相手の前の帯を取り組入る 扨 相手突き掛るを機に 後の膝を突き其の拍子に我が右の脇へ投げる
 以上十一
 この業は正面から行き違う様ですから、原文の「行□り二」(行違いに 曽田メモ)としても良さそうです。
 「突掛るを支ニ」については河野百錬先生は「無双直伝英信流居合兵法叢書」では「突掛るを幸に」とされていますがここは「突き掛るを機に」が正しいと思います。
読み解く
 水車は、双方歩み寄って、行き違いに我から相手の胸を右手で逆手に取り、左手で相手の前帯を取って、相手が突っかかって来る拍子に後足を床に着いて身を沈め我が右脇に投げる。

 稽古では「逆手に取り」「前の帯を取り」のように取るは、つかむ、握る、抑える、触れるいろいろに解釈し「相手突掛るを機に後の膝を突其拍子に」を最も有効に利かせるものを手に入れるべきものでしょう。

 業名が水車ですから、この業は右脇に引き倒すのではなく、一回転させるように仰向けに投げ倒すのかもしれません。機を捉える拍子がポイントでしょう。

 前回の十本目追捕は後ろから行き過ぎる際に懸ける業、十一本目水車は前から行き違う際の業と考える方が自然でしょう。但し、この「立合」は「立合 皆相掛」と書き出しに有ります。
 そうであれば、十本目追捕は行き違って我は振り返り「相手の背中を我可両手二亭一寸突・・」でなければならないでしょう。然し其の前の九本目杉倒は「後より行亭相手の両の肩を我か両手二亭取り・・」です。さて・・・。「皆相掛り」では無いような・・古伝はおおらかに解釈しましょう。

以上で立合十一本は終了です。

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2017年7月15日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事2立合11水車

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
2)立合
十一本目水車
水車
 行□り二(行違いに 曽田メモ)相手の胸を右の手二亭逆手二取左の手二亭相手の前の帯を取り組入扨相手突掛るを支ニ後能膝を突其拍子二我可右の脇へ那希る
以上十一
読み
水車(すいしゃ)
 行違いに(?)相手の胸を右の手にて逆手に取り 左の手にて相手の前の帯を取り組入る 扨 相手突き掛るを機に 後の膝を突き其の拍子に我が右の脇へ投げる
 以上十一
 この業は正面から行き違う様ですから、原文の「行□り二」(行違いに 曽田メモ)としても良さそうです。
 「突掛るを支ニ」については河野百錬先生は「無双直伝英信流居合兵法叢書」では「突掛るを幸に」とされていますがここは「突き掛るを機に」が正しいと思います。
 
 
 

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2017年7月14日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事2立合10追捕

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
2)立合
十本目追捕
追捕
 後より行□り二相手の背中を我可両手二亭一寸突其儘下り足をを具りう川む介耳た於春
読み
追捕(ついぶ・ついほ・おいとり)
 後ろより行き違いに 相手の背中を我が両手にて一寸突 其の侭下り 足を送り 俯けに倒す
 「後より行□り二」は河野百錬先生の「無双直伝英信流居合兵法叢書」では「後より行違いに」とされています。
 曽田先生の手書きでは、次の十一本目の水車で同じ「行□り二」を「行違いに」と訂正メモをされています。前後の文字から「行き摺(摩)りに」と読むことも出来そうです。
読み解く
 この業は「追捕」ですから追いかけて行って捕える、という意味でしょう。
 相手の後ろから近づき「行□りに」は追い越す間際にでしょう、相手の背中を我が両手で一寸突いて、相手にはっとさせておいて、直ぐに身を沈めて相手の両足を掬い取って俯けに倒す。

 「行□り」は後ろから近づいて「相手の背中を我が両手にて一寸突」ですから「行違い」も「擦違い」も「追い越し」てもいないでしょう。□の草書が読めません。
河野先生は「行違い」と読まれていますが、「乱」の草体に近いですから「違」には当たりません。それに、後ろから歩み寄って背中を両手で一寸突く雰囲気は出せませんので、河野先生が無理やり読まれた「違」では手附が成立しません。

「を具り」は「送り」です。
河野先生の無双直伝英信流居合兵法叢書では「そぐり」と書いていますが曽田先生の直筆では、「を」を「そ」には読めませんのでここでは「送り」としました。
「おぐり」は、何処かの方言か既に死語となった意味不明な単語ですが状況から、掬い取る様にしてみました。

 古伝を原書のまま読んで少しは読みが解るかも知れませんが、当て字・癖字・誤字も有る筈です。
 荒井勢哲の口伝を、林六太夫が受け、林 安大夫が神傳流秘書として書き残し、それを山川幸雅が書き写し・・曽田虎彦が書き写しですから誤った文字も見間違い、聞き間違いもあるでしょう。
 業技法は、指導される方の体格、癖、力量や哲学にも依って様々に変わってしまいます。  文字は約束された形と意味を持つのですが楷書はまずまずですが草書ではかなり形に癖が混入し判読が厄介です。

 この様な相手の背中を一寸突いて気を背中に寄せさせて、ハッとしたところ下から掬う様な業は、稽古をして見ても申し合わせでは滑稽な感じになってしまいそうです。
 形稽古を、武術だと拘り過ぎてごちごちに演じた動画を見ますが力を抜き、緩やかに稽古するものでしょう。
 古伝は手附を原文で読んで、自らの力で読み解き、動作に転換する事がポイントでしょう。
居合と和は別物と考えずに、居合の稽古で身に付けた仮想敵を想定しての攻防の動作でかなり出来るはずです。

  

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2017年7月13日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事2立合10追捕

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
2)立合
十本目追捕
追捕
 後より行□り二相手の背中を我可両手二亭一寸突其儘下り足をを具りう川む介耳た於春
読み
追捕(ついぶ・ついほ・おいとり)
 後ろより行き違いに 相手の背中を我が両手にて一寸突 其の侭下り 足を送り 俯けに倒す
 「後より行□り二」は河野百錬先生の「無双直伝英信流居合兵法叢書」では「後より行違いに」とされています。
 曽田先生の手書きでは、次の十一本目の水車で同じ「行□り二」を「行違いに」と訂正メモをされています。
  

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2017年7月12日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事2立合9杉倒

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
2)立合
九本目杉倒
杉倒
 後より行亭相手の両の肩を我が両の手二亭取り腰を足尓て踏ミ阿をの希ニかへ須
読み
杉倒(すぎたおし)
 後ろより行きて 相手の両の肩を我が両のてにて取り 腰を足にて踏み 仰のけに返す
読み解く
 この業名は杉倒です。切り倒される杉の木を想像してしまいますが、杉にこの業をかけたら押しつぶされてしまいます。

 後ろから相手の立つ所へスカスカと近寄り、相手の両肩に両手を掛けるや、腰に足を掛けて相手を仰のけに引き倒す。

 立合は「皆相掛」ということですが、こゝでは我が方から一方的にしかも後ろから仕掛けて行きます。何度も言いますが、古伝は決して相手の害意を察して機先を制するなどと言うものでは無さそうです。
 勝機は逃さないのが兵法であって、戦う以前に戦わなければならない事が前提なのです。

 柳生新陰流の但馬守の「兵法家伝書」の冒頭は、古にいへる事あり「兵は不祥の器なり。天道之を悪む。止むことを獲ずして之を用ゐる、是れ天道也」と、此のこと如何にと・・。

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2017年7月11日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事2立合9杉倒

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
2)立合
九本目杉倒
杉倒
 後より行亭相手の両の肩を我が両の手二亭取り腰を足尓て踏ミ阿をの希ニかへ須
読み
杉倒(すぎたおし)
 後ろより行きて 相手の両の肩を我が両のてにて取り 腰を足にて踏み 仰のけに返す
 

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2017年7月10日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事2立合8打込

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
2)立合
八本目打込
打込
 気乗り二相手打込を右之手二亭請留う津む希二引た於し詰る
読み
打込(うちこみ)
 気乗りに相手打込むを 右の手にて請け留め 俯けに引き倒し詰める
読み解く
 気が乗った時に、相手が小太刀を抜いて打ち込んでくるのを、相手の右手首を右手で請けるや相手に付け入って左手で相手の肘のかがみを巻き込んで、右手で相手の手首を固め右廻りにうつむけに引き倒し詰める。
 気分の乗った処で相手袈裟に打ち込んで来る。或は、気分の乗った処で相手右拳で我が顔面に打込んで来る。

 河野先生の無双直伝英信流居合兵法叢書ではこの夏原流和之事立合「打込」の書き出しのを「気乗りに相手打込むを右の手にて請留伏向に引倒し詰る也」とされています。大江先生に続く大家の読みですからそうとも取れます。「気乗り」は「気素」とも読めるのですが「気乗りに」でしょう、草書体に泣かされます。
 河野先生の古伝の元は曽田先生による神傳流秘書によります。「うつむけ」を伏向と書き改めていますが意味は通じますが、漢字ならば俯けでしょう。

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2017年7月 9日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事2立合8打込

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
2)立合
八本目打込
打込
 気素二相手打込を右之手二亭請留う津む希二引た於し詰る
読み
打込(うちこみ)
 袈裟に相手打込むを 右の手にて請け留め 俯けに引き倒し詰める
 

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2017年7月 8日 (土)

第六回古伝研究の集いを終えて

第六回古伝研究の集いを終えて
 
 6月25日日曜日に終えた、第六回古伝研究の集いも何時もなら当日夜から「振り返り」を書き出すのですが、その日は我が道場の通常稽古日ともあって、かけもち稽古でした。
 翌日からチョット旅に出る約束があって戻ってきたのが7月3日月曜日です。ようやく筆を執りました。
 
 古伝研究会の後に続く我が道場では、一通りそろい踏みの刀法・正座・抜刀法を終えると、ぞろぞろ木刀を持ちだし道場の隅に集まって組太刀を始めだしました。
 「あれ!」残っているのは私と、膝の悪いもう一人、そしてご高齢の道場長。
 私はのけ者にされたようです、彼らは道場の隅に遠慮がちです。道場の中央は大きく空いたまゝでした。
 
 やれやれ、もうじき来る夏季講習会の組太刀稽古に合わせ、付け焼刃の手習いを道場長の許しを得て英信流居合道形の地区独特動作の稽古を個人的にするそうです。
 その割にはほとんどが何時も持ってきていない木刀持参です。事前に話し合っていたとしか思えません「だったら、道場の正式稽古として中央で大きく広がってやれよ」、と思うのですが何故かこせこせとして締りの無いものを感じます。
 地区の組太刀は元々、第21代福井聖山先生のビデオから地区の誰かが工夫された独特の居合道形です。
 鍔付き木刀を鞘無しで帯に差します。
 これはどこか変ですが、誰も其の謂れを知らない不思議です。
 鍔はともかく鞘無しは誰がそうしたのか、もともと土佐の組太刀は仕組みと云い「鞘付き木刀」と指定されています。
 刃引きの真剣も使われていた様ですが、日本刀は数回打ち合えば復元に耐えない程の刃こぼれになります。
 
 「形はたとえ刃引きであっても真剣で打ちあえば刃こぼれする、復元は不能となる、霊器日本刀を粗雑にする土佐の居合の形はおかしい、剣道型の方がまだまし」という様な事を仰って戸山流の祖中村泰三郎先生は刀の打ち合わない形を考案されています。
 確かに、土佐の形は、刀で受け太刀となる「かたち」が多すぎます。受け太刀は待ちの姿勢となり居付きの原因ともなります。
 これはかなり程度の低い形と考えられ、初心者向けのものと云えるでしょう。稽古を積んでさらにこの形を昇華させざるを得ません。
 申し合わせの形を良しとしているようでは何年やってもあまり効果は期待できそうにありません。
 
 真剣で演武会などで演じるのは、形を見世物にした武的演舞ですからそこに見るべきものなど少しもありません。「かっこよく踊ってろ」でしょう。
 
 鍔は、地区では絶対条件で打ち合った時、木刀が流れて小手を傷つけるというのです。古流剣術ではかえって、真向打ち合いでは相手の鍔による小手への損傷を考慮し鍔無し木刀で稽古します。間と間合をわきまえれば、地区風の心配など少しもありません。
 
 形は第17代大江正路先生が古来の形を中学生向けに改変して独創されたものです。従って「無双直伝英信流居合道形」というのが正式名称で七本の業によって成り立ちます。
 第20代河野百錬先生が大日本居合道図譜でこの大江先生の「無双直伝英信流居合道形(太刀打の位)」と括弧書きしてしまいました、その後のこの組太刀を無双直伝英信流の河野先生に師事されたところでは「太刀打之位」と呼んでいます。この地区風も是を「太刀打の位」と言い切っています。
 次いでですから無双直伝英信流正統会の組太刀は第17代大江正路の古伝太刀打之位を中学生向きに改変したもので、その解説書は以下の通りです。
 
 ・大正7年1918年発行堀田捨次郎著大江正路監修「剣道手ほどき(付録)」
 ・昭和13年1938年発行河野百錬著「無双直伝英信流居合道」
 ・昭和17年1942年発行河野百錬著「大日本居合道図譜」
 ・昭和40年1965年発行野村譲吉凱風著「無双直伝英信流居合道の参考」
 ・昭和41年1966年発行川久保瀧次著「無双直伝英信流居合道の手引」
 ・昭和44年1969年辻川新十郎記「宇野又二先生伝無双直伝英信流居合」
 ・昭和55年1980年発行大田次吉著「土佐英信流」
 ・昭和55年1980年発行「平井阿字斎著「居合道秘伝」
 ・平成2年1990年第九回無双直伝英信流居合道全国大会講習会資料「太刀打之位」
 ・平成3年1991年福井虎雄聖山著「無双直伝英信流之形」
 ・平成14年2002年山越正樹編集「京都山内派無双直伝英信流居合術」
 
 古伝による「太刀打之位」は十一本の業で風格のある剣術と言えます。力任せに打ち合っている動画も見られますが、あれでは気品も無く真似したいなど思う事も有りません、 それでも近年は、大江先生の「無双直伝英信流居合道形」を打たず、古伝「太刀打之位」を打たれる道場の方が多い様に思えます。 いずれ又この分析を公開したいと思います。
 
 古伝研究会で、古文書を読んで動作を特定し、詰合をやってきたばかりです。この古伝「詰合」ですが、業数十本、これも明治以降の「詰合之位」十一本とは異なります。
 今日の私の刀袋には木刀やら袋竹刀やら組太刀道具一式がぎっしり詰まっています。取り残されて道場長と柳生新陰流の「合し打ち」と、一刀流の「切り落し」の話しをしながら木刀でその奥の深さを二人して味わっていました。
 
 「わしも十年でも若かったらなー」と、今少しで米寿を迎えられる先生は、お元気乍らも「体力の衰えを感じる」と仰りながら眼をキラキラと輝やかせておられました。
 
 地区風では、何処かおかしいのです。形の意味を能く知らない者がいじり廻してしまっています。
 当地区の僻み根性の一つでしょうか、当代宗家の業を学ばず、先代の業に固執する怠け者がうようよいます。
 自ら学び尽くして良し悪しを見極める本物を求める気風が欠けているのでしょう。
 影響力の強い指導者に引っ張られたか、自分の信念を貫くには、この地区は「居場所がないと不安でならない」日本人の最も標準的気質で弱虫のくせにはったりばかりの地区かもしれません。
 第六回古伝研究会へ戻りましょう。
 今回は特に遠方の地方から来られる方も無く、いつものメンバーとその門弟の方が来られています。通常稽古日を利用し稽古に来られたわけで、初心者からベテランまで混じっておられます。
 詰合ですから立膝の坐し方までもまだ初心の様な方もおられます。前回の詰合の残りを進めるわけにはいきません。
 一本目「発早」から六本目「位弛」まで、三時間の稽古でそれぞれの方々の出来栄えはいつの間にか見違えるほどの「かたち」になって来ています。
 形の手附を覚えて諳んじ、刀の持ち方、手の裡、運剣操作、足の運び・・基礎的な事は次回やればさらに進化するに充分です。
 
 「何!。詰合を初心者に教えるなど無謀だ」。ですか。
 武術の教えを初伝から奥伝へと順番を追って行く指導法は、一見理屈では当然と思えるのですが、私も此処の仲間も2、3年で奥居合まですべて習い覚えて業名一つでどの業もこなしたものです。
 私を指導された漫画家の田中正雄先生は多くの武道を経験され、八十過ぎの御身体で膝腰を痛められながら、躊躇なくいかなる業技法もお教え下さいました。
 正座の部一本目前は土佐の居合の根源の業です。
 何年たっても完成と言える気がしません。其ればかり十年抜いてみてもどれほどの進歩が得られるでしょう。あらぬ教えの呪縛は自ら研究して乗り越えざるを得ません。
 この田中先生も様々な武術を積み上げて最後に到達したのが居合でしょう。コツコツと身に付けられたのでしょう。第21代福井聖山先生の教書は至る所マンガ入りの覚書で埋まっていました。
 コツがつかめずに横一線に抜いていますと、立業の抜刀法の「順刀其の1や2」を抜かせ、立膝の「横雲」も抜かせます。ついでに「霞」も習った様に覚えています。
 それらは皆横一線の抜き付けから始まり、正座でコツをつかめなくとも他の業によっても得られる事を示唆しています。
 
 今日の稽古を見ていますと、知育・体育の個人差があってそれぞれです。それを見抜いて指導される人にあった個別英才教育が居合には最も有効と思われます。詰合は太刀打よりも居合の呼吸を学ぶには有効です。初心者でも他の武術の経験者ならば「かたち」だけならすぐにできるでしょう。
 
 どこの道場に行っても稽古人数は10名前後、ひどいのはそれ以下です。十羽一絡げによる安易な稽古法はあたら名人となるであろう人材を失う事になるかも知れません。
 
 余談ですが、私の書道教室も生徒は自分の机に座ったまま、書いたものを何枚も机に積み上げて有ったり、今まさに手本を見ながら書き込んでいる最中であったり、私は巡回しながら反故を拾って見て廻り、同じ過ちの繰り返しに気付いてもらい、共に書き比べをしたりしています。
 私が正面の離れた机に座って、生徒が「是が今日の一番」の作品を見せに来るのを待つようなことはして居ません。その上朱の訂正など大嫌いです。
 15人ぐらいまでは2時間もあれば充分見て廻れるものです。それもそれぞれが別の課題を勉強中であってもです。その代わり私は「へとへと」になります。
 
 現代の流の武術は名人上手、達人を育て、その業と心を次世代へ伝承すべきものです。
 習う者も心の中では達人を自らの目標とし、しかも萎縮せずのびのびと、真実を楽しみ、何故そうするのか良く聞き理解し、力を抜いて、ゆるゆるとして頑張らない事でしょう。 そしてのって来た時は無我夢中で修錬すべきものです。
 
 棒振り体操で健康維持も人それぞれですが・・・。
 
 此の時代、刀を持って白兵戦での斬り合いなど考える事すらばかげています。
 刀を振り上げ上官の「突撃!」の号令で誰が自動小銃の標的になりますか・・・。そんなウソの頑張りに合わせる必要はありません。
 武道の根源を求める剣士を目指す稽古法は、いたずらに棒振りの数に拘らず、棒振りの術理を解かり、励むうちに、ふっと奥義に目覚めるはずです。
 そして武術は終生現役でありたいものです。力や速さでは若者に勝てるわけはないでしょう。如何に無駄のない動きを手に入れる事です。若かりし昔を偲んでばかりで、引退することは武道には有り得ません。体が動かなくとも武道は出来るはずです。
 今日の古伝研究会に、それぞれの門人方のレベルに構わずお連れになった先生の、懐の深さに頭が下がります。
 自分の門人を、他人に預ける事は並の人には出来ない事です。「弟子たる者師匠の出来ない事でもやれ」と言われた太田次吉先生の言葉を思い出しています。
 
 
 
 
 
 

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曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事2立合7燕返

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
2)立合
七本目燕返
燕返
 玉簾の通り我が指を取り折付引かんとす類を其侭付入っ亭中二入倒す
読み
燕返(つばめかえし)
 玉簾の通り 我が指を取り折り付け引かんとするを 其の侭付け入って中に入り倒す
参考 玉簾の通り
 相手我が左右之指を取り上へ折上類処を此方より其親指をにぎり躰を入っ亭(相手の手を引もぢ指を肩二可希亭相手の左の手を前へ取り躰を抜希亭引廻す)
読み解く
  燕返は玉簾の様に我が左右の手の指を相手が取り上に折上げ、引き倒そうとする処、相手の引くに任せ、相手の手を親指で握り込み其の儘相手に附け入って体を密着させ押し倒す。

 玉簾も燕返も、抜けが多くて「これでどうだ」と云い切れない様な感じもしますが、技をあえて細かく云わない処が古伝のおおらかな処と解釈して、あらゆる可能性を追求して稽古する事に意義ありとすべきでしょう。

 決められた形を順序良くやって見ても、相手の状況によっては意味なしの場合があるものです。此の場合も、指を制せられて、折り上げられ引き落とされそうになるのに附け入って相手の手を握り締めて足を絡めて仰のけに倒す事も出来るでしょう。附け入れば倒す方法が見つかるものです。

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2017年7月 7日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事2立合7燕返

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
2)立合
七本目燕返
燕返
 玉簾の通り我が指を取り折付引かんとす類を其侭付入っ亭中二入倒す
読み
燕返(つばめかえし)
 玉簾の通り 我が指を取り折り付け引かんとするを 其の侭付け入って中に入り倒す
参考 玉簾の通り
相手我が左右之指を取り上へ折上類処を此方より其親指をにぎり躰を入っ亭(相手の手を引もぢ指を肩二可希亭相手の左の手を前へ取り躰を抜希亭引廻す)
 

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2017年7月 6日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事2立合6玉簾

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
2)立合
六本目玉簾
玉簾
 相手我が左右の指を取り上へ折上類処を此方より其親指を尓きり躰入っ亭相手の手を引もぢ指を肩二可希亭相手の左の手を前へ取り躰をぬ希亭引廻す
読み
玉簾(たますだれ)
 相手我が左右の指を取り 上へ折り上げる処を こちらより其の親指を握り 体を入って相手の手をひきもじ 指を肩に懸けて 相手の左の手を前へ取り 体を抜けて引き廻す
読み解く
 この業名は玉簾(たますだれ)です。南京玉簾は大道芸で見ることもなくなったものですが、ひねると形が変わったりして楽しませてくれます。この捻りを業名に被せたのでしょう。

 双方歩み寄る処、相手より我が左右の手の指を取って上に反らせる様に折り上げる、其の時我の方から相手の親指を握りこんで体を相手に密着させて、手を引いて相手の握って居る手を逆に引く様にして「引もじ」ひきねじり指を自由にして、左手を相手の肩に懸け、「相手の左の手を前へ取り体をぬけて引廻す」の処は、右手で相手の左手首を取って体を左に廻し乍ら引き廻し倒す。

「体をぬけて引廻す」の処は沈み込んでとも取れるし、後ろに廻り込む様にとも取れます。
現存する合気の業などに、このような指を返される業は、甲手返し、木葉返しなど幾つもある様です。

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2017年7月 5日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事2立合6玉簾

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
2)立合
六本目玉簾
玉簾
 相手我が左右の指を取り上へ折上類処を此方より其親指を尓きり躰入っ亭相手の手を引もぢ指を肩二可希亭相手の左の手を前へ取り躰をぬ希亭引廻す
読み
玉簾(たますだれ)
 相手我が左右の指を取り 上へ折り上げる処を こちらより其の親指を握り 体を入って相手の手をひきもじ 指を肩に懸けて 相手の左の手を前へ取り 体を抜けて引き廻す
 

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2017年7月 4日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事2立合5車附

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
2)立合
五本目車附
車附
 支劔の通り胸を取るを我左の手二亭取り扨相手突むとする我右の手二亭留す具二入っ亭中に入る倒す
読み
車附(くるまつき)
 支劔の通り胸を取るを 我れ左の手にて取り 扨 相手突かんとする 我れ右の手にて留め 直ぐに入って中に入り倒す
参考 
支劔の通り胸を取る
 相手我が胸を左の手二亭取る・・(我可右の手二亭其手首を取り) 
読み解く
前回の支劔の様に相手が我が胸を左手で取る、我は今度は左手で相手の手首を取って制する。
相手右手拳で突こうとするのを、扨 我は右手で其れを請け留めて直に中に附け入って倒す。

扨、以降が良くわからない文章ですが、相手が右手で突き込んで来ようとするのを、右手で請け留め、相手の懐に入って、背負い投げとしたいのですが、左脇へ引き廻し倒すが無難でしょう。
 何も書かれていませんから自由に状況に応じて対処する処です。

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2017年7月 3日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事2立合5車附

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
2)立合
五本目車附
車附
 支劔の通り胸を取るを我左の手二亭取り扨相手突むとする我右の手二亭留す具二入っ亭中に入る倒す
読み
車附(くるまつき)
 支劔の通り胸を取るを 我れ左の手にて取り 扨 相手突かんとする 我れ右の手にて留め 直ぐに入って中に入り倒す
参考 
支劔の通り胸を取る
 相手我が胸を左の手二亭取る・・(我可右の手二亭其手首を取り) 
 
 
 

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2017年7月 2日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事2立合4支剱

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
2)立合
四本目支劔
支劔
 相手我の胸を左の手二亭取る我可右の手二亭其手首を取り相手右の手二亭打込を我か左の手二亭請留右の手を相手のひぢの可ゞ美二外より懸向へ折常の稽古二ハ引廻した於春

読み
支劔(しけん)
 相手我の胸を左の手にて取る わが右の手にて其の手首を取り 相手右の手にて打込むを我が左の手にて請け留め 右の手を相手の肘の屈みに外より懸け向うへ折る 常の稽古には引き廻し倒す
読み解く
 前回の三本目裙取は我から相手の胸を取って押したのですが、今度は、相手がわが胸を左手で取る(つかむ)、我は右手でわが胸を掴んでいる相手の左手首を取る。
相手は右拳で打ち込んで来るので我は左手で其れを請け止め、右手を相手の肘のかがみに外側から巻き懸けて相手の肘を折る。
普段の稽古では引き廻して倒す。

 「相手のひぢの可ゞ美二外より懸向へ折」ですが、我が左手は相手の打ち込む右手を請け止めて制し、右手は相手の左手首を取っています。その右手を放し相手の右手の肘のかがみに外より懸け肘折りする。
 我が右手は相手の左手首を持ったまま相手の右肘のかがみに懸ける事も相手次第で可能です。右手を相手の左手から離して相手の右肘のかがみに懸けるのも可能です。
いずれも、骨折させてしまいそうです。

 常の稽古では、相手の左右の手を取った状態で左廻りに引き倒すでしょう。

 

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2017年7月 1日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事2立合4支剱

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
2)立合
四本目支剱
支剱
 相手我の胸を左の手二亭取る我可右の手二亭其手首を取り相手右の手二亭打込を我か左の手二亭請留右の手を相手のひぢの可ゞ美二外より懸向へ折常の稽古二ハ引廻した於春

読み
支剱(しけん)
 相手我の胸を左の手にて取る わが右の手にて其の手首を取り 相手右の手にて打込むを我が左の手にて請け留め 右の手を相手の肘の屈みに外より懸け向うへ折る 常の稽古には引き廻し倒す

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